連続テレビ小説『ブギウギ』第16週「ワテはワテだす」(第74回) | 新・法水堂

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連続テレビ小説『ブギウギ』
第16週「ワテはワテだす」(第74回)


作:櫻井剛
音楽:服部隆之
主題歌:「ハッピー☆ブギ」中納良恵、さかいゆう、趣里
語り:高瀬耕造アナウンサー

出演:
趣里(福来スズ子)
水上恒司(村山愛助)
富田望生(小林小夜)、ジャック・ケネディ(サム)、西村直人(田中)、曽我廼家桃太郎(中村)、翼和希(橘アオイ・回想)、清水くるみ(リリー白川・回想)、伊原六花(秋山美月・回想)、片山友希(桜庭和希・回想)、三澤健太郎、山西規喜、しまずい香奈、是常祐美、琴海沙羅(USK劇団員・回想)、唯城ありす(同・回想)、日芸プロ、スリーピース、キャストプラン
蒼井優(大和礼子・回想)
近藤芳正(山下達夫)
生瀬勝久(棚橋健二)
草彅剛(羽鳥善一・回想)

STORY
スズ子は、不安を抱えたまま喜劇王・タナケンとの舞台稽古を続けていた。なんとかしようと、スズ子はタナケンにアドバイスを求めるが、相変わらずタナケンからは何も言うことはないと言われてしまう…。そんなある日、スズ子の家に小夜が泣きながら訪ねてくる。小夜は恋人のアメリカ兵に捨てられたのだという。それを聞いたスズ子は、アメリカ兵を探しに家を飛び出していく。【NHK公式サイトより】

タナケンの舞台稽古、依然としてしっくり来ないらしく、田中と中村の配役を入れ替えてみるタナケン。田中からは半ば腹いせに「間がズレているからやりにくい」と言われ、タナケンに確認するも、タナケンは相変わらずの調子で「言うことは特にない」との答え。
これにはさすがのスズ子も「相手にされないのはしんどい」と山下に弱音を吐きますが、山下は「福来スズ子の歌しか知らん人にもっとあんたの魅力を知ってもらいたい」と励ましの言葉。
これには愛助も「ええこと言うなぁ、じいは」と感心しますが、スズ子はその魅力を感じていないタナケン相手にどうしたらいいかと戸惑うばかり。
でもまぁ確かにいますね。ついつい目で追ってしまう人というのは。プロ野球選手で言えば、長嶋茂雄さんとかね(もちろん現役時代を見たことがあるわけではありませんが)。

と、そこへやってきたのが小夜。大泣きする小夜から、アメリカに帰るというサムに捨てられたと聞き、「絶対許さへん」と血相を変えて駆け出すスズ子。
スズ子が摑みかかって問い詰めると、サムは誤解だと言い、追いかけてきた小夜に「結婚してください」と日本語でプロポーズ。小夜が驚いて何も言えない一方、スズ子は結婚なんて認められるはずないと反対して小夜を連れ帰りますが、愛助はサムから話を聞くことに。
うーん、この辺、ちょっと不自然だと感じるのは、小夜はサムがアメリカに帰ると聞いて、理由も聞かずに飛び出してスズ子のところへ行ったということでしょうか? 人づてに聞いて勘違いしたとかならまだ分かりますが……。

小夜を家に連れ帰ってからも怒りの収まらないスズ子は人さらいだとサムを批難。言葉も通じない、知り合いもいない土地で幸せになれるはずがないと言うスズ子に対し、元々親に捨てられて知らない土地で奉公してきてそういうのには慣れていると返す小夜。
「とにかく遠い!」と押し切るスズ子はまた戻ってきて楽しくやろうと言いますが、小夜はスズ子の側にいると自分まで特別になった気がしたが、憧れているだけで真似事もできない、自分は何者でもなかったと心情を吐露。スズ子は「小夜ちゃんは小夜ちゃんや」と励ましますが、小夜は振り切るようにスズ子の家を後に。なるほど、よっぽどサムの前で歌ったときに周りに笑われたことが引っかかっていたのですね。
帰ってきた愛助からサムのことを聞いても信用できないというスズ子を見て、自分たちが知り合った頃、敵意をむき出しにしていた小夜を思い出すという愛助は、もういっぺん二人のことを考え直してあげたらと提案。
小夜を取られるのが悔しいというのがスズ子の本音なわけですが、本当に小夜を家族だと思って幸せを考えるなら、自分の側に置いておくことが果たして最適な答えなのかどうかというところですよね。小夜にとってはスズ子といることは楽しい一方で、自分には才能がないことを思い知らさせる辛いことでもあるわけで……。