出演:
尾野真千子(小原糸子)
正司照枝(小原ハル)
甲本雅裕(木之元栄作)
駿河太郎(テーラー職人・川本勝)
濱田マリ(安岡玉枝)、田丸麻紀(安岡八重子)、上杉祥三(木岡保男)、柳生みゆ(小原静子)、小松健悦(奥中宗次郎)、眞木めい(小原清子)、吉田葵依(小原光子)、西村亜矢子(木之元節子)、澁谷健史(テーラー職人)、吉井基師(同)、松原美穂(松坂家女中)
黒谷友香(踊り子・サエ)
団時朗(ロイヤル店主)
NAC、キャストプラン、劇団東俳、テアトルアカデミー、劇団ひまわり、日本芸能センター、東映太秦映画村
十朱幸代(松坂貞子)
小林薫(小原善作)
その年の夏は暑かった。糸子が汗を流して働いている間、ロイヤルの店主は職人を相手に岸和田で田舎者を相手にしているつもりはなく、心斎橋に店を出すと語る。職人たちは母親が東京生まれだという店主のことを洗練されているとおだてる。そこへ客が来て、川本が糸子を呼びにくる。店内に入り、客の顔を見て驚いた糸子はクビになるのかと早合点する。客は勘助が入れあげている踊り子サエだった。一番上等な客に、東京だったらダンスホールの踊り子はみんなイブニングドレスだと言われたというサエは、糸子に作ってほしくてやってきたのだった。婦人服のことなら一通りのことはできるつもりだと言う糸子は、イブニングドレスがどんなものなのかよく分からないまま作れると答えてしまう。サエの採寸をしながら、勘助に会っていないことを確認する糸子。勘助が支配人の言いつけを破ってまで会うような男ではないと言うサエは、岸和田にこんな冴えた踊り子がいるのかと例の客を見返してやりたいと糸子に訴えかける。サエは前金として10円払い、もっとかかったらもっと払う、とにかくいいものを作ってと言って立ち去る。糸子はイブニングドレスがどんなものなのか店主に尋ねるが、店主も実は知らなかった。糸子が知っていると思っていたという店主は、自分でどうにかしろと糸子に言いつける。安岡家に立ち寄った糸子は、玉枝にイブニングドレスはどんなものなのかを尋ねる。イブニングは夕方という意味だから、夕焼けみたいな色ではないかなどと話しているうちに八重子が帰宅する。イブニングドレスは夜の正装だという八重子は、記事が掲載された新聞を捜しに行く。その間、玉枝はこの間、奈津が来たことを告げる。父親は倒れてからずっと寝込んでいるらしく、奈津の結納も済んでいたが、結婚は先に延ばすことになったと言う。そこまで話が進んでいたことに驚く糸子。八重子が持ってきた記事には、ダンスホールの踊り子がイブニングドレスを着て踊る写真が掲載されていた。それを見てやれないことはないと思う糸子だったが、踊り子が月に300円稼ぐと書いてあるのを読み、それでサエがあんなに羽振りがよかったのかと得心する。玉枝にどこでそんな客を知ったのかと聞かれ、「何でやろな」とごまかす糸子。勘助は買い物に行っていて、だいぶ反省したみたいでよく手伝ってくれるという玉枝は、そんなに続かないだろうと言って笑う。その日も善作は木岡たちと飲んでいた。糸子は木之元の店から神戸の祖母に電話をかける。貞子が持っているイブニングドレスを見せてもらいに神戸に行くという糸子に、また善作に怒られると心配する静子。糸子は善作が酒の飲みすぎで、怒鳴ったってでかい声が出ないと平然とした態度を見せる。翌朝、居間で酔いつぶれている善作の姿を見て、間違いなくガタが来ていると実感する糸子。ハルに見送られて神戸に向かった糸子は、電車の中で、善作も年を取ったのと、呉服屋がつぶれかけてるのと、期待していた娘が今ひとつパッとしないのとでお酒を飲みたくなるかも知れないと考える。糸子が神戸に着くと、貞子は風邪を引いたらしく部屋で寝込んでいた。心配して何度も「大丈夫?」と聞く糸子に、あんたの声は頭に響くと言う貞子。イブニングドレスを見せてもらうとやっぱり難しそう。貞子は布団の中からそれは舶来の生地でと説明しようとするが、咳き込んで女中に背中をさすってもらう。貞子はただの風邪と言っていたが、好きな菓子もあまり食べず、あまり喋りもしなかった。岸和田に帰ってきた糸子は、往来を見ながら「あっこのお爺ちゃんかてちょっと前はあっこまで年寄りちゃうかった。あっこのお姉ちゃんはよう見たらもうおばちゃんや。うちらが大人になった分だけ大人も年取っていくんやな」と一抹の寂しさを感じる。
さてさてロイヤルに現れたサエの依頼でイブニングドレスを作ることになった糸子。聞いたことも見たこともないのに、いつものごとく引き受けてしまいます。店主も知ったようなことを言っておきながら、いい加減ですねぇ。
まずそこで糸子が向かったのが安岡家。
八重子さん、色々持ってますねぇ。
踊り子の月給が300円と知り、羽振りのいいサエの真似をする糸子。笑
そんな踊り子とどこで知り合ったかなんて口が裂けても言えるわけがありません。遅かれ早かれ、糸子がサエのイブニングドレスを作っているのも勘助の知るところとなるような気もしますが。
岸和田では誰も見たことがないようなイブニングドレスを持っているとは、さすがは神戸のおばあちゃん。でもちょっと体調は思わしくない様子。
この辺りからのモノローグもいいですね。思わずそのまま引用してしまいましたが、確かに周りの大人たちが年取ったなぁと感じる時というのはありますね。
貞子もですが、善作にも死亡フラグが立ち始めてますね。
善作にはせめて年明けぐらいまでは生きていてもらいたいところですが(あえて史実等は確認しないでおきます)。