劇想からまわりえっちゃん『青春の価値〜プリズムエモーション〜』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

劇想からまわりえっちゃん

『青春の価値〜プリズムエモーション〜』



2024年7月26日(金)〜28日(日)

Studio twl


作・演出・作詞・振付:青沼リョウスケ

当日運営:伊藤彩奈、岸本武享

舞台監督・音響:中村猿人

照明:葛生英之 照明オペ:仲大盛桂子

音楽:坂本弦 衣装:荒川智都

フライヤーデザイン:kaho Hosokawa

制作:劇想からまわりえっちゃん


出演:

梶川七海(エリコ)

桑田佳澄(絵里子)

大岩根綾奈(キング・金原)

竹森まりあ(陸上部・すみれ)

堀井夢香(ケチャップ)

青木真美*(蘭蘭)

石井未来(ワクさん・涌井)

林廉*(総理・根尾晃)

佐々木タケシ(晃の友人・官房長官)

ムトコウヨウ*(先輩バイト店員・翔)

青沼リョウスケ*(ゲームセンター「キャロット」店長)

南大空*(スカイジムインストラクター・男市)

平林和樹(同・中川)

玉一祐樹美*(絵里子の母・めぐみ)

*=劇想からまわりえっちゃん


STORY

毘沙門天高校2年2組に転校してきたエリコは、ひょんなことからキング、すみれ、ケチャップ、蘭蘭、涌井らと仲良くなる。彼女たちはアプリ「プリズムエモーション」、略してプリエモで何もしないところを配信して収益を得ていた。ゲームセンターでアルバイトをしている同じクラスの晃はそんな彼女たちを疎ましく感じていた。一方、娘・絵里子がアプリで稼いだお金で余裕が出てきためぐみは夜勤を辞め、男市たちに声をかけられて入会したスカイジムに通うようになり、生き生きとし始める。


劇想からまわりえっちゃん、15周年記念公演第1幕。


青沼リョウスケさんは脚色・演出を担当したあるいはエナメルの目をもつ乙女『こどもの一生』、脚本・アクション監修を担当した猿博打『ラスボス前にもう一杯』と観てきて、満を持しての劇団公演。

原点に帰っての小さな劇場での公演で、舞台は黒くて長細いボックスがあるのみ。前説では青沼さんが出てきて、本篇の店長役でボツになったネタを披露。ムトコウヨウさんだけがウケていた。笑


本作は王道的作品を上演する「からまわりえっちゃんレッド」というだけあって、舞台狭しと躍動する2の2の面々はまさに青春そのもの。小難しい理屈は抜きに

序盤はいつもながらの賑々しい感じで楽しく観ていたら、桑田佳澄さん扮する絵里子が出てきて空気が変わる。なるほど、役名からしてエリコと同一人物なのだなということは分かったし、それ自体は面白いアイディアだと思ったものの、最後まで葛藤が描かれることがなく、母親との対決もなかったのがやや肩透かしを食らわされた気分だった。


梶川七海さんは底抜けに明るく、ほとんど当て書きだろうなというキャラクター。オリメン2人とともに前作『もう一度、僕を孕んで』の劇中歌「黄金のゆりかご」まで披露されるとは!


上演時間1時間25分。