PARCO PRODUCE 2024『東京輪舞』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

PARCO PRODUCE 2024

『東京輪舞 トウキョウロンド』

TOKYO RONDE


【東京公演】
2024年3月10日(日)〜28日(木)
PARCO劇場

原作:アルトゥル・シュニッツラー
作:山本卓卓 演出・美術:杉原邦生
照明:高田政義 音楽:益田トッシュ
音響:稲住祐平 衣裳:岡村春輝
ヘアメイク:国府田圭  振付:北尾亘
演出助手:杜菜摘
舞台監督:藤田有紀彦、中野雄斗
宣伝:ディップス・プラネット
宣伝美術:榎本太郎 宣伝写真:端裕人
宣伝スタイリング:内田あゆみ
宣伝ヘアメイク:CHIHIRO
宣伝映像:尾野慎太郎 舞台写真:岡千里
プロデューサー:田中希世子、藤井綾子
製作:小林大介

出演:
髙木雄也(配達員カイト/息子(大学院生)/作家の夫・山口タツヒコ/インフルエンサー/俳優/十代/工事現場警備員)
清水くるみ(十代/家事代行ジャスミン/作家ショウジサヨ/クィア/インフルエンサー/俳優の妻・社長)

STAGE PERFORMER:
今井公平、市原麻帆、椛島一、木下葉羅、KENVOSE、小林由依、田村真央、長南洸生

第一景 十代と配達員
第二景 配達員と家事代行
第三景 家事代行と息子
第四景 息子と作家
第五景 作家と夫
第六景 夫とクィア
第七景 クィアとインフルエンサー
第八景 インフルエンサーと俳優
第九景 俳優と社長
第十景 社長と十代

オーストリアの劇作家アルトゥル・シュニッツラーさんが1900年に発表した戯曲『輪舞』の舞台を東京に移し替えて上演。

舞台の背景および床は「TOKYO/トーキョー/とうきょう/東京」の文字で埋め尽くされ、「R」「O」「N」「D」「E」の文字をかたどった可動式の壁や調度をSTAGE PERFORMERが移動。
全十景で構成され、上下に動く電光掲示板で「渋谷、春」「成城、夏」「品川、冬」のように場面が表示。電光掲示板には「セックスをする」「エッチする」「射精する、される」といった性交渉を表す言葉も。

全十景の表題は上記の通り。登場人物がリレー形式で展開し、第六景の途中で休憩。面白いのは第七景の最後でクィアとインフルエンサーが衣裳を交換し、第八景では清水くるみさんがインフルエンサーを演じる点。最後に登場する十代も第一景とは代わって髙木雄也さんが演じることとなる。
ここには様々な人物が登場し、様々な愛の形がある。夫婦もあれば不倫もあり、同性愛も描かれる。愛には固定の決まり切った形はなく、それぞれの関係性の中で形作られていくものだということを感じた。
また、舞台美術もかなり強烈にアピールしてくるが、東京という街こそが本作の主人公。この巨大な都市の中で輪舞は奏でられ続ける。

結構笑えるところもあったが、あまり笑い声は聞こえてこなかった。客席の大半を占める髙木雄也さんファンはそんな余裕はなかったのかな。笑
清水くるみさんは前半はいつものような可愛らしい感じの役だったが、後半のクィアやインフルエンサー、社長などはこれまでにない一面を見せてくれる役どころだった。クィアではダンスも披露。

上演時間2時間48分(一幕1時間23分、休憩15分、二幕1時間10分)。