『はいからさんが通る』(佐藤雅道監督) | 新・法水堂

新・法水堂

演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

『はいからさんが通る』

 

 
1987年日本映画 90分
監督:佐藤雅道 脚本:西岡琢也
原作:大和和紀(講談社コミックスフレンド)
企画:植田泰治
プロデューサー:稲生達朗、河瀬光、河井真也(フジテレビ)
撮影:大町進 美術:高橋章
照明:篠崎豊治 録音:宗方弘好 編集:中野博
助監督:三輪誠之 進行主任:杉崎隆行
記録:高津省子 撮影効果:吉岡健一
音響効果:岡尚 背景:植田義明
装置:開米慶四郎 装飾:小原昭
スタイリスト:金丸照美(ICA) 衣裳:東京衣裳
ヘアーメイク:アートメイク・トキ、奥村弘子
刺青:霞涼二 擬斗:岡田勝
 
監督助手:山仲浩充、岡田周一、光石冨士朗
撮影助手:勝倉米明、山本一成、中川克也
撮影効果助手:佐藤信一
照明助手:石丸隆一、矢島俊幸、岡秀雅、石川英行、中島淳司
録音助手:渡辺一夫、佐原聡
美術助手:山崎秀満、原田恭明
セット付:貫井健二
装飾助手:松宮廣之、永野洋、小谷恒義
音響効果助手:須田良三 リーレコ:岡村昭治
編集助手:椎名信明 ネガ編集:橋場恵
スチール:原田大三郎 宣伝第四宣伝企画室
制作宣伝:石井薫 演技事務:福岡康裕
製作進行:市山隆治、岡英祐 現像:東映化学
 
音楽プロデューサー:石川光
音楽事務:新井明美
音楽:萩田光雄、大谷和夫
主題歌:「はいからさんが通る」南野陽子
 
出演:
南野陽子(花村紅緒)
阿部寛(紅緒の許婚・伊集院忍)
田中健(「冗談倶楽部」編集長・青江冬星)
丹波哲郎(忍の父・伊集院伯爵)
河原崎長一郎(紅緒の父・花村小佐)
本田博太郎(忍の部下・鬼島軍曹)
千石規子(花村家・あごなしばあや)
風見章子(伊集院夫人)
野際陽子(伊集院家の奥女中・如月)
柳沢慎吾(車夫・牛五郎)
松原千明(芸者・吉次)
篠山葉子(紅緒の親友・北小路環)
鈴木瑞穂(河内大佐)
木村元(印念中佐)
辰馬伸(伊集院家の親族)、早川雄三(同)、富家規政[現・冨家ノリマサ](冗談社社員)、軍司真人[軍司眞人](シベリアの日本人)、福岡正剛(青江の使い)、村上幹夫(青江の父)、仲塚康介、山浦栄、石川裕介、村添豊徳、松永秀一、斉藤四郎、小向雄一、宮沢淑郎、城谷光俊、新美昌道、坂田良造、小嶋裕子、藤田佳美、高山千草(青江の母)、伊藤慶子(青江の見合い相手の母親)、小甲登枝恵(仲人)、八百原寿子、山本緑、鈴木幸子、加藤百代、佐藤美鈴、横山三枝子、松岡まき子、楠原さわ子、藤本由夏、青木成美、塩津貴子、白坂久美、原田采知、福田直美、西村美有紀、桃山舞子、椎名友美[ミス映画村]、ビアンカ・アレン(シベリアの少女)、アイデン・ヤマンラール(少女の父)、ステファン・メジャック、イリア・ブロドゥスキー、テリー・オブライエン
 
STORY
大正七年、春。お転婆娘の花村紅緒は、伯爵・伊集院家へ行儀見習いに行くことになった。扉が開かないので塀を乗り越えようとしたところ、ぬかるみに落ちてしまった。それを見て笑う軍服姿の青年は、紅緒の許婚・伊集院忍だった。何も知らない紅緒はびっくり。それは忍の祖母と紅緒の祖父が決めたものだった。料理・裁縫など奥女中・如月のシゴキが始まった。ある日紅緒が洗濯物を干していたら伯爵が来て、それを地面に叩き落とした。女の物を男の物の上に干したのが気にくわなかったのだ。怒った紅緒は伯爵を剣道で負かしてしまった。数日後紅緒は忍と街へ出かけたが、買い物の途中彼が芸者と親しく話しているのを見て苛立った。ヤケ酒を飲み酔っ払った紅緒は酒場で軍人相手に大暴れ。忍が止めに入ったが、「冗談倶楽部」という雑誌では彼が悪者になってしまい、忍は小倉の部隊へ左遷になった。芸者は忍の死んだ友人の恋人で、忍は紅緒に「小倉から戻ったら式をあげましょう」と言った。しかし、忍の部隊はそのままシベリアヘ送られた。「無事に帰って」という紅緒の願いも空しく忍は消息を絶った。復員した部下の鬼島の話では、忍はロシア兵の銃剣に倒れたという。忍は生きていると信じて疑わない紅緒は「彼が帰って来るまで伊集院家に置いて下さい」と伯爵に頼んだ。その間紅緒は「冗談倶楽部」で働くことになった。大正十一年、冬。紅緒は編集長の青江冬星から結婚を申し込まれた。しかも伯爵夫妻からは「忍のことは忘れて幸せな結婚をしなさい」と言われた。紅緒は気持ちをハッキリさせるため、忍の生死を確かめようとシベリアへ立った。だが、忍に似た日本人という噂の男は別人だった。帰国した紅緒は青江と結婚することを決めた。ところが式の当日、忍が帰って来た。鬼島が式場へ走るが、すれ違いで紅緒に会えない。青江と紅緒が誓いの言葉を述べようとしたとき、大震災が起こり式は流れてしまった。青江は運命と諦め、紅緒は忍と再会した。【「KINENOTE」より】

初代スケバン刑事・斉藤由貴さん主演の『恋する女たち』に続いて二代目スケバン刑事・南野陽子さん主演作。今日は松原千明さん追悼で。
 
これも公開当時、劇場で鑑賞して以来。
近年も宝塚歌劇団で上演されたり劇場版アニメが公開されたりと根強い人気を誇る大和和紀さんのコミックが原作で、南野陽子さんが歌う主題歌もヒット。女子大学生が卒業式に袴を着るようになったのは本作の影響だとか。
お転婆なヒロインというのはアイドル映画にはうってつけの素材。話の筋はともかく、南野陽子さんが自転車で京都の街を疾走したり(我が母校も出てくる)、馬に乗ったり丹波哲郎さんと対決したりと魅力的。
奇しくも『恋する女たち』に続いて断髪シーンあり。小泉今日子さんのような例外はあるけど、アイドルといえばロングヘアという時代において、フィクションの中だけでも髪を切って新たな一面を見せるという要素もあったのかも。

モデルとして人気だった阿部寛さんは本作で俳優デビュー。もっと大根演技だったようなイメージがあったけど、今回改めて観たらそうでもなかった。その後、売れない時期が続いたので、現在のような活躍をするようになるとは思いもしなかったけど。
松原千明さんはその阿部寛さん扮する伊集院忍の友人の恋人である芸者という役どころ。公開から35年経って亡くなっている人も何人かいるけど、それにしても若いよなぁ…。