PARCO CUBE PRODUCE 2022『こどもの一生』 | 新・法水堂

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PARCO CUBE PRODUCE 2022

『こどもの一生』

 

 
【東京公演】
2022年4月3日(日)〜28日(木)
東京芸術劇場プレイハウス
 
作:中島らも 上演台本・演出:G2
美術:乘峯雅寛 音楽:かみむら周平
照明:高見和義 音響:原田耕児 振付・ステージング:山田うん
映像:ムーチョ村松 衣裳:十川ヒロコ ヘアメイク:河村陽子
演出助手:髙野玲 舞台監督:弘中勲、林和宏
宣伝美術:東學 宣伝写真:渞忠之 宣伝スタイリング:多田えつ子
宣伝ヘアメイク:松原美穂(松島聡)、白石義人 宣伝:ディップス・プラネット
制作:徳永のぞみ、髙村楓、坂本ほの香 ラインプロデューサー:冨士田卓
プロデューサー:尾形真由美、高橋典子 製作:宇都宮誠樹、北牧裕幸
 
出演:
松島聡 [Sexy Zone](三友の秘書・柿沼)
升毅(院長・木崎)
朝夏まなと(看護師長・井出)
今井朋彦(製薬会社社長・三友/中尉)
丸山智己(デジタル庁職員・藤堂/小学生・マイコ)
田畑智子(コールセンターのオペレーター・淳子/小学生・サオリ)
川島海荷(地下アイドル・亜美/小学生・メグミ)
ROLLY(山田のおじさん/兵卒)
田中朝子(MMMクリニックランド職員)
仁田晶凱(MMMクリニックランド職員)
山口将太朗(MMMクリニックランド職員)
山根海音(MMMクリニックランド職員)
吉﨑裕哉(MMMクリニックランド職員)
 
STORY
超わがままな製薬会社社長の三友と秘書・柿沼は、心のケアが専門の孤島のクリニックを訪れる。共に治療を受けるのはデジタル庁勤務のエリート藤堂、コールセンター勤務の淳子、現役地下アイドルの亜美。院長・木崎と看護師長・井出のもと、5人はストレスを取り除くため10歳の「こども」に返り、共同生活をすることになるが……。【公式サイトより】

1990年、演劇ユニット売名行為により初演、その後再演を重ねる作品を10年ぶりに「2022年版」として上演。
柿沼役には当初、八乙女光さんが予定されていたが、病気療養のため降板、Sexy Zoneの松島聡さんが代役を務める。また、先日の地震の影響により、宮城公演は中止に。
 
2012年版は劇場で、その前のバージョンはテレビで観たことあり。前回より約20分長くなっているが、体感時間は短かった。
ただ、患者たちの職業がデジタル庁職員、コールセンターのオペレーター、地下アイドルに変更されているのはいいとして、冒頭と最後に付け足された1944年の中尉と兵卒のシークエンスと看護師長がコックリさんをした小学生時代を振り返るシークエンスは少々蛇足に感じた。
それを補って余りあったのがスタッフワークのよさ。昨夜の『セールスマンの死』に続いてのかみむら周平さんの音楽、Co.山田うんの5人のダンサーによる動き、ムーチョ村松さんによる映像がうまく機能していた。
 
キャストではROLLYさんが『ロッキー・ホラー・ショー』で共演した古田新太さんも演じたことがある山田のおじさん役を演じて、終盤の30分しか出番がないのに強い印象を残す。
『マイ・フェア・レディ』でもタッグを組んだG2さん演出で初のストレートプレイとなる朝夏まなとさんは立ち姿も美しく、看護師長という役どころにぴったり。子供になりきる田畑智子さんと川島海荷さんも可愛らしかった。
初演と劇団MOTHERによる再演では柿沼、三演では藤堂を演じた升毅さんが今回は院長役で4度目の出演。ただ、今日は本調子ではなかったかな…。
 
上演時間2時間12分。