『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

『男はつらいよ 翔んでる寅次郎』

 

 

1979年日本映画 107分

原作・脚本・監督:山田洋次  脚本:朝間義隆
製作:島津清  企画:高島幸夫、小林俊一
撮影:高羽哲夫  美術:出川三男  音楽:山本直純
録音:中村寛  調音:松本隆司  照明:青木好文  編集:石井巖

スチール:長谷川宗平  監督助手:五十嵐敬司

装置:小島勝男  装飾:町田武  進行:玉生久宗  製作主任:峰順一

主題歌:「男はつらいよ」 作詞:星野哲郎、作曲:山本直純、唄:渥美清

 

出演:渥美清(車寅次郎)、倍賞千恵子(諏訪さくら)、桃井かおり(入江ひとみ)、布施明(小柳邦男)、木暮実千代(ひとみの母・入江絹子)、下條正巳(車竜造)、三崎千恵子[三﨑千恵子](車つね)、前田吟(諏訪博)、笠智衆(御前様)、松村達雄(仲人・松田礼吉)、太宰久雄(朝日印刷社長・桂梅太郎)、中村はやと(諏訪満男)、佐藤蛾次郎(源吉)、犬塚弘(タクシー運転手)、桜井センリ(ホテルの宴会係)、湯原昌幸(丸駒旅館の若旦那)、上條恒彦(江戸川の男)、久世龍之介(江戸川のカップル)、ナンシー・チェニー(江戸川の女)、東野利香、滝真奈美、斎藤美和(親戚の女性・文枝)、山本武、入江正徳(ひとみの父)、益田愛子、たうみあきこ(礼吉の妻)、戸川京子(邦男の妹・小柳京子)、入江正夫、加島潤(司会)、笠井一彦(印刷工・中村)、羽生昭彦(印刷工)、木村賢治(同)、篠原靖夫(同)、村木誠、谷よしの(丸駒旅館の仲居)、伊藤昌子(中村の妻・(吉沢)規子)、岡本茉莉(日下部医院の看護婦)


STORY

北海道を旅する寅次郎、ひとり旅の娘・ひとみと知り合い、彼女が旅館のドラ息子の毒牙にかかろうとしているところを救ったことから、一夜の宿を共にすることになった。ひとみはある会社の会長の息子との結婚をひかえており、何となく気が重く、そのことを寅次郎に話すと、寅次郎から賛沢だとたしなめられる。数日後ひとみと邦男の結婚式が豪華に行なわれていた。しかし、人形のような花嫁姿に耐えきれなくなったひとみは、ウエディングドレスのまま式場を飛び出し、タクシーに乗ると、思わず、寅次郎から聞いていた“柴又”と言ってしまう。寅次郎がひょっこり帰ってきたところへ花嫁姿のひとみがやってきて、“とらや”一家は大騒ぎ。やがて、ひとみの母・絹子がむかえに来るが、ひとみは頑として家に帰ろうとせず、気持が落ちつくまで、ひとまず“とらや”であずかることにした。ひとみの家の者は、彼女が式場から逃げ出したのは、他に好きな人がいて、その相手を寅次郎と誤解していた。その話をひとみは笑い話として報告するが、寅次郎の胸はときめくのだった。ひとみを訪ねて邦男がやってきた。失恋の経験豊富な寅次郎は、失恋も人生経験のひとつとなぐさめるのだった。それから間もなく、邦男は近くの自動車修理工場で働き出した。彼はひとみを悪く言う父に反発、家を出て、会社も辞めて、好きなひとみの住む町で暮らそうと決心したのだ。邦男の知らない一面を見てひとみは心を動かされ、改めて邦男との結婚を決意する。そして仲人を寅次郎に頼んできた。寅次郎にはつらい話だが、逃げ出すわけにはいかない。やがてひとみと邦男の結婚式が、区民会館の一室でささやかに行なわれた。寅次郎一世一代の仲人役は挨拶用紙をなくしててんやわんやだったが、結婚式は心から二人を祝う人々にかこまれて盛りあがり、ひとみの唯一の肉親として出席していた絹子も感激の涙をこらえることができなかった。数日後、例によって、寅次郎は柴又を後に、旅にでるのだった。【「KINENOTE」より加筆修正】


シリーズ第23作。

 

マドンナは2年前の『幸福の黄色いハンカチ』にも出演していた桃井かおりさん(相手役だった武田鉄矢さんは一足お先に第21作に出演)。山田洋次監督にとっては、今で言うところの蒼井優さん的存在だったんだろうか。笑

タイトルの「翔んでる」は当時の流行語でひとみはまさしく翔んでる女。マリッジブルーなのか、結婚前に一人で北海道旅行に出かけ、挙げ句に結婚式の最中にウェディングドレス姿のまま飛び出してしまう。

まぁ一応、最後は寅さんが振られたことになるのだけど、あまり寅さん好みの女性という感じではないかな。


布施明さん扮する邦男(Wikipedia等、邦夫になっているデータもあるが誤り)は最初は自分の父親が会長を務めるインテリア関係の会社に勤めていて、ひとみとの結婚が駄目になるとそこを辞めて自動車修理工場で働き始めるのだが、いずれにしても髪の毛長すぎだろ!笑

結婚式には外国人や相撲取りの姿もあって、なかなか謎な光景だったな。仲人は二代目おいちゃんの松村達雄さんだったけど、これといった見せ場もなくて誰でもよかった役のような気も…。


今回、珍しく下ネタもあって、湯原昌幸さん扮する旅館の若旦那がひとみを襲おうとして寅さんに阻まれた際にズボンのチャックでアソコを挟み、寅さんとひとみが旅館に現れた際もそれで笑いを取る。寅さんたちは警察を呼ぼうとして部屋を用意させるのだけど、性犯罪者を野放しにしていいのかねぇ。