ロロ いつ高シリーズvol.8『心置きなく屋上で』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

ロロ

いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三高等学校vol.8

『心置きなく屋上で』

 

 

2020年9月9日(水)~13日(日)
KAAT神奈川芸術劇場大スタジオ

脚本・演出:三浦直之

美術:中村友美  照明:久津美太地(Baobab)  音響:池田野歩

舞台監督:湯山千景  演出助手:中村未希、山道弥栄(木ノ下歌舞伎)
宣伝イラスト:西村ツチカ  デザイン:佐々木俊

記録写真:三上ナツコ  配信・記録映像:伊集守忠

開演アナウンス:仙波瑠璃  当日運営:中嶋千歩、黒澤たける(ゆうめい)

制作:奥山三代都、坂本もも


出演:

篠崎大悟[ロロ](太郎)

田中美希恵(太郎の元恋人・海荷)

端田新菜[ままごと/青年団](海荷の妹・ビーチ)

多賀麻美[青年団](海荷の友人・茉莉)

森本華[ロロ](同・瑠璃色)


STORY
屋上に魔法陣なんてありふれた妄想をして、なにを召喚しよう。たくさんの武器がほしい。キャラメルマキアートの水鉄砲、水ようかんでできたモーニングスター、ティースプーンと蛍光灯の二刀流。魔法陣のなかに山ほど武器を集めて、ゆーうつを蜂の巣にするお茶会でもはじめよう。私の地面はあなたの天井。つま先があなたの視線をつかまえて、私は飛ぶ。新校舎の屋上から旧校舎の屋上へ。時をかけるパルクール。心置きなく屋上で、吹き出しみたいにあなたは笑うね。【公式サイトより】


2年ぶりとなる《いつ高》シリーズ最新作。

当日パンフによれば、本作から「いつ高FAINALシリーズ開始」(原文ママ)とのこと。

 

開演5分押しで三浦さんが登場し、《いつ高》シリーズが高校演劇のフォーマットに則ったものであることを説明。素舞台の状態から、キャストたちが10分間で仕込み(誰かが「柵入りまーす」と言えば、他の人が「はーい」と返事)。袖からは何分経過したかを知らせる声。

このシリーズを劇場で観るのは初めてだったけど、毎回こんなことしてたのね。

 

出来上がった舞台は言うまでもなく学校の屋上。

下手に階段へと続く扉、上手の柵には「高校」の文字が裏返しに取り付けられている。

その手前には、不要となったらしき机が積み重ねられ、ブルーシートがかけられている。

床にはビニールテープで作られた円。

 

本シリーズの戯曲には毎回、「ファンタジーでなければならない。」というト書きで始まるのだが、私が観た中では本作が一番ファンタジー色が強い。

上述のビニールテープの円は茉莉と瑠璃色によってドラえもんになるものの、魔法陣としての役割は果たしていて本当に人が消えてしまったりもする(消えた後にはしゃぼん玉)。

そのせいか、いつもに増して摑みどころがなく、期待していた海荷とビーチ姉妹の絡みもそれほどでもなかった。

 

上演時間約57分。