平体まひろ ひとり芝居
『売り言葉』
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雑遊
作:野田秀樹 演出:下平慶祐
脚色:下平慶祐、平体まひろ
舞台監督:齋藤美由紀
音響:丸田裕也 音響オペレーター:池田優美
照明:阪口美和 舞台美術:竹邊奈津子
稽古場・舞台写真:喜田裕也
制作:西村蒼、平体まひろ
当日制作:岡田珠美、渋谷真樹子
宣伝美術:平体まひろ
出演:
平体まひろ(高村智恵子/高村光太郎/女中)
声の出演:
小谷俊輔、那須凜、鈴木結里、藤谷理子、川合耀祐、小石川桃子
STORY
『智恵子抄』で知られる高村光太郎の妻・智恵子。福島県の資産家・長沼家に生まれた智恵子は両親を強引に説得して女学校に進学、更に東京の大学に進んで洋画を学び始める。平塚らいてうに出会い、『青鞜』創刊号の表紙を描くなど注目されるようになる智恵子だったが、そんな折、彫刻家・詩人の高村光太郎と運命的な出会いを果たし、共同生活を始める。しかし、実家の破産などもあり体調を崩し、精神分裂症の兆候が出始める。
しばらく舞台出演を休んでいた平体まひろさんが復帰にあたってひとり芝居に挑戦。
対面式の客席で、舞台には絨毯の上にテーブルを挟んでソファーと椅子、他に鏡台や本棚、オーディオ機器など。
2002年、大竹しのぶさんのひとり芝居として初演された本作、映像では見たことがあり、戯曲も読んだことはあったけど、平体まひろさんがこの作品に挑むとあれば期待するなと言う方が無理というもの。
果たしてその期待は毫も裏切られることはなく、むしろ期待を大きく上回るもので、表情、動き、台詞回し、どれをとってもその力量のほどが分かる作品だった。もちろん、大竹しのぶさんに比肩するとまでは言わないけど(なんせまだ20代)、その片鱗は確実にあり、将来が楽しみでしかない。
上演時間1時間29分。
アフタートークはアマヤドリの広田淳一さんがゲスト。平体さんは大学生の頃、アマヤドリの作品に2本ほど出たことがあるとか。
広田さんも劇団員の大塚由祈子さんのリクエストにより、この戯曲を演出したことがあるとのことで、なかなか興味深い話が聞けてよかった(女中の台詞を福島弁にしなかった理由、狂気を演じることについて、洋楽中心の選曲などなど)。
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