PARCO & cube Presents『こどもの一生』 | 新・法水堂

新・法水堂

演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

PARCO & cube Presents
『こどもの一生』



【名古屋公演】
2012年12月12日(水)
中日劇場

作:中島らも 潤色:桝野幸宏 演出:G2
美術:二村周作 照明:高見和義

音響:井上正弘 音楽:和田俊輔

映像:上田大樹 振付:小野寺修二
衣裳:伊藤佐智子 ヘアメイク:宮内宏明
演出助手:西祐子 舞台監督:林和宏


出演:

谷原章介(秘書・柿沼)

吉田鋼太郎(三友)

中越典子(淳子)

笹本玲奈(ユミ)

玉置玲央(藤堂)

戸次重幸(院長)

鈴木砂羽(看護婦・井出)

山内圭哉(山田)


STORY
瀬戸内海に浮かぶとある小さな島。隔離状態にされた病院では、院長と看護婦・井出の指導の下、ストレス障害を抱えた患者の治療が行われていた。青森の娯楽施設で働く淳子、家電量販店で働くユミ、再現ドラマの脚本家・藤堂といった患者たちに、脱税騒ぎから逃れてきた開発会社社長・三友と言いなりの秘書・柿沼が混じる。ストレス治療のために、「こども返り」という方法を試される患者たちだったが、三友は10歳になっても大人の頃の力関係を持ち込もうとする。他の患者たちは「山田のおじさんごっこ」と称した遊びを始めるが、突然、当の山田のおじさんが現れる。それは悲劇の始まりだった。


1990年に初演された中島らもさん作品をアレンジしての四演。

タイトルからはどこか牧歌的な印象も受けるが、なかなかどうしてのサイコスリラー。
ただ、結局はマジックマッシュルームによる幻覚だったというのはらもさんらしいかも知れないけど、もうひとひねり加えて、更なる恐怖を感じさせてほしかった。
また、「こども返り」がストレス治療にとって有効という裏づけが足りない。今じゃあ10歳でもストレス抱えてるからねぇ。
ま、吉田鋼太郎さんがこどもになってしまうという時点で面白いから許してしまうけど。

G2さんの演出は映像を巧みに織り交ぜながら、不気味さも感じさせ。小野寺修二さん振付によるダンスもアクセントとなっていた。
吉田鋼太郎さんはご当地ネタとして、「アマノドラッグで買ってきた」と言わなくてはいけないところを「アベノドラッグ」と言ってしまって、妙な間が…。「アベノ」じゃ大阪になってしまうからね。笑

このツアーも福井公演を残すのみ。
今日の名古屋公演が今までで一番客が入っていたこともあってか、カーテンコールで山内圭哉さんが「何で最後が福井やねん」と言っていた。笑