BOND52『山笑う』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

BOND52 VOL.1 小松台東 BOND ゴツプロ!

『山笑う』

YAMA WARAU


2022年7月7日(木)〜17日(日)

小劇場B1

作・演出:松本哲也(小松台東)
音響:佐藤こうじ(Sugar Sound) 照明:鷲崎淳一郎(ライティングユニオン)
舞台監督:西廣奏、長沢涼音(P.P.P.) 美術:小林奈月
演出助手:林彬 衣装:YOSHIKI
衣装協力:礼服レンタル.com 着物協力:上岡紘子
宣伝美術:柏浩樹(PUNCH 01inc) 宣伝写真:MASA HAMANOI、飯坂大
宣伝ヘアメイク:FUYUKi 当日パンフレット:しの
収録:吉川柳大 制作補佐:竹井京子、梅ちゃん、横関紅美
広報:木村陵子(Age Global Networks) 票券:Mitt
制作:遠藤いづみ 製作協力:Nana Produce
プロデューサー:浜谷康幸(ゴツプロ!)

出演:
山﨑静代[南海キャンディーズ](妹・大西菜々、38歳)
浜谷康幸[ゴツプロ!](兄・大西伸夫、48歳)
野々村のん[青年座](伸夫の妻・大西深雪)
渡邊聡[ゴツプロ!](熊田誠人、52歳)
塚原大助[ゴツプロ!](伸夫の幼馴染・永友英二)
平岡亮(伸夫と深雪の息子・大西清人)

STORY
女手一つで兄妹を育ててくれた母が死んだ。その通夜の晩。母に反抗し続けていた妹が東京から帰ってきた。闘病中の母を一度も見舞わなかった薄情者の妹を兄が待ち構える。責められることを覚悟していた妹は、自分の身を守る為なのか、東京から恋人を同伴させた。歓迎する者。呆れる者。様々な反応が入り交じる中、兄だけは怒りを抑えきれずにいた…。斎場の片隅にある親族控室で、母への想いを巡り、家族が激しく、そして醜く、ぶつかり合う。【公式サイトより】

劇団ゴツプロ!の浜谷康幸さんによる新たなプロジェクト〈BOND52〉第1弾は、小松台東とのコラボレーション。

2014年、僕たちが好きだった川村紗也で初演され、2017年に小松台東で再演された作品。
舞台は斎場の親族控室で、奇遇にも昨日のやしゃごと同じく十畳の和室。中央にビニール製の白いクロスがかかった長テーブル、両脇に座布団が8つ。予備の座布団が手前左隅に積まれ、右隅にはお茶を淹れる道具類。奥にスライド式のドア。

これまた奇遇なことに開場時から役者がスタンバイという点も同じ。もっとも、こちらは特に動きはなく、伸夫が来るのを待っている菜々と熊田が時折ぼそぼそっと喋る程度。
伸夫がやってきてから本篇開始。兄と年の離れた妹、そして兄よりも年上の妹の恋人という3人が織りなすぎこちない会話がおかしみを醸し出す。
何だかんだと言いつつ、伸夫も菜々もお互いのことを思っていることが伝わってきてしみじみ。熊田も実は恋人ではなく、菜々に頼まれてきたことが分かるのだが、その辺りにも菜々の素直になれなさが表れていた。

キャストでは『TOKYO VICE』にもご出演の渡邊聡(ただし)さんがいい味を出し、空気の読めない幼馴染の塚原大助さんといかにもな中学生(あごに指をつけて音を鳴らしたり、うつぶせになってジタバタしたり)な平岡亮さんがいい賑やかしとなっていた。

上演時間1時間51分。