パラドックス定数 第46項
『プライベート・ジョーク』
2020年12月4日(金)~13日(日)
東京芸術劇場シアターイースト
作・演出:野木萌葱
舞台美術:小林奈月 照明:伊藤泰行 音響:田中亮大 舞台監督:土居歩
撮影:渡辺竜太 記録映像:粕谷晃司 照明操作:江花明里
運営:宮野風紗音 制作:たけいけいこ、今井由紀
出演:
井内勇希(映像作家B)
植村宏司(詩人L)
小野ゆたか(画家D)
加藤敦(学者E)
西原誠吾(画家P)
STORY
天才がいる。狂人がいる。だからこの世は、面白い。
二十世紀初頭の古き佳き時代。自由を掲げる学生寮で未来の芸術家たちが暮らしていた。
豊かに無意味に馬鹿騒ぎ。若さ故に才能を持て余しながらも破天荒な共同生活は続いてゆく。ある日、学生寮主催の講演会が開かれる。彼らの前に二人の男が現れた。この出会いが奇跡でも悪夢でも魂の饗宴は止まらない。
プライベート・ジョーク。身内の戯れに過ぎないのだけれど。【公式サイトより】
2007年初演作を改訂して再演。
舞台にはソファセットと酒瓶などが置かれた机。部屋の周囲が一段高くなっていて、廊下とバルコニー(手前)として用いられる。
役名はイニシャルで劇中にも固有名詞は出てこないが、学生寮に暮らす若者3人は1920年代、マドリードの王立サン・フェルナンド美術アカデミーで出会ったルイス・ブニュエル、フェデリコ・ガルシーア・ロルカ、サルバドール・ダリをモデルにしている。映像作家Bが画家Dにシュールレアリスム映画を作ろうと持ち掛けているのは『アンダルシアの犬』。
また、講演に来る2人はアルベルト・アインシュタインとパブロ・ピカソで、『ゲルニカ』について語ったりもするのだが、実際にこの2人が会ったことはなかったそう。
脚本も演出もかっちりしていて、役者陣の演技も安心して見ていられる。
特に小野ゆたかさん扮するダリのキャラクターがよかった。
だが、私には今一つ訴えかけてくるものがなかったのも事実。
固有名詞が出てこないのも何だかもやもやしてしまい、何の意図があるのか疑問が残った。
上演時間1時間55分。
以下はパンフレットに「BOOK」としてクレジットされていた3冊。