オイスターズ『ドレミの歌』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

オイスターズ 第8回公演
『ドレミの歌』


2010年11月26日(金)~29日(月)
七ツ寺共同スタジオ

作・演出:平塚直隆
舞台監督:柴田頼克(電光石火一発座)
照明:今津知也(オレンヂスタ)
音楽:青井美都、河村梓
音響:田内康介、伊藤寛隆
宣伝美術:奥田マニファクチュア 
制作協力:大谷真央 演出助手:小山由貴子
劇団スタッフ:中尾達也、古川聖二

出演:
古川聖二(聖ノストラダムス高校教師・古川)
田内康介(堂上)
二瓶翔輔[フリー](蓮華)
上田勇介[電光石火一発座](水野)
高瀬英竹[FIRE☆WORKS](不破)
新美要次(反町)
☆之[少年王者舘](城田)
河村梓(納品業者・欄橋裕美子)
吉田愛(女2)
山田マキオ(女3)

STORY
私立聖ノストラダムス高校。3年前、女子高から男女共学になったが、なぜか生徒は男子ばかり。3年生の堂上、蓮華、反町の3人は、高い塀越しに隣の高校から聞こえてくる女子の声を聞きながら、悶々とした日々を送っていた。風紀委員の水野により理不尽にも学校から出ることができなくなった3人は、女子を見かけたという古川先生や納品業者の欄橋とともに学校を歩き回る。途中、彼らに出会った不破は歌がうまければ女子にモテると言って合唱部の結成を持ちかける。トイレ掃除に精を出す城田も巻き込んで、オッフェンバック作曲「天国と地獄」を歌いながら更に学校を歩き回る一同はやがて屋上にたどり着く。

1年ぶりのオイスターズ。

プロジェクト・ナビにいた頃の平塚直隆さんはどちらかと言うとシュールな作風だったような気がするが、ここ最近は肩の力が抜けたコメディに変わってきている。
女子がいないことを不満に感じながらも、女子なんていない方が気が楽だと虚勢を張る堂上たち高校生男子と、飄々とした感じでやる気なさげな古川先生。
合唱部と言いながら、メンバーが一音ずつ担当するという妙なもので(カウベルを声でやるようなもの)、ベートーヴェンの「歓びの歌」ではラとシの出番がなかったりする。
それ以外の音が出てくる歌はどうするんだという気もするが、登場人物の名前がドレミファソラシで始まっておきながら、堂上がドで蓮華がレを担当するわけではないというのも、作品全体のどこかズレている感じと通じるものがある。
女子を探しておきながら、いざ現れても何かが起こるわけでもない。この辺りは劇作のセオリーを無視したかつてのシュールさを感じさせるところではあった。