なかないで、毒きのこちゃん×くしだ企画『シャーク・アタック・トルネード・アフタートゥモロー』 | 新・法水堂

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なかないで、毒きのこちゃんマイナス160万パワーズ×くしだ企画

『シャーク・アタック・トルネード・アフタートゥモロー』



2024年6月18日(火)〜23日(日)
下北沢亭

作・演出:鳥皮ささみ
チラシイラスト:町田ひろみ
チラシデザイン:橋本コーヘイ
音響プラン:栗原カオス
照明プラン:緒方稔記(黒猿)
衣装:なかないで、毒きのこちゃん衣装部
舞台美術:猪股和磨 舞台監督:久我真希人
制作:なかないで、毒きのこちゃん制作部、くしだ@40project 
キャスティング協力:くしだ@40project
カンパニースタッフ:植田祥平(川本)、 森田ガンツ(山岸)、芳田遥、吉田壮辰
企画/製作:なかないで、毒きのこちゃん、くしだ企画

出演:
荒木凪瑳(大学生・アヤノ/ガンバーレ多摩川選手・アイコ/ギャル/テツロウの恋人・マサミ/サメ ほか)
田中愛実[イッツフォーリーズ](大学生・ヨシエ/ガンバーレ多摩川選手・ヨーコ ほか)
佐野剛[江古田のガールズ](アヤノの友人・小田原/釣り人/多摩川警察?・冴島/まりえとひとみの父親/コンビニ店員・寺田サブロウ/その息子・寺田テツロウ ほか)
原あゆみ[メロトゲニ](まりえとひとみの父親の再婚相手・サエ/電車の乗客(女子高生)ほか)

志葉智(姉・まりえ ほか)

宮内萌々花(妹・ひとみ/女子高生・しーちゃん ほか)

青木絵璃(レポーター・田場/ガンバーレ多摩川選手・ケーコ/多摩川警察・みいな/女子高生・もえみ/サメ博士の助手/電車の乗客(おばあさん)ほか)
井澤佳奈(ガンバーレ多摩川選手・エーコ/女子高生・田沢/ギャル/サメ博士/マルチーズ/電車の乗客(主婦)ほか)

STORY
世田谷区にある美しい川「多摩川」に降り立った大学生のアヤノとヨシエ。すっかりバカンス気分の彼女たちだったが、ひょんなことから、近くで稼働していた石油発掘中の事故により、氷床に眠っていた人喰いザメが復活してしまうのだった…過去に米軍が開発した生物兵器である人喰いザメ「トルネード・メガ・シャーク」が川を恐怖に陥れる…!!! 果たして2人は「トルネード・メガ・シャーク」を食い止めることが出来るのか! サメと人間との死闘を描くモンスターパニック演劇!【公演チラシより】

本作が旗揚げ公演となるくしだ企画が、なかないで、毒きのこちゃんとコラボ。

サメ映画ならぬサメ演劇。タイトルからしてB級感が溢れているが、次々に登場人物が人喰いザメの餌食となる展開やややオーバーな演技そのものもアメリカのそうした類の映画やドラマを想起させる。
サメの保護団体が抗議に来たという動画をtwitterに投稿していたので、何かあるなと思っていたら、果たしてPEACE THE SHARKと書かれたTシャツを着た男が2人、上演の中止を求めて乱入する。鳥皮ささみさんや舞台監督の久我真希人さんが事態の収拾を図るも怪我を負わされ、上演続行の危機に陥る中、出演者が用いた武器は「演劇の力」。演劇の力によって乱入者を人喰いザメに見立て、出番めはない役者が入れ替わり立ち替わり音響と照明を操作する。
ただでさえこうした演劇愛を感じさせる作品にはヨワい私、終盤に出演者が次々に「私は演劇が好きです」と独白する場面には流れる涙を抑えることができなかった。まさか毒きのこちゃんでこんなに泣かされるとは!

キャストも全員よかったけど、中ではB級アクション映画のヒロイン感を醸し出す原あゆみさんと、細い体でたくましく生き抜くヨーコ役の田中愛実さんが印象に残った。

上演時間1時間40分。