『ゴジラの逆襲』(小田基義監督) | 新・法水堂

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『ゴジラの逆襲』



1955年日本映画 82分
監督:小田基義
製作:田中友幸 原作:香山滋
脚本:村田武雄、日高繁明
特技監督:円谷英二 撮影:遠藤精一
美術監督:北猛夫 美術:安倍輝明
録音:宮崎正信 照明:大沼正喜
音楽:佐藤勝 音響効果:三縄一郎
特殊技術:渡辺明、向山宏、城田正雄
監督助手:岩城英二 編集:平一二
現像:東宝現像所 製作担当者:馬場和夫

出演:
小泉博(月岡正一)
若山セツ子(山路秀美)
千秋実(小林弘治)
志村喬(山根博士)
清水将夫(田所博士)
恩田清二郎(寺沢隊長)
沢村宗之助(北海道支社長・芝木信吾)
土屋嘉男(田島隊員)
木匠マユリ(無線係・井上やす子)
山田巳之助(大阪防衛隊隊長)、笠間雪雄(海洋漁業社長・山路耕平)、大村千吉(囚人B)、山本廉(上陸用舟艇隊長・池田)、大友伸(囚人A)、土屋博敏(海洋漁業課長)、笈川武夫(大阪警視総監)、牧壮吉(囚人C)、広瀬正一(囚人D)、吉田新(囚人E)、夏木順平(囚人F)、三田照子(料亭・弥生の女将)、手塚勝巳(アンギラス)、中島春雄(ゴジラ)、星野みよ子[コロムビア](キャバレーの歌手)
 
STORY
海洋漁業社の飛行艇の操縦士月岡は、故障で岩戸島附近に不時着した同僚小林の救援に向った。軽傷の小林を励ましていると突然ゴジラが現れて、二人に襲い掛かろうとした時、さらに巨大な怪獣が現われ両者は格闘しつゝ海中に没した。報告を受けた大阪警視総監は動物学者山根・田所両博士、防衛庁幹部と緊急会議を開いた。田所は怪獣は水爆実験で眼覚めたアンギラス、学名アンキロサウルスと推定した。アンギラスは約一億五千年前の巨竜で脳髄が数ヵ所に分散し、敏捷で兇暴な獣である。防衛隊は行動を開始したが、ゴジラは四国南岸に向い大阪は一応危機を脱した。月岡が恋人の社長令嬢秀美と踊りに行った時、ゴジラの大阪湾接近が報じられた。月岡等が照明弾を投下しゴジラを沖へ誘き出す事に成功しかけたが、脱走した囚人の起した大爆発の為にゴジラは再び大阪へ向った。その時沖からアンギラスが現われ再び格闘を始め、ついに勝ったゴジラの吹く白熱光は附近を焼き払った。本社と工場を失った海洋漁業社は社長以下全員北海道支社へ移った。ゴジラの為に沈没した会社の船の捜索隊は孤島神子島にゴジラを発見した。投下する爆弾にも動じないゴジラに小林は体当りを試みたが、白熱光に機を焼かれ氷の山肌に激突しその為に起った雪崩はゴジラの進路を阻んだ。ヒントを得た月岡等の飛行機隊は山脈にロケット弾を投下し、ゴジラは大きな咆哮を残してその大雪崩の底に埋った。【「KINENOTE」より】

ニ匹目のどぜうを狙って製作されたニ匹目のゴジラが登場するシリーズ第2作。

今回の舞台は大阪と北海道。
第1作に引き続いての登場人物は山根博士のみだが、芹沢博士とオキシジェンデストロイヤーについて触れられるなど、話としては続きとなる。
また、本作ではゴジラとは別の怪獣、アンギラス(ニャンギラスの元ネタですな)が登場し、ゴジラとの対決を繰り広げる。

監督と音楽が替わり、全体的にはテンポが遅く感じた。とりわけ最後の対ゴジラ作戦は画面が単調な上にちょっと長い。雪崩によってゴジラを封じ込めるラストもやや盛り上がりに欠けた。
まぁどうしても第1作と比べてしまうが、特撮はちゃんとしてるし、死亡フラグ立ちまくりな小林(千秋実さんがとてもいい)は切ないし、良くも悪くも標準的な怪獣映画となっている。続篇としては及第点というところかな。笑


ちなみにヒロインの若山セツ子さん、公開当時は谷口千吉監督とご結婚されていたそうなのだけど、哀しい後半生を送られたのね……。