ロロ いつ高シリーズvol.7『本がまくらじゃ冬眠できない』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

ロロ

いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三高等学校vol.7

『本がまくらじゃ冬眠できない』

 

 

2018年11月17日(土)~26日(月)
早稲田小劇場どらま館

作・演出:三浦直之

美術協力:中村友美  照明協力:久津美太地(Baobab)

音響協力:池田野歩  舞台監督:岩澤哲野、鐘築隼 
演出助手:中村未希、山道弥栄(木ノ下歌舞伎)
宣伝イラスト:西村ツチカ  デザイン:佐々木俊+郡司龍彦

広報:浦谷晃代(Diet-chicken)  当日運営:有田中亜美(劇団女体盛り) 、仙波瑠璃

制作:奥山三代都、坂本もも

撮影・編集:伊集守忠


出演:

篠崎大悟[ロロ](太郎)

島田桃子[ロロ](楽の恋人・朝)

大石将弘[ままごと/ナイロン100℃](楽の妹・水星)

端田新菜[ままごと/青年団](海荷の妹・ビーチ)

STORY
この雪が止むまで、図書室にいよう。テーブルを本でいっぱいにして、つまみ食いみたいにちょっとずつページをめくりながら過ごそう。朝についての印象的な書き出しからはじまる女子高生の話、気だるそうな主人公が日常のちょっとした謎を解いていくミステリー、異世界に転生したら全部うまくいくファンタジー。お気に入りのセンテンスを拾い集めながら代わる代わる本を読んでいく。そのうちウトウトしはじめて、気づいたら睡眠。夢の中でも物語は続いてて、物語たちは混ざり合う。目覚めたら、春になってるわけがない。【YouTube公式チャンネルより】


期間限定配信中の《いつ高》シリーズvol.7。

 

舞台は冬休み、クリスマスイブの学校の図書室。中央に長机、周囲に書棚(推薦図書には『最強演劇論』も)。


図書室が舞台ということもあってか、冒頭から最果タヒさんの詩集の引用に始まり、尾崎翠、山田詠美、吉屋信子、辻村深月(敬称略)といった新旧入り交じった女性作家の名前も出てくる。


長机では海荷の妹・ビーチと楽の妹・水星(演じるのは過去シリーズで楽を演じた大石将弘さん)がラブレターの作成に勤しんでいる。

そこへ海荷の元恋人・太郎と楽の恋人・朝とそれぞれの兄姉に絡んだ人たちがやってきて物語が展開する。

海荷と別れた傷が癒せず、新しい恋人がいると知っていつの間にか涙を流していた太郎と、楽から受けた告白の話を見損なわれようとも続ける朝との対比が面白い。

新作vol.8『心置きなく屋上で』には太郎と海荷、ビーチ姉妹も出るようなので、どう展開していくかも見もの。 


キャストでは特徴ある喋り方(昔の小説に出てくるような女言葉)の端田新菜さんが一児の母ながら高校生役にも違和感がなく、独自の存在感を放っていた。

海荷役の田中美希恵さんとの絡みが楽しみ。


上演時間1時間。