劇団あはひ『ピテカントロプス・エレクトス』 | 新・法水堂

新・法水堂

演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

劇団あはひ

『ピテカントロプス・エレクトス あるいは私たちはどこから来たのか、私たちはどこへ⾏くのか?』

PITHECANTHROPUS ERECTUS



2024年5月24日(金)〜6月2日(日)
東京芸術劇場シアターイースト

作・演出:大塚健太郎

美術:杉山至

映像:須藤崇規 映像操作:宮田真理子

音楽:川村隆太郎 音響:筧良太
照明:千田実 照明操作:麗乃

舞台監督:原口佳子

舞台部:前田淳、齋木理恵子

衣裳:今村あずさ ヘアメイク:高村マドカ

宣伝美術(アートワーク):米澤柊

宣伝美術・web:相馬称
ドラマトゥルク:小名洋脩 演出助手:福田麗

制作:高本彩恵

制作協力:藤崎春花、加藤七穂、臼田菜南

出演

山田健太郎(猿人1)
野口千優(猿人2)
美都(猿人3)
鈴木翔陽(猿人4)
すずき咲人心(原人1)
上川拓郎(原人2)
外山史織(原人3)
今村航(原人4)
川添野愛(旧人1)
小川清花(旧人2)
長谷美里(旧人3)
山上晃二(旧人4)
松尾敢太郎(猿長明)
踊り子あり(人長明)

アンダースタディ:福田麗、滝本悠人


STORY

第一幕 そこは400万年前の地球。地殻変動によって人類史上初めて直立二足歩行を成し遂げた猿人、アルディビテクス・ラミダスの一家が自慢の二足歩行で村散歩を楽しんでいたところ、見慣れぬ巨大な穴を発見。穴の底から響いてくるのは、700万年前、まだ森で暮らしている猿の悲しげな声。

第二幕 そこは180万年前の地球。ふたたびの地殻変動により人類史上初めて狩られる側から狩る側となった原人。ホモ・エレクトスの軍団が自慢のハンドアックス片手にハンティングを楽しんでいたところ、見慣れぬ巨大な穴を発見。穴の底から響いてくるのは、400万年前のラミダスの一家の悲しげな声。

第三幕 そこは30万年前の地球。地球全体を襲った二度の氷期による砂漠化から脱出し、環境に合わせて肌を白く進化させた旧人、ネアンデルタール人の一行が発展に向けて邁進していたところ、見慣れぬ巨大な穴を発見。穴の底から響いてくるのは、180万年前のエレクトス軍団の悲しげな声。

第四幕 そこは0万年前の地球。繰り返されるピテカントロプス・エレクトスたちの興亡を憂う新人、ホモ・サピエンスの隠者が佇んでいると、あの穴の底から響いてくる声。そしてやがて穴の上から……。【当日パンフレットより】


芸劇eyes選出作品。

四方囲み舞台で中央には大きな穴。開演前はコーンとバーで囲まれている(上演前と上演後は撮影可)。

全四幕構成で、最初の三幕は類人、原人、旧人がそれぞれ四隅に現れ、最後の四幕には人長明と猿長明(猿の着ぐるみで開演前からロビーや劇場をうろつく)が登場。

類人、原人、旧人たちは穴に近づいて両手を口の横に当てながら台詞を発し、穴の中の別の時代の生物たちと会話をする。全体的に台詞回しはゆっくりで、感情はほとんど込められていない。

類人、原人、旧人がこんな複雑な言葉を発する訳もないので、当然ながらこれは何かの見立てであろうことは予想がつく。終演後、ロビーにでかでかと貼ってあったあらすじが「A」から「B」に差し替えられていて種明かしがなされる(写真をSNSに投稿するのは控えるよう書かれていたけど、ブログならいいのかな。笑)。
そうした作品の建てつけ自体は悪くはないと思ったものの、役者たちから発せられる言葉が作者が自分にあてて書いているように感じられ、ほとんど印象に残らなかった。

上演時間2時間2分。