猿博打『ZOOOOOM』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

猿博打コント公演 vol.2

『ZOOOOOM』



2023年12月28日(木)〜30日(土)
at THEATRE

制作:河村凌 舞台監督:板場充樹
音響:大嵜逸生 照明操作:香西守
当日運営:宮野風紗音
フライヤーイラスト:SANNO
フライヤー裏デザイン:村上弦
舞台映像撮影・幕間映像撮影・編集:studio7

出演:
河村凌
村上弦
板場充樹

動物観察バラエティー『ZOOOOOM』
MC:板場充樹、村上弦
今回の観察者:荒波タテオ
動物:河村凌 スタッフ:村上弦

太陽にほえーる! 脚本:伊藤智博(LLR)
捜査一課所属の冬野ひまわり(板場)は、後輩刑事・春川さくら(村上)と共にとあるバーにやってきていた。その目的は、かつて「一課の虎」と呼ばれた元刑事、日向虎太郎(河村)に会うためだった。小さなバーの片隅で熱き刑事ドラマが今始まる…!

誕生前夜かも 脚本:藤田恭輔(かるがも団地)
デデドンっ! 今日もバンドの練習を終えた3人組。 いい感じだったかも! 決まったかも! あ、スタジオ次予約してないかも。俺会員カード持ってるかも。何気なく話すまっちゃん(村上)、いなちゃん(板場)をよそに、しのぶ(河村)は何か言いたげで…..

トラわれの身 脚本:井上瑠菜(露と枕)
男(河村)が目を覚ますと、そこは真っ暗な地下牢だった…。暗闇の中現れたのは、財閥の御曹司を名乗る男(板場)と自分と同じように手足を縛られた女(村上)。暗い地下牢は暗く、暗い暗闇で3人は暗く暗い、真っ暗な暗闇。んあぁ!! 暗い!

報復獏撃 脚本:宇城悠人(不条理コントユニット MELT)
男(板場)は自室を片付けている。そわそわしながら目につくごみを丸めたり、 ソファやカーテンを消臭したり。意中の相手(村上)が来るらしい。そこへ大佐(河村)から一本の電話がかかって来る。「大総統が死にました。」

誰よりもまさる 脚本:村上弦(猿博打)
2-3男子トレーディングカードで盛り上がるJK板場とJK村上にJK河村が言う。「まさるに筆箱届けてくんない?」まさる? 顔は悪くないけど、暗いし何考えてるかわかんないし星2だし! めんどくさぁ〜最悪なんですけどぉ〜!【当日パンフレットに演者名を追加】

動物の名前がタイトルに入った5つのコントと映像で構成されたコント公演。

いつものように「Monkey Midnight Gamble Radio」から始まり、まずは映像「動物観察バラエティーZOOOOOM」から。これがなかなかのクオリティで、局は「Monkey Midnight Gamble TV」で、番組のロゴの「Z」が回転しているあたりも芸が細かい。
その映像がコントの合間に流れるのだけど、4本目と5本目の間は映像なしで、最後は映像で〆。動物役の河村さんがピチピチの服を着て外に散歩に出かけるくだりが面白かった。

どのコントもテイストが異なっていてよかったけど、キャラクターが好きなのは「太陽にほえーる」。特に村上弦さんの相槌が下手なさくらは表情からして、コイツ、本当に優秀なのか?と思わせる。
話としてうまいなぁと感じたのは、「誕生前夜かも」。かるがも団地の藤田恭輔さんだけに「かも」担当になったのだろうけど、とある3人組バンドが日本語の方向性の違いで1人脱退となり、バンド名を変えることになり……まさかあの人気バンドがこうして誕生していたとは!
「トラわれの身」は一転シリアスモード。河村さんと村上さんが縛られている分、板場さんの動きが激しい。ストーリー上、暗闇という設定ではあるけど、もう少し照明は明るくてもよかったのでは。
「報復獏撃」は国家間同士の争いと恋愛のせめぎあい
をうまく絡めた1作。「可愛い」と自分でも言ってしまう村上さんの説得力たるや。村上さんは大佐の妻としても登場。それにしても男2人、そんなんでボタン押したらアカンで。笑
最後の村上弦さん脚本の「誰よりもまさる」は3人が女子高生になってキャッキャッするというだけでも楽しい。特に村上さん&板場さんは息が合ってるなぁ。

上演時間1時間33分。