『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』(本広克行監督) | 新・法水堂

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『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』


2010年日本映画 141分
監督:本広克行
脚本:君塚良一 音楽:菅野祐悟
製作:亀山千広、永田芳男
プロデューサー:臼井裕詞、安藤親広、村上公一
アソシエイトプロデューサー:瀬田裕幸、上原寿一
撮影:川越一成 照明:加瀬弘行
美術制作:後藤正行 美術監督:梅田正則
美術デザイン:棈木陽次【棈は正しくは木偏に青】
録音:加来昭彦 編集:田口拓也
VFXスーパーバイザー:石井教雄
選曲:藤村義孝 音響効果:大河原将
キャスティング:吉川威史 監督補:松川嵩史
制作担当:加藤誠、巣立恭平
オリジナルテーマ曲:松本晃彦
主題歌:「LOVE SOMEBODY CINEMA Version III」織田裕二

出演:
織田裕二(強行犯係係長警部補・青島俊作)
深津絵里(盗犯係巡査部長・恩田すみれ)
柳葉敏郎(警察庁長官官房審議官警視監・室井慎次)
ユースケ・サンタマリア(警視庁警視・真下正義)
小泉今日子(日向真奈美)
小栗旬(警視庁刑事部捜査一課管理補佐官警視・鳥飼誠一)
伊藤淳史(強行犯係巡査部長・和久伸次郎)
内田有紀(同・篠原夏美)
小泉孝太郎(交渉課課長警視・小池茂)
岡村隆史(増田喜一)
稲垣吾郎(鏡恭一)
伊集院光(野口達夫)
北村総一朗(警視正・神田署長)、小野武彦(刑事課課長警部・袴田健吾)、斉藤暁(警視・秋山副署長)、佐戸井けん太(警務課課長警部・魚住二郎)、小林すすむ(盗犯係係長警部補・中西修)、甲本雅裕(強行犯係巡査部長・緒方薫)、遠山俊也(盗犯係巡査部長・森下孝治)、小木茂光(警視庁刑事部捜査一課管理官警視正・一倉正和)、寺島進(同特殊犯捜査係警視・木島丈一郎)、松重豊(爆発物処理班班長・眉田克重)、高杉亘(警視庁警備部特殊急襲部隊警視正・草壁中隊長)、東根作寿英(捜査一課特殊犯捜査係警部・浅尾裕太)、川野直輝(強行犯係巡査部長・栗山孝治)、滝藤賢一(同研修生・王明才)、森廉(犯人グループ・須川圭一) 、時東ぁみ(同・瀬川クミ)、近藤フク(同・上村和彦)、札内幸太(同・小柴亮平)、飯泉学(同・稲田茂光)、大鷹明良(官房副長官)、津嘉山正種(警察庁長官・池神)、辻萬長(警察庁次長警視監・町屋忠正)、辻つとむ、山崎直樹、上杉祥三(法務省次官)、貴山侑哉(捜査一課・細川)、野仲イサオ(湾岸署開署式司会・中野)、宮藤官九郎(柏田郁夫・写真)、近藤芳正(田中文夫・写真)、北山雅康(坂下始・写真)、布川敏和(岩瀬修・写真)、古田新太(現金輸送車強奪犯・写真)、皆藤愛子(レポーター)、貞包みゆき(同)、三上市朗(三井一郎)、阿部秀司(東京都知事)、前原実(暴力犯係係長・仙波)、真柴幸平(暴力犯係・川村)、佐藤正行(同・赤羽)、山口年男(同・黒田)、赤池公一(同・緑川)、白木隆史、内田恵司(暴力犯係刑事)、外川貴博(同)、田崎敏路(同)、石賀浩之(同)、森啓一郎、堺沢隆史、浦井大輔、松澤仁晶、中津川朋広、狩野和馬、森田陽祐、稲野辺祐二、大西貴之、川本喬介、山本栄治、秋山建一、富岡晃一郎、畠山明子、岡村麻純、川隅奈保子、ミギタ明日香、荻野友里、水野顕子、木引優子、鄭亜美、安藤聖、斎藤ナツ子、井端珠里、平田裕香、永井若葉、萩原利映、浜田学(捜査一課)、遠藤要(同)、佐藤誠(本庁捜査員)、大波誠、大橋亘、藤沢大悟、迫田孝也(本庁捜査員)、中田浄、中島徹、浜田信也、川口真五、金子岳憲、芳野史明、相澤一成、吉田亮、黒田大輔、春日由輝、真島公平、近藤強、山本東、中野英樹、岸潤一郎、高瀬尚也、大根田良樹、ムロツヨシ(警視庁刑事部交渉課警部補・倉橋大助)、石田剛太(交渉課・渡辺敬祐)、黒岩三佳、酒井善史(交渉課)、平原万匡、比佐仁、猪爪尚紀、田中伸彦、小久保寿人、藤井貴規、本多麻衣、岩本幸子、古舘寛治(医師)、永井秀樹、山内健司、永野宗典(バスの運転手)、押田佐代子、宮越昭司、島田曜蔵、前田司郎、岩井秀人(クラッカー)、山本裕子、佐久間淳也、高瀬アラタ、林田麻里、西冬彦、俵広樹、渡仲裕蔵、加藤マサキ、伊藤仁、栗田哲也、中島厚彦、佐久間理行、河野宗彦、黒田龍矢、柘植純一郎、伊藤裕一、宮下城人、藤波ゴロー、梨本泰生、嶋村昇次、桑畑智伺、池田真琴、藤田正則、重松収、児島功一、秋枝直樹、野口雅弘、三浦久枝、佐東まんごろう、大月秀幸、窪寺昭、中野麻衣、大久保健、植田雅人、柳岡香里、道井良樹、志儀竜太、松坂早苗、岩川鉄兵、波打堅吾、えんじ則之、望月柊成、西田健一、岡村優、広瀬真寿美、坂本直季、大塚和彦、伊藤寿雄、宮崎壮一郎、池田宜大、志野隆夫、高村和利、伊藤恵輔、鶴井宗貴、今村修策、青戸昭憲、喜多陽子、石山和史、芦原健介、今井勝法、石井裕、酒井啓全、廣瀬智紀、野中富德、北山誠、細江直矢、仲沢景、長尾卓磨、五十嵐淳、須藤義人、青樹伸、中村嘉宏、吉田正輝、木村優希、野宮唱鼓、西泰平、松崎健一郎、矢守忠彦、小沼伸吾、上村有司、熊谷清正、南井貴子、森川英明、森垣邦彦、上坊幸太郎、上園貴弘、庄司将弘、内田雅己、松尾暁、犬伏雄一、神山健太、鈴木康文、原田悠吾、小松一郎、両角昌則、加藤邦彥、長谷川恵一郎、高見綾、荒張幸作、肱川要亮、小笠原健、高島大幹、井上尚子、小川剛、こんどうえみこ、小沢辰則、安藤智彦、端谷友紀、澤田よしみ、神木優、三原一太、中野剛、鈴木佳央莉、松村晋吾、菅原一真、安田成伸、円城寺正俊、高見周市、美鈴響子、井澤崇行、鈴木雄一郎、藏内秀樹、柳田雅宏、五木田好幸

STORY
湾岸署を襲った最悪の猟奇的連続殺人事件から7年。お台場は外国からの要人が降り立つ空港が近く、高速道路や変電所などのライフラインもあるため、テロリストの格好の標的となっていた。その対策として、湾岸署は高度なセキュリティシステムが導入された新湾岸署への引越しを決定。その業務を一任されたのは、強行犯係係長に昇進した青島俊作であった。新湾岸署の開署式まであと3日と迫る中、青島は部下の篠原夏美や新たに赴任してきた和久伸次郎らとともに大張り切りで引越し作業に取り組んでいた。だが、その引越しの真っ最中に、湾岸署内で次々と事件が発生。金庫破りやバスジャック、さらには、青島や恩田すみれらの拳銃が3丁盗まれ、連続殺人事件へと発展していく。湾岸署には特別捜査本部が設置され、管理補佐官の鳥飼誠一とともに青島は捜査を開始。しかし、必死の捜査もむなしく遂には湾岸署が占拠されてしまう。犯人グループは日向真奈美ら、かつて青島に逮捕された囚人たちの解放を要求。開署式を翌日に控え、青島ら湾岸署員は被疑者を確保することができるのか……。【「キネマ旬報映画データベース」より】

ご存知、大ヒットしたテレビドラマの映画化シリーズ第3弾。

うーん、ダメだこりゃ(お、いきなり和久さんリスペクト。笑)。
サブタイトルが「ヤツらを解放せよ!」ということで、これまで青島がかかわってきた囚人の解放を要求されるというのがメインの事件であるはずなのだが、これがどうにも盛り上がらない。日向真奈美以外はどうでもいい存在としても、顔写真の中に既に刑務所を出所した犯人もいるというのはどういうこと?

実行犯もありきたり。
『誰も守ってくれない』でもネット住民はあまり好意的には描かれていなかったが、君塚さんは何か恨みでもあるんだろうか(笑)。ネットでの繋がりに希望を託した『サマーウォーズ』とは大違い。

メインのストーリーがいまいちなものだから、拳銃紛失についての謝罪会見でのスリーアミーゴスのメイクとか、毒ガスかと思いきやスカンクとか、まったく笑えない(そもそも笑いを取る必要があるのかどうかも疑問だが)。
青島の健康診断の結果で、レントゲンに黒い影があるかと思ったらただの撮影ミスというのもねぇ。わざわざ医師が説明に来るのも不自然だが、そのことをマイクを通じて広めるすみれさん……。
最後の「死んじゃえばよかったのに」というのももちろん本気でそう思っているわけではないとは言え、相当ひどい台詞。青島は青島で煙草を吸って生きていることを実感するって一体、何時代の演出だよ。
その他、『スタートレック』の衣裳を着た三井一郎とか最後のボクサーとトレーナーとか、一般の観客を無視した小ネタもどうでもいいづら。

こうして見ると、大人の事情で出演しなかった水野美紀さんはともかく(存在すら消されたかと思ったが、雪乃という名前だけは出てきた)、いかりや長介さんの存在は大きかったと痛感。
和久さんの甥を出したところで、青島と師弟関係を組むわけでもなく、いちいち和久ノートからの引用を読み上げるあたりも鬱陶しいだけ。何のために出てきたのかよく分からず、これだったら回想シーンで和久さんを出した方がよっぽどよかった。