爍綽と『デンジャラス・ドア』 | 新・法水堂

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爍綽と vol.1

『デンジャラス・ドア』

 

 
2022年4月26日(水)〜30日(日)
浅草九劇
 
作・演出:安藤奎(劇団アンパサンド)
舞台監督:村雲龍一(Spielplatz/劇団俳優座)、矢﨑和哉(Spielplatz/劇団昴)
音響・照明:櫻内憧海(お布団/青年団)
音響・照明操作:山下恵実
大道具:Spielplatz
小道具制作:深見由真(劇団アンパサンド)
運搬:Spielplatz​
宣伝美術イラスト:中村桃子
宣伝美術デザイン:美山有
映像配信:ニュービデオシステム
​舞台写真:曳野若菜
制作協力:渡邉結衣(にもじ/みちばたカナブン)
 
出演:
西出結(ユウコ)
永井若葉(坂巻)
安藤奎(アケミ)
安藤輪子(ミヤビ)
西田麻耶(カオル)
佐久間麻由(中尾)
 
STORY
夕暮れのオフィス。社員の坂巻は定時で帰ろうとしていたが、案件管理チームから書類が回ってきてしまい、残業をすることにする。アケミやミヤビは大学生の娘に夕食を作るために坂巻に帰るように言い、坂巻はせめてお菓子を持ってくるとロッカー室に向かう。その間にカオルがやって来て、部長が坂巻を呼んでいると伝える一方、中尾は食事も採らずに忙しそうに立ち働く。そんな中、契約社員として勤め始めて2ヶ月になるユウコがオフィスのドアが勝手に閉まると言い出し、他の社員もその瞬間を目撃する。ミヤビはユウコが来る前に会社を辞め、「開けたら閉める」が口癖だったミツザキの念によるものだと主張する。

佐久間麻由さんが新たに立ち上げた個人ユニット・爍綽(しゃくしゃく)と旗揚げ公演。
昨年末、劇団アンパサンドの公演を観た佐久間さんが是非とも一緒に演劇をしたいということで実現した公演だとか。行動力!
 
舞台下手側にはノートパソコンなどが置かれた机と椅子。上手側には長机が2つ並べられ、椅子が6脚。机の上には事務用品などが置かれている。上手にスライド式のドア。
 
劇団アンパサンドはいつもチラシが気になりながらも『サイは投げられた』しか観ていないのだけど、本作も『サイは〜』と同じくとあるオフィスが舞台(西出さん、西田さん、安藤奎さんは下の役名も同じ)。
とにかく安藤さんの書く台詞が面白く、「ごめんなさいね、爪の垢がある前提で話をして」とか「図書館の返却期限を守れない大人は誰のことも守れない」とか「何みたいに仕事したい?」とかセンスあふれる言葉選びで笑わせてくれる。
日常的なオフィスでのやりとりの中でドアが自動的に閉まるという怪奇現象にユウコだけが気づくのだけど、そのドアがまさにデンジャラス・ドアで他の社員も気づいて急展開となる。腕を切断されたり、首を切断されたり、スプラッター的要素がありながら更に笑いが増殖し、突然のダンスでとどめを刺される。
いやー、やはり劇団アンパサンド、今後も要注目ですな。
 
上演時間1時間14分。
 
アフタートークは佐久間麻由さんと安藤奎さんが登壇し、贅沢貧乏の山田由梨さんとカリンカの橘花梨さんがゲスト。4人とも劇団やらユニットやらを主宰しているということで(安藤さんと山田さんは作・演出も)、苦労話や楽しいことなどのお話。
安藤さんはこんな作品を書いたとは思えないほどおとなしそうな方だったけど、ご自身も契約社員かなにかで働きつつ、こんな妄想をしているんだろうか。笑