ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳』【配信】 | 新・法水堂

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ホリプロ制作

ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳』

Fist of the North Star

 

 

【東京公演】

2021年12月8日(水)~29日(水)

日生劇場

 

原作:漫画「北斗の拳」(原作:武論尊/漫画:原哲夫)
作曲:フランク・ワイルドホーン 演出:石丸さち子 脚本・作詞:高橋亜子
音楽監督:ジェイソン・ハウランド 指揮:塩田明弘 振付:辻󠄀本知彦、顔安(ヤン・アン)
音楽監督補:村井一帆

美術:金井勇一郎 照明:日下靖順 音響:山本浩一
衣裳:前田文子、竹田団吾 ヘアメイク:馮啓孝
追加音楽:ジェイク・ワイルドホーン アクション:渥美博
映像:上田大樹、大鹿奈穂 フライング:松藤和広
歌唱指導:ちあきしん 稽古ピアノ:中條純子、吉本まりな 副指揮:田尻真高
演出助手:菅田恵子 舞台監督:二瓶剛雄

振付助手:児玉彩愛、中嶋美紅 美術助手:古口幹夫、チョウユウレン

装置構造設計:小林等 装置製作:花本剛 ヘアメイクデザインアシスタント:松下よし子

 

出演:
大貫勇輔(ケンシロウ)
平原綾香(ユリア)
宮尾俊太郎(長兄・ラオウ)

加藤和樹(次兄・トキ)
上田堪大(南斗孤鷲拳伝承者・シン)
川口竜也(第63代北斗神拳伝承者・リュウケン/村人/囚人/侵攻隊長)
白羽ゆり(リハクの娘・トウ/バットの育ての母・トヨ)
松原凜子(女戦士・マミヤ)
上原理生(南斗水鳥拳伝承者・レイ)
伊礼彼方(南斗五車星・ジュウザ)
渡邉蒼(バット/少年ケンシロウ)
近藤華(リン/少女ユリア)

中山昇(南斗五車星・リハク/村人/囚人)
一色洋平(青年ラオウ/伝承者/人々/村人/囚人/トラ/拳王軍/拳王軍・ウサ)
後藤晋彦(カサンドラの衛士・ライガ/伝承者/人々/店主/拳王軍/村人/哀しみの魂)
澄人(南斗五車星・フドウ/シンの手下/悪党/村人/囚人/黒王号)
田極翼(カサンドラの衛士・フウガ/伝承者/人々/シンの手下/Zの部下/拳王軍/村人/哀しみの塊)
百名ヒロキ(青年トキ/人々/村人/地獄の使者/悪党/囚人/トラ/拳王軍/哀しみの魂)
宮河愛一郎(ダグル/伝承者/人々/シンの手下/村人/拳王軍)
安福毅(種モミを探す老人・ミスミ/人々/村人/囚人)
飯作雄太郎(人々/村人/Zの部下/囚人/拳王軍/黒王号)
岩瀬光世(少女トウ/人々/村人/地獄の使者/ヴィーナス/哀しみの魂)
輝生かなで(人々/村人/地獄の使者/トラ/ヴィーナス/哀しみの魂)
坂口杏奈(人々/村人/ヴィーナス)
内木克洋(伝承者/修行者/人々/村人/Zの部下/囚人/シンの手下/拳王軍)
中野高志(伝承者/修行者/人々/シンの手下/Z隊長/村人/囚人/拳王軍)
原広実(人々/村人/地獄の使者/ヴィーナス/哀しみの魂)
妃白ゆあ(人々/村人/トラ/ヴィーナス)
福田えり(人々/村人/トラ/ヴィーナス)
藤田宏樹(人々/村人/囚人/拳王軍)
LEI'OH(人々/村人/地獄の使者/囚人/拳王軍/黒王号/哀しみの魂)
大竹尚(拳王軍/黒王号)

 

STORY

二千年の歴史を誇る北斗神拳の修行に励んでいたケンシロウ、トキ、ラオウの三兄弟。南斗の里から来たユリア、そのお付きのトウとともに成長していく三兄弟の中から師父リュウケンは末弟のケンシロウを次の伝承者に選んだ。折しも世界を覆う核戦争によって文明社会は崩壊し、人々は弱肉強食の時代を生きることとなった。ケンシロウはユリアとの愛を育み共に荒廃した世界を生きていこうとした日、南斗のシンにユリアを強奪され、胸に七つの傷を刻まれる。絶望の中放浪の旅に出たケンシロウは、たどり着いた村で出会った二人の孤児バット、リンと共に旅を続ける。一方ラオウは世紀末覇者・拳王を名乗り、世界を恐怖で支配しようとしていた。ケンシロウは女戦士マミヤが治める村の用心棒レイと共にラオウによって牢獄カサンドラに囚われたトキを救出するが、その後ユリアが失意の中でシンの居城から身を投げたことをラオウから知らされる。ケンシロウはラオウとの闘いの末に壮絶な最期を遂げたジュウザをはじめとする愛すべき仲間や強敵ともたちの哀しみを胸に、世界に光を取り戻すべく救世主として立ち上がるのだった。【公式サイトより】


12月28日(火)マチネ公演のライブ配信をアーカイブにて。おうちでアタタ。

 

80年代の週刊少年ジャンプ黄金期を支えた『CITY HUNTER』と『北斗の拳』が同じ年にミュージカル化されるとは思ってもみなかったが(アニメ版はどちらも神谷明さんが主人公の声を担当)、『CH』は全巻揃えるほどのファンでアニメも欠かさずに見ていたのに対し、『北斗の拳』は申し訳程度に読んだり見たりしていた程度。

意外とミュージカルファンからの評判もよくて気にはなっていたが(特に岡田育さんのツイートを読むと観たくなってくる)、贔屓の俳優が出ているわけでもないし、劇場に足を運ぶほどではないかな…と思っていたところへ配信があるということでこれ幸いと鑑賞することに。

 

『北斗の拳』が他の類似作品と一線を画しているのは、登場人物たちが誰が一番強いかを証明するために戦っているわけでも、ましてや金銭や独占欲のために戦っているわけでもなく、ただ愛する女性のために戦っているという点。劇中幾度か言及される「愛」は、たとえ核戦争によって世界が荒廃しようともなくならないのだと言わんとしているかのよう(思えばアニメ版の初代OPソングも「愛をとりもどせ!!」だった)。その辺り、ミュージカルとの親和性が高いところが功を奏したとも言える。

 

おなじみ「ひでぶっ!」や「あべしっ!」と敵が死んでいく演出はどこか劇団☆新感線めいていた(そこで拍手が起きるというのもどうなんだ。笑)。フライングもばんばん使っていて、配信だとワイヤもよく見えてしまうのが難点だが、「我が生涯に一片の悔いなし!」とラオウが昇天していくのはさすがにちょっと笑ってしまった。

 

上演時間3時間(一幕1時間23分、休憩20分、二幕1時間17分)。