《KYOTO EXPERIMENT》 For What Theatre『父の歌(5月の3日間)』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

For What Theatre

『父の歌(5月の3日間)』

เพลงนี้พ่อเคยร้อง/This Song Father Used to Sing (Three Days in May)

 

 

2021年3月24日(水)~29日(月)

Streaming+にてオンライン配信

 

脚本・演出:ウィチャヤ・アータマート

脚本:チャトゥラチャイ・シーチャンワンペン、パーンラット・クリチャンチャイ
セノグラフィー:ルアングリット・サンティスック
技術監督・照明デザイン:ポーンパン・アーラヤウィーラシット
舞台監督:パティポン・アサワマハポン

ミュージックビデオ:アティクン・アドゥンポーカートーン
制作:ササピン・シリワーニット

 

出演:

チャトゥラチャイ・シーチャンワンペン(弟)

パーンラット・クリチャンチャイ(姉)

サイファー・タンタナー(父・写真)

 

STORY

2015年5月17日、バンコク。とある中華系タイ人の姉弟が父の供養のために実家に帰ってくる。ヨガスタジオを閉鎖し、料理学校に通って店を出すことを考えている姉と、演劇を続けている弟は他愛ない会話をしながら、父親が好きだった米の硬さについて口論したり、父親の思い出話に花を咲かせる。


《KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭》参加作品。

当初は劇場での上演の予定だったが、例のアレのせいで事前収録したものを配信。

 

タイ好きでも知られる(のかな?)山内圭哉さんのツイートを見てこの作品の存在を知り、ウティット・ヘーマムーンさんの『プラータナー』を翻訳した福冨渉さん(本作の日本語字幕も担当)のコラムをざっと読んで、即座に購入&鑑賞。

 

サブタイトルは岡田利規さんの『三月の5日間』のようだけど、最初が2015年5月17日、次が2018年5月19日、そして最後が何年か後の5月22日の3日間を指している。

上述の福冨渉さんのコラムにある通り、それぞれの日付にはタイの現代史における重要な日付だったりするのだが、姉弟にとって父親の命日が正確に何日なのかは大した問題ではないというのが面白い点。

 

2人の会話も全体的にちぐはぐで、最初から噛み合っていなかったりするのだが、中でも父親の話をしていると思ったら、弟はレスリー・チャンさんの話をしていたというのが可笑しい(弟はレスリー・チャンさんを「父」と呼んでいる)。

その他にもテレサ・テンさんが日本語&中国語で歌う「昴-SUBARU-」が流れたり、『一休さん』のエンディング曲「ははうえさま」をかなり適当な日本語で歌ったりするし、政治的な関連性を知らなくても充分に二人芝居として面白かった。

演じる2人は脚本にも参加していて、もちろんタイ語は分からないけど非常にナチュラルなところもよかったのだと思う(日本語字幕も結構くだけていた)。

 

配信時間1時間30分。