ミュージカル『Thrill me スリル・ミー』
MUSICAL Thrill me: The Leopold & Loeb Story
原作・脚本・音楽:Stephen Dolginoff
翻訳・訳詞:松田直行
演出:栗山民也
音楽監督:落合崇史
美術:伊藤雅子 照明:勝柴次朗 音響:山本浩一
衣裳:前田文子 ヘアメイク:鎌田直樹
歌唱指導:伊藤和美 振付:田井中智子
演出助手:坪井彰宏、田中麻衣子 舞台監督:田中伸幸、松井啓悟
出演:
成河(私・レイ)
福士誠治(彼)
ピアニスト:落合崇史
STORY
監獄の仮釈放審議委員会。収監者“私”の五回目の仮釈審議が進行中である。34年前、“私”と“彼”が犯した犯罪。物語は、34年前に静かに遡っていく――。
19歳の“私”と“彼”。ある契約書を交わした2人。彼らに一体何が起きたのか。“私”と“彼”、衝撃の真実が明かされていく――。【公式サイトより】
日本では初演から10年、実在の事件を題材にしたミュージカル。
緊急事態宣言により、4月25日以降の東京公演と大阪公演すべてが中止となったが、田代万里生・新納慎也、成河・福士誠治、松岡広大・山崎大輝の各ペアを1回のみ限定オンライン配信。
中央手前に長方形の舞台。その奥に階段があり、2階部分の上手側にピアノ。
両サイドに長椅子。下手側には隣にテーブル、その上にタイプライター。
1924年にアメリカで起きたレオポルドとローブ事件を基にした本作。主人公2人が同性愛関係にあるということぐらいしか予備知識のない状態で観たが、評判がいいのもむべなるかな。とりわけラスト10分、“彼”の言いなりになっていたかに見えた“私”の真意が明らかとなり、2人の力関係が逆転してからはタイトル通り「ゾクゾクさせて」くれた。
成河さんがいいのは充分承知の上だし、現在と事件当時の演じ分け(歌い分け)、上述の私の真意が明らかになるくだりでの表情がげに怖ろしい。
対する福士誠治さんは正直なところ、『純情きらり』のイメージのままだったのだけど、こんなにいい俳優さんだったのかと認識を改めることができた。歌もうまく、低音の歌声が少し高音の成河さんの歌声に調和していた。
今回、アーカイブなしの配信のため、このペアしか観ることが出来ないが、他のペアも観てみたかったところ。個人的には一番観たかったペアなので、そこは運がよかったけど。
配信時間1時間42分。