映画『からかい上手の高木さん』(今泉力哉監督) | 新・法水堂

新・法水堂

演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

『からかい上手の高木さん』



2024年日本映画 120分

監督:今泉力哉

原作:山本崇一朗『からかい上手の高木さん』(小学館「ゲッサン少年サンデーコミックス」刊) 

脚本:金沢知樹、萩森淳、今泉力哉

音楽:大間々昂

主題歌:「遥か」Aimer(SACRA MUSIC/Sony Music Labels Inc.)

プロデュース:大澤祐樹、森川真行

制作プロデューサー:庄島智之

アソシエイトブロデューサー:岡本順哉、越當陽子

ラインプロデューサー:保中良介

撮影監督:岩永洋 照明:加藤大輝

録音:島津未来介 美術:禪洲幸久

装飾:石田満美、うてなまさたか

小道具:渡辺麗子、横山夏子

スクリプター:河野ひでみ 編集:斉藤和彦

Re-recording Mixer:浜田洋輔、劉逸筠

音響効果:勝亦さくら

衣裳:馬場恭子、藤原千弥

ヘアメイク:寺沢ルミ、杉本あゆみ

助監督:平波亘 制作担当:坪内一 


出演:

永野芽郁(高木さん)

高橋文哉(西片)

江口洋介(田辺先生)

鈴木仁(中井)

平祐奈(真野)

前田旺志郎(浜口)

志田彩良(北条)

白鳥玉季(2年3組生徒・大関みき)

齋藤潤(同・町田涼)

月島琉衣(中学時代の高木さん)

黒川想矢(中学時代の西片)

春本ヒロ、竹下優名(生徒・北田真美)、森本陸斗(同・板垣陽介)、禾本珠彩(同・横田樹里)、大森愛(同・石田麻友子)、高平凛人(同・相川響)、蒼乃珊瑚(同・岡崎美音)、海津陽(同・酒井草太)、金恒那(同・澤井はな)、山下光琉(同・長嶋光一)、髙橋海翔(同・西村武)、安藤冶真(同・安川真治)、山口侑人(同・米田慶太)、赤澤葵、石井楓大、泉琉蒼、 大森香実、坂本宝愛(松永心愛)、佐藤琥音、佐藤珀心、田中瑛貴、中田凱仁(廊下を走って注意される生徒・中谷陸)、濱中優花、三木葉優心、大町悠介(中学時代の同級生・川崎崇)、桃児(同・山下)、長澤優花(同・橘ゆみ)、橋本佳奈(同・佐伯恭子)、小出優子(美術の先生)、高橋玲香(高木さんと西片の娘・ちーちゃん)、ジェームズ・ペーカー(神父)、近藤玲音[クレジットなし]


STORY

とある島の中学校。隣の席になった女の子・高木さんに、何かとからかわれてしまう男の子・西片。どうにかしてからかい返そうと策を練るも、いつも見透かされてしまい失敗…。そんな毎日を過ごしていた二人だったが、ある日離ればなれになってしまう…。それから10年――、高木さんが島に帰ってきた!「西片、ただいま。」母校で体育教師として奮闘する西片の前に、教育実習生として突然、現れたのだった! 10年ぶりに再会した二人の、止まっていた時間と、止まっていた「からかい」の日々が、再び動き出す――。【公式サイトより】


シリーズ累計1200万部を突破した山本崇一朗さんの同名コミックを今泉力哉監督が実写映画化。


ドラマ版全8話を視聴してようやく映画館へ。

ちなみに昼に観た演劇ユニットせのびのアフタートークの後、今泉力哉監督に持って買っておいた本作のパンフレットにサインを頂いた。笑


映画版はドラマ版の10年後の物語。

西片は母校の体育教師になり、中井も同じく教師に。担任だった田辺先生は教頭になっていたけど、生徒時代と同じく西片と呼び捨てにするのはありえんわな。

そこへ帰ってきたのが高木さん。掃除道具入れから現れて驚かせるというドラマ版にも出てきたパターンで、10年経っても変わらない2人のやりとりに早速にやにやしてしまう。

中井と真野が結婚し、浜口と北条が付き合ったり分かれたりを繰り返す中、西片はこの10年、誰とも交際することもなく、「好き」という気持も分からないままだった様子。その方面に関しては、大関や町田といった生徒たちの方がよっぽど理解できている。


終盤、高木さんと西片が定位置についてお互いの気持を語り合うシーンは本作の白眉。ここでようやく西片は高木さんと付き合いたいと言うが、それでも好きなのかどうかはよく分かっていない。もどかしくなるほどではあるが、西片のこういうところに高木さんも惹かれていたのであろう。

上述のアフタートークでは、観客の啜り泣きが聞こえてくるので無音にはならないという理由をつけて、このシーンに劇伴をつけないという判断を押し通した話をされていたけど、今泉監督が役者の力量を信頼しているからこそできたシーンだろうな。

元よりハッピーエンディングしかありえない作品ではあるけど、2人が幸せになってよかったよかった。


永野芽郁さんはドラマ版の月島琉衣さんとは被っては見えなかったけど、これはこれであり。高橋文哉さんの方は黒川想矢さんに寄せていて、驚くときの「ええっ」の言い方が特に似ていた。