レティクル座の"サ劇"『真・バトルサウナー城崎』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

レティクル座の"サ劇"

『真・バトルサウナー城崎』



2024年8月7日(水)〜12日(月)

王子小劇場


作・演出:阿部慎一郎

舞台監督:井草佑一(COMBO×COMBO)
美術:澁澤萌 照明:太田明希(Light Vision)

照明オペ:長谷川司樹 音響:中村光彩

テーマ曲:坂本弦
振付:井草佑一(COMBO×COMBO)
振付助手:町田青 歌唱指導:鈴木翔太
アウフグース指導:バイセン大塚
映像:吉田雅人 演出助手:町田青

衣装:小林ありさ 小道具:鈴木克彦、鈴木拓也
イラスト:上野顕太郎
宣伝美術:津和野諒(アガリスクエンターテイメント)
スチール撮影:長谷川弘 制作:レティクル座

広報:大森美里

当日運営:川井麻貴(シーボーズ)


出演:

鈴木拓也[レティクル座](城崎情太郎)

キム ヒョンシク(バトルサウナー・有馬)

和釜まこと(「王子健康ランド」オーナー兼アウフギーサー・西川)

篠原正明[ナカゴー](ととのい組長)

夢麻呂[『熱ら。』](サウナの神・スパフキン/現在の情太郎)

葛生大雅[サンバーチャイチャイ/マチルダアパルトマン](サウナの妖精・トントゥ)

堀越健次(鬼怒川建設社長・鬼怒川)

高麗哲也(工事作業員・鬼首(おにこうべ))

林廉[劇想からまわりえっちゃん](同・ポワルスキー)

南大空[劇想からまわりえっちゃん](ボスサウナー・ピグマ)

中村ナツ子(情太郎の妹・城崎美鈴)

我修院達子(西川の弟子・プリズム恵子)
吉成豊(建設反対おじさん・草津)
廣瀬響乃[ポップンマッシュルームチキン野郎](サウナライター・ちるえ)

矢野杏子【D】(サウナくノ一忍)

野表つばさ[ぱんぷらきっと]【D】(サウナザウルス竜也)

笠井唯斗【D】(サウナザウルスメス盛山)

内藤慎人[劇団スカブラボー](サウナーモンキー木下)

大友祐晟【D】(秋保(あきう))
小林ありさ[革命アイドル暴走ちゃん]【D】(鳴子(なるご))

STORY

主人公の城崎はサウナを愛しながらも、未だ「真のととのい」とは何なのか分からずにいた。そんなある日、城崎が通う「王子健康ランド」のオーナーから衝撃的な事実を告げられる。この温浴施設の地下には「バトルダンジョン」が奥深く続いており、その最下層「ラストサウナ」に眠る秘宝こそ「真のととのい」だという。城崎はサウナの神「スパフキン」からバトルサウナー奥義「手汗」を授かり、各フロアで待ち受ける汗の使い手「ボスサウナー」達に挑み続ける! 20年前サウナで行方不明になった父の影を追いながら‥‥。【公式サイトより】


2021年、2022年に短篇として上演された「バトルサウナー城崎」を長篇化。ダブルキャストのうちドライキャスト(【D】)を鑑賞。


レティクル座は前回公演『迷い猫のコッピヲ』が今一つ肌に合わなかったので、今後観ることはないかもと思っていたのだけど、ナカゴーの篠原正明さん出演ということとチラシのバカパク具合(©『ボキャブラ天国』)に惹かれるものがあって鑑賞(あと、劇場支援会員だしね)。

結果、大正解。サウナはそれほど頻繁に利用する訳ではなく、作品のきっかけとなったという名古屋のウェルビー栄も目の前は何度も通ったことがあるけど足を踏み入れたことはない。

そんな状態なのでアウフギーサーだのロウリュだのといった専門用語も馴染みがなかったが(当日パンフに用語集でも載せてくれたらよかったのに)、始まってしまえばそんなことは関係ない。明転してサウナ室にずらりと並んだ上半身裸の男たちの姿を見た瞬間から「これはいいぞ」となり、サウナストーンに水をかけると発せられる音やアウフギーサーのタオルさばきに熱波を感じ、オープニングの歌&ダンス(坂本弦さんがここでもいい仕事をしている!)で完全に引き込まれた。

展開自体も少年漫画の王道のような亜流のような荒唐無稽なものながら、90分でまとめきるその手腕も見事。いやぁ、これを観ると一度、「ととのう」というのを経験してみたくなりますなぁ。


上演時間1時間28分。