蔡國強 宇宙遊 ―〈原初火球〉から始まる | 新・法水堂

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蔡國強 宇宙遊 ―〈原初火球〉から始まる

CAI GUO-QIANG: RAMBLE IN THE COSMOS FROM PRIMEVAL FIREBALL ONWARD


2023年6月29日(木)〜8月21日(月)
国立新美術館 企画展示室1E

中国出身の現代美術家・蔡國強(ツァイ・グオチャン、1957年生)による大規模個展。

1フロアを広々と使った展示で、入口側には1991年に発表された《原初火球》シリーズ+新作が並び、奥にはLEDを使った大規模なキネティック・ライト・インスタレーション《未知との遭遇》を展示。






壁沿いにはビッグバンとしての《原初火球》を中心にして、蔡國強さんのこれまでの、そして現在の業績を網羅していた。

蔡國強さんの父・蔡瑞欽さんによるマッチ箱ドローイング。

こういった創作ノートや日記などが展示されているのも嬉しい。なお、本展の解説は蔡國強さん自身によるもので、QRコードを読み込むことで日本語、英語の他、中国語、韓国語でも読めるようになっていた(実際、会場内では中国語があちこちから聞こえてきた)。

一番奥の壁に横幅33メートルに及ぶ《〈歴史の足跡〉のためのドローイング》(2008)。

その壁の向こう側のスペースでは「蔡國強といわき」と題し、蔡國強さんがかつて住んでいたいわき市の人々との交流が写真や動画とともに紹介。
中でも先月行われた白天花火《満天の桜が咲く日》の記録映像は映像だけでも感動してしまう。眼の前で見たら凄かっただろうな。
蔡國強さんといわき市の交流については、川内有緒さんの『空をゆく巨人』に詳しいのでオススメ。

《銀河で氷戯》(2020)

珍しい油彩ドローイングの作品も。

他にも北京オリンピック開会式や《スカイラダー》(Netflix『空のハシゴ』参照)の記録映像もあり、見どころ満載。そのタイトル通り、蔡國強さんの宇宙規模のスケールの大きさが感じられる企画展であった。