出演:
尾野真千子(小原糸子)
麻生祐未(小原千代)
正司照枝(小原ハル)
濱田マリ(安岡玉枝)
田丸麻紀(安岡八重子)、尾上寛之(安岡勘助)、柳生みゆ(小原静子)、宮嶋麻衣(芸妓・駒子)、眞木めい(小原清子)、吉田葵依(小原光子)、梅田千絵(吉田屋女将・吉田志津)、前川恵美子(善作の弟子・山本)、那々實あぐり(近所の主婦)、小継梨紗(芸妓・琴子)、舞夢プロ、テアトルアカデミー、劇団東俳、劇団ひまわり、日本芸能センター、東映太秦映画村
小林薫(小原善作)
吉田屋の大将が倒れ、奈津を案じる糸子だったが、駒子も奈津には会っておらず、様子が分からない。勘助が勤める和菓子屋に行き、見舞いの饅頭を買おうとするが、勘助は糸子から饅頭をもらったら奈津が余計に落ち込むと反対する。それならあんたが持っていってよと糸子は勘助にお金を渡すが、勘助はそれだけでは饅頭1個しか買えないと困惑する。糸子には勘助の言っている意味も分かっていた。奈津には奈津の意地があり、下手に心配しない方がいい。小原呉服店に駒子が回転焼を持ってやってくる。駒子は生地を選ぶのにも仮縫いにもよく来てくれ、友達みたいに仲良くなっていた。糸子は必死でミシンをかけ、遂に洋服が完成。姿見で自分の姿を見た駒子は、前のとは全然違い、顔も明るく、胴も細く、足も長く見えると喜んで涙ぐむ。芸妓は器量の善し悪しで全部値打ちが決められるところがあり、いくら勉強しようが別嬪じゃなければ馬鹿にされても仕方がない。そのため、別嬪に見える洋服を作ってくれたことが本当に嬉しかったのだった。駒子が洋服を着て町を歩くことを想像した糸子は我慢できなくなり、このまま外を歩こうと提案する。嫌がる駒子を言いくるめて外に連れ出す糸子。町の人はみんな駒子に見とれ、駒子も背筋がどんどん伸びてますます別嬪に見えてきた。その洋服を自分が作ったと触れて回りたい思いに駆られる糸子。2人は安岡家に寄って玉枝と八重子に洋服を見せる。興味を持った髪結いの客にチラシを渡して宣伝する糸子。帰り際、まだ代金を払っていないことに気づいた駒子はいくら尋ねるが、糸子は代金はいらないと言う。駒子が最初の客でよかったと言う糸子は、本当にいい仕事させてもらい、どんなものを作ったらお客さんが喜んでくれるのか、お客さんが喜んでくれるいうのはどういうことなのかとても勉強になったと感謝し、その服を着てどんどん出歩いて、小原洋裁店をどんどん宣伝してくれたらそれで充分だと言う。駒子は借りは返すと念を押して帰っていく。駒子を見送った糸子は、自分が大物で、器のでかい情の深い一流の人間だと思いつつ帰路につく。帰宅すると、善作の謡の弟子だった山本が来ていた。木之元の店でチラシを見たという山本は、娘の洋服を頼みに来たのだった。明日にでも娘を連れて来ると言う山本が帰った後、チラシというのは馬鹿にできないと話し合う糸子と善作。ところが、善作にいくら集金してきたのかと聞かれた糸子は黙り込む。2円50銭が生地代で残りの金で次の生地を買い、残ったのが糸子の縫い賃などとそろばんを弾く善作に、もらっていないと頭を下げる糸子。その後、糸子に雷を落とした善作は腹を立てて出ていく。泣きじゃくる糸子を心配し、今度は何をやらかしたのかと聞くハルと千代。善作は糸子に慈善事業でもやっているつもりか、情けない情けない情けないと怒りをぶつけていた。その夜、糸子が寝つけないでいると、泣き声が聞こえてくる。それは糸子のことで泣いている善作の声だった。
駒子の洋服も無事に完成。
と思いきや代金を受け取らない糸子。
そらまあ怒られますわな。器の大きな情の深い一流の人間になったつもりでいる場合じゃないでしょうに。しかもパッチのときと同じく、仕事を引き受ける前に代金の話をしていませんでしたし。
善作にしてみたら、まさに「父ちゃん、情けなくて涙出てくらあ(byあばれはっちゃくの父ちゃん)」といったところでしょうね。
ところで駒子が代金の話をする際に「よう言わんわ」と言ってましたが、このフレーズが自然に出てくるようになれば立派な関西弁スピーカーですな。笑