『里見八犬伝』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

『里見八犬伝』

 

 

1983年日本映画 136分

脚本・監督:深作欣二

原作・脚本:鎌田敏夫 カドカワノベルズ「新・里見八犬伝」角川書店刊

製作:角川春樹 プロデューサー:佐藤雅夫、菅原比呂志、豊島泉

特撮監督:矢島信男

撮影:仙元誠三 美術:今村力 照明:渡辺三雄 録音:荒川輝彦

編集:市田勇 助監督:松永好訓 擬斗:菅原俊夫 記録:田中美佐江

舞踊振付:謝珠栄 和楽:中本敏生 笛:赤尾三千子

主題歌:「里見八犬伝」「八犬士のテーマ(WHITE LIGHT)」歌:JOHN O'BANION
音楽監督:NOBODY、佐久間正英、難波弘之 音楽プロデューサー:高桑忠男、石川光

 

出演:薬師丸ひろ子(静姫)、真田広之(犬江親兵衛)、千葉真一(犬山道節)、志穗美悦子[志穂美悦子](犬坂毛野)、寺田農(犬村大角)、夏木マリ(玉梓)、目黒祐樹(蟇田素藤)、岡田奈々(浜路)、京本政樹(犬塚信乃)、苅谷俊介(犬田小文吾)、福原時浩(犬川荘助)、大葉健二(犬飼現八)、松坂慶子(伏姫・声)、汐路章(玉梓の手下・幻人)、ヨネヤマ・ママコ(同・船虫)、萩原流行(同・妖之介)、浜田晃(悪四郎)、遠藤太津朗(浜路の養父・蟇六)、殿山泰司(彦爺)、高柳良一(資正の息子・太田正春)、成田三樹夫(静姫の叔父・太田資正)、鈴木瑞穂(杉倉木曾介)、曽根晴美(代官・樋上宮六)、成瀬正(代官家来)、唐沢民賢(案内の侍)、北城真記子(正香)、賀田ゆう子[賀田裕子](静姫の下女・小萩)、鈴木康弘(在村)、誠吾大志[井上誠吾](黒鎧武者)、関根大学(同)、酒井努、麿のぼる(黒鎧武者)、池田直人(村の子供)、上田絵美(同)、石丸謙二郎(宴の侍)、畑中猛重(同)、高野嗣郎(宴の男)、小船秋夫(黒鎧武者)、江原政一(同)、白井滋郎(同)、藤沢徹夫(同)、細川純一(同)、小島憲子(毒娘)、大内弘子(同)、森山啓子(同)、前川恵美子(同)、諏訪裕子(同)、松村真弓(同)、福本清三(代官家来)、峰蘭太郎(同)、平河正雄(同)、岡嶋艶子(村の老婆)、宮城幸生、小峰隆司(農民)、池田謙治、椿竜二、美柳陽子、稲垣陽子、澤田祥二、山本亨、井上清和

 

STORY

館山城主・里見成義の一人娘・静姫は叔父のもとへと逃避行を続けていた。突如、黒装束の騎馬侍達が前ぶれもなく城に攻め入り、成義以下を皆殺しにしたのだった。城を奪った男・蟇田素藤は、かつて成義の父・義実が征伐した蟇田定包の子であり、その時死んだ筈の素藤と彼の母・毒婦玉梓は悪霊“御霊様”に仕えることによって、不死身の身体をもつ妖怪となって蘇ってきたのである。そして静姫の生き血を“御霊様”に捧げるべく、彼女の行方を血まなこになって探していた。静姫は炭焼小屋で親兵衛という若者と出会う。彼に追われた静姫は巡礼姿の二人連れに助けられた。二人は犬山道節、犬村大角と名乗り、一巻の絵巻物を差し出した。それには、約百年前に里見義実が蟇田一族を滅したいきさつ、そして玉梓の呪いからか、義実の息女・伏姫が飼犬・八房に授けられ、懐妊した伏姫の胎内より白気と共に、仁、義、礼、智、忠、信、孝、悌の各字を刻んだ霊玉が八方に飛散したことなどが記されていた。道節と大角はそれぞれの霊玉を静姫に見せ「一刻も早く霊玉を持つ他の六人を探し出し、静姫を奉じ素藤らと戦わねばならない」と説く。最初はそんな話を信じなかった静姫だが、一人、また一人と犬士が集まってくるうち、犬士達と共に戦うことを決意した。なおも残る犬士を探す旅が続くなか、突然、けもの罠にかかり静姫がさらわれた。犯人は静姫を城に連れてきた者は侍にしてやる、という素藤のおふれに野望を燃やす親兵衛だった。彼は静姫を素藤のもとへ連れていこうとするが、素藤の支配下となった安房国の荒廃と黒騎馬侍の人を人とも思わぬ殺戮を見て心の中に変化が起き始めた。そして、黒騎馬侍達に静姫が発見された時、親兵衛は彼女をかばい、二人は鐘乳洞に逃げ込んだ。そこには、新たに同志を加えた道節らがいた。親兵衛の心の善を信じはじめた静姫だったが、二人はここで別れなければならなかった。犬士達に放りだされた親兵衛は黒騎馬達に捕まり城に連れさられる。彼はそこで、腕にある赤いアザから玉梓の子の転生であるということを知らされた。そして“御霊様”に仕える司祭・幻人によって悪の化身とされてしまう。その時、素藤配下の侍大将・現八に変化が起きる。彼は仲間を倒し、気を失っている親兵衛を連れて城を脱出した。懐にはいつしか光る霊玉がありそれに導かれるように静姫のいる洞に着いた現八は、七人目の犬士として迎えられる。その時、親兵衛が目を覚まし、いきなり静姫に襲いかかった。姫を守ろうとする犬士達に「刀を引きなさい」と、静姫が命じた。静姫は心で親兵衛に対峙しようとしたのだ。その瞬間、白い閃光が親兵衛を一撃し、彼の身体は静姫の前に崩れ落ちた。新兵衛が再び眼を覚すと腕のアザが消えており、二人の間には光り輝く霊玉があった。喜びに満ちあふれる二人は愛し合う。が、突如、大蛇があらわれ、静姫を巻き玉梓の笑い声を残して消え去った。集結した八犬士のもとに伏姫の「この矢を“御霊様”に向って静姫に引かせなさい」という声が響いた。そして彼らは姫を救い出し“悪”を滅すために館山城に向った。一人、一人合い討ちながらも素藤一味を倒していく犬士達。だが、素藤、玉梓、静姫のいる大広間にたどりついたのは、親兵衛と道節のみだった。道節は自ら追手の盾となり、親兵衛は静姫のもとへ飛んだ。そして縛めをとかれた静姫は“御霊様”に向って矢を放った。玉梓らはミイラと化し、城は崩れ落ちた。親兵衛は静姫を叔父の城へと送り届け、二人に別れの時がきた。親兵衛は静姫を想いながら七犬士達の墓を祭っていると馬に乗った静姫がやってきた。【「KINENOTE」より】


『戦国自衛隊』から始まった“ひとり角川映画祭”。

最後もやはり千葉真一さん出演の『里見八犬伝』。 

ちなみにAmazonプライムビデオのシネマコレクションby KADOKAWAは月額396円で、今回8本観ることができたので充分元は取ったかな。笑


何度も翻案されて舞台や映画になっている『南総里見八犬伝』だが、本作はやはり薬師丸ひろ子さんありきの映画になっている。

岡田奈々さんが敵方の手先にさせられたり、真田広之さん扮する親兵衛が実は夏木マリさん扮する玉梓の息子かも?という展開があったり、ストーリー自体も飽きることなく最後まで惹きつける。

若干、館山城がいかにもセットでござい感を出しているのがマイナスだが、この世界観が後の『魔界転生』に繋がっていくのだなぁ。


千葉真一さんは思ったほど活躍せず。

夏木マリさんが主役を食う演技。血のプールで若返るシーンではヌードも披露。