ゲキバカ大千穐楽『ごんべい』江戸Bチーム | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

ゲキバカ大千穐楽

『ごんべい』



【東京公演】

2024年3月6日(水)〜10日(日)
東京芸術劇場シアターウエスト
 
作・演出:柿ノ木タケヲ
舞台監督:新井和幸
照明:吉田一弥 照明オペ:高木里桜
音響:谷井貞仁(Collage Sound)
殺陣サンプラー:鈴木暁
舞台美術:八木橋貴之
衣裳:車杏里 衣裳進行:平野萌香
振付:伊藤今人(ゲキバカ/梅棒)
殺陣指導:橋本浩太朗 楽曲提供:monologue
ベース演奏:室田晃(ピラニア楽団)
劇中映像:増留壮一朗
ピアノ演奏:なめちゃん(ウルトラ寿司ふぁいやー)
コーラスアレンジ:Kokeshi 歌唱指導:侑華
​映像収録(東京):佐藤直樹(株式会社アルデ)
宣伝美術:斎藤さち 舞台写真:和知明
題字:玉一祐樹美(劇想からまわりえっちゃん)
制作協力:ハシクミ、吉乃ルナ、斉藤未来、渡辺大、姫野ねむり、石橋美怜、真辺美緒、よしひろ葵、宮川花菜、徳丸舞香
制作:登紀子(アイビス・プラネット)、浅倉良徳
 
出演(江戸B):
野田裕貴[梅棒](ごんべい)
平井杏奈(まとい)
伊藤今人[ゲキバカ/梅棒](まといの兄・龍)
谷口賢志(鬼組・五代目)
キクチユウタ[ゲキバカ](同・恋太郎)
森田和正[円盤ライダー](同・拳(拳四郎))
大谷海仁(火付盗賊改方・長谷川辰蔵)
橋本浩太朗[蛇ノ目企画/J@NOME DROPS](岡っ引き・孫八)
アイザワアイ(九尾狐)
伊藤新[ゲキバカ](狐一族・銀之助)
彩乃若水(同・かぐや)
井上千鶴(同・稲荷ばぁ)
志村倫生[ゲキバカ](同、あんみつ屋・イタジ)
梶川七海(拳のファン・おりん)
やじりまおん(おりんの幼馴染・おふね)
西川康太郎[ゲキバカ](鶴屋南北)
吉田菜都美[劇団ラパン雑貨丶](南北の弟子・もへじ)
柿ノ木トラヲ[ゲキバカ](地蔵)

ごんべい衆:
鈴木ハルニ[ゲキバカ]
中山貴裕[ゲキバカ]
豆鞘俊平[ゲキバカ]
山咲和也[ゲキバカ]
阿久津千尋
飯塚シオン
岩﨑野花
海田眞佑[劇団ウミダ]
奥泉[あんよはじょうず。]
笠松遥未
佳乃香澄
黒田智栄
大力
貴葉
多賀優
橘里英
西村彩葉
長谷川めぐの
平塚あみ
増留壮一朗
marina
三原久実
本宮真緒[チャリT企画]
吉田あまね

STORY
「火事と喧嘩は江戸の華、そのまた火消しは江戸の華」時は将軍綱吉の頃、場所は江戸。一族郎党を狐の親玉である「九尾狐」に殺められた狸の王子「ごんべい」は狐への復讐を誓っていた。猟師のワナに掛かって怪我をしてしまったところを火消しである「龍」と「まとい」の兄妹に助けられる。人に姿を変え、恩返しをしようとするごんべい。火消しの仲間に入れてもらい家族同然にしてもらう。いつしか、まといにも惚れ、狐への復讐も忘れかけていた。一方、江戸では女性の失踪事件と摩訶不思議な火事が多発していた。実は、吉良の殿様の屋敷を奪い取った「九尾狐」の仕業である。時は元禄15年、年の瀬せまった雪の夜。ごんべいと火消し衆は、狐たちを成敗する為に本所の吉良屋敷へと向かう。「夏には雪を降らせましょう。冬には桜を咲かせましょう」冬の晩、季節はずれの桜が舞い散る。狸の王子と火消しの娘。お江戸の恋物語。【公式サイトより】

ゲキバカ大千穐楽最終章。
2007年初演、再演を重ねてきた劇団の代表作を浪花、江戸ABの3チーム編成にて上演。

開演前、舞台には「大千穐楽」と書かれた垂れ幕。
江戸Bチームではごんべい衆となる劇団員4人が前説ボーイズとして登場し、応援用の紙テープを客席に配り、テープを投げるタイミングなどを指導。客席からは掛け声も飛び交い、準備は万端といった雰囲気。
物語は締切を勘違いしていた鶴屋南北が、祖母から聞かされた話をもへじに口述筆記させるという形で進行。
ゲキバカは結局、『ララ・バイ』と本作しか観ることが出来なかったが、歌あり踊りあり殺陣ありとまさにザッツ・エンターテインメント。出演者は総勢40名を越えるが、ごちゃごちゃすることもなくストーリーもシンプルで分かりやすい。
ごんべいと九尾狐の対決では、観客にトイレットペーパーを引かせて早くなくなった方が勝ちというのをやっていたのだけど、どう見てもごんべい側の方が太かったのに勝ってしまい、微妙な雰囲気に。結局、ごんべいが罰ゲームを受けていたけど。笑
最後、ごんべいが九尾狐を許し、憎しみの連鎖を断ち切るくだりは昨今の世界情勢もかくあれかしと思いながら観ていた。

前回は何人か出ていなかった劇団員もいたが、今回は勢揃い。中では伊藤今人さんはやはり存在感あり。石になっても存在感あり。笑
客演では、五代目役の谷口賢志さんが小道具の地図を忘れて袖に取りに戻る一幕も。最悪、マイムでも通せたような気はするけど…笑
梶川七海さん扮する鬼組(きぐみ)追っかけ隊のおりんは拳のファンなのだけど、拳の本当の名前が拳四郎。なるほど、ケンシロウが好きだからリンなのね。

全体のカーテンコールの後、劇団員のみが残り、主宰の柿ノ木トラヲさんが登場して挨拶。柿ノ木さんの感極まった様子にはファンならずとも(なんせ私は2回目なので)グッと来るものがあった。

上演時間2時間17分。