イサカライティング 小野晃太朗新作公演『口火』 | 新・法水堂

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イサカライティング

小野寺晃太朗新作公演『口火』

kuchibi


2022年12月8日(木)〜12日(月)
アトリエ春風舎

戯曲:小野晃太朗
ドラマトゥルク:松岡大貴 演出助手:村田千尋
舞台監督:鐘築隼
照明:井坂浩 音響:太田智子
宣伝美術:トモカネアヤカ
制作協力:中藤奨 広報協力:赤刎千久子

出演:
毛利悟巳(1(研究職)/劇中劇の登場人物・ほりめ)
桂川明日哥(2(研究職)/劇中劇の登場人物・官吏/担当(出版社担当編集))
金定和沙[青年団](3(1の妹で画家)/作家(劇作家))
堀夏子[青年団](学者(研究職/科学の相談室「希望と知性の光」代表)/劇中劇の登場人物・上官)

STORY
様々な問題を議論する研究職の女性2人。そのうちの一人は夢にうなされ、画家でもある妹に心配される。科学の相談室「希望と知性の光」代表を務める学者はもう片方の女性と劇作家を引き合わせる。劇作家は締切に追われながら、穴を掘ることが好きなほりめと穴に秘密を埋めてほしい官吏の物語を構想していた。

昨年末の『おわれる』に続く小野晃太朗新作公演。何年か前に書きながら上演できなかった『剽窃王』という戯曲を全面的に書き直したものとのこと。

白い線で四角く区切られた舞台。下手奥にはテーブルと椅子。上手やや前方に油井と呼ばれるミニチュアの塔。周囲にハンガーラックやカラーボックス、姿見があり、別の役を演じる際に使用。出番のない時は壁際の椅子に着席。

小野さんの作品を観るのは今回で3回目だが、会話というよりも議論になっていることが多く、それなりに集中力が必要とされる。しかるに、今回は傍迷惑な客がいたために作品に入り込むことが出来なかった(詳細はtwitterに書いたので略す)。
4人のキャストはいずれもよく、声のトーンや抑揚も聞いていて耳に心地よいものだっただけに残念。
上演台本を読む限りでは、小野さんが自分に向けて書いた要素が強く出ているようにも感じたけど、実際の上縁ではもう少しニュートラルな印象を受けた。それはとりもなおさず4人のキャストの肉体、発生に依るところも大きいだろう。

上演時間1時間28分。