レオポルド美術館エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才 | 新・法水堂

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レオポルド美術館

エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才

EGON SCHIELE from the Collection of the Leopold Museum - Young Genius in Vienna 1900
 

 
2023年1月26日(木)〜4月9日(日)
東京都美術館
 
ウィーンのレオポルド(レオポルト)美術館が所蔵するエゴン・シーレ(1890-1918)の作品を中心とした展覧会。全14章で構成され、シーレによる油彩画やドローイング作品約50点の他、グスタフ・クリムト、オスカー・ココシュカ、コロマン・モーザー、リヒャルト・ゲルストルら同時代の作家の作品も合わせて展示。
 
章題は以下の通り。
第1章 エゴン・シーレ ウィーンが生んだ若き天才
第2章 ウィーン1900 グスタフ・クリムトとリングシュトラーセ
第3章 ウィーン分離派の結成
第4章 クリムトとウィーンの風景画
第5章 コロマン・モーザー 万能の芸術家
第6章 リヒャルト・ゲルストル 表現主義の先駆者
第7章 エゴン・シーレ アイデンティティーの探求
第8章 エゴン・シーレ 女性像
第9章 エゴン・シーレ 風景画
第10章 オスカー・ココシュカ “野生の王”
第11章 エゴン・シーレと新芸術集団の仲間たち
第12章 ウィーンのサロン文化とパトロン
第13章 エゴン・シーレ 裸体
第14章 エゴン・シーレ 新たな表現、早すぎる死
 
1906年、最年少の16歳でウィーン美術アカデミーに合格した頃の作品から始まり、猥褻と誘拐の容疑をかけられての拘留、第一次世界大戦での従軍、モデルだった女性との別れとエディットとの結婚を経て、1918年、スペイン風邪で亡くなるまで、シーレが短い生涯に遺した作品を網羅。
 
シーレと言うと、ヌードや自画像が注目されるが、今回、一番印象に残ったのは《母と二人の子どもⅡ》(1915)。まるで死神のような母親の表情、体をまっすぐにして柔らかさのまったくない子どもたち。28歳で亡くなったという事実を知っているせいもあるかも知れないが、シーレが若い頃から死に取りつかれていたように思えてならない。
 
第9章の風景画のみ撮影可。
《クルマウのクロイツベルク山麓の家々》(1911)
 
《ドナウ河畔の街シュタインⅡ》(1911)
 
《荷造り部屋》(1917)
 
油彩よりもドローイングの方が興味深かったな。
 
それにしても、全14章はちょっと細かく分けすぎでは。
モーザーやゲスルトル、ココシュカというようにその作家だけに特定した章があるかと思えば、「ウィーンのサロン文化とパトロン」のようにシーレを含む複数の作家の作品が展示されている章もあって、どこに焦点を当てて構成しているのかが今一つ判然としなかった。
あと、解説はやや説明過多に感じた。