祝!岩井独立記念、振り返るハイバイ創世記&ハイユー論 | 新・法水堂

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祝!岩井独立記念、振り返るハイバイ創世記&ハイユー論

 

 

2020年1月6日

LOFT HEAVEN

 

出演:

岩井秀人(ハイバイ主宰・株式会社WARE代表)

ゲスト:

岸井ゆきの

金子岳憲


昨年末、独立して株式会社WAREを立ち上げたハイバイ・岩井秀人さんのトークイベント。

 

第1部は岩井さんとハイバイ創立メンバーの金子岳憲さんが、それぞれ「初期のハイバイ事件簿BEST5」の第2位までを発表(金子さんのみ第6位まであり)。

そもそもこの2人は桐朋大学の入学式のトイレで出会ったのが最初。岩井さんが金子さんの入っていた個室(していたのは小)のドアを開けてしまい、「入学式でチ×コ見られたー!」と叫んだので仲良くなれそうだと思ったとか。

 

以下、長くなりそうなので項目のみ。笑

第6位から順番に発表していき、岩井さん、金子さんの順でトーク。

 

<金子>

第6位 昼打ち上げ

第5位 ケンカやめてー

第4位 「金子の半生」

第3位 「無外流津川吾郎」宣伝公演

第2位 ハイバイ劇団化&蜷川カンパニーダッシュ

 

<岩井>

第5位 意外と早い出世

第4位 タケ退団

第3位 お花見でタケが殺人未遂

第2位 旗揚げヒッキー

 

ハイバイ旗揚げに関してのみ書いておくと、そもそもは2002年、岩井さんが岩松了さん作・演出、竹中直人の会『月光のつゝしみ』にプロンプターとして参加したことがきっかけ。ここで現代口語演劇に触れたことが衝撃で、代表作『ヒッキー・カンクーントルネード』を3日ほどで書き上げたとか。

ここまでで55分ほど経過。1位を残して15分の休憩。

 

第2部は岸井ゆきのさんが登場し、「岸井ゆきのによるハイバイBEST5」から。

こちらは年代順に並んでいるとのことで第1位から発表。

 

<岸井>

第1位 七つのおいのり

第2位 口語演劇の衝撃

第3位 ある女と居酒屋かこ

第4位 ヒッキー・ソトニデテミターノ

第5位 ソトニデタ岩井さん

 

岸井さんが初めて岩井さんを知ったのは映画『曲がれ!スプーン』。本谷有希子さんのワークショップで出会った坂口辰平さんが岩井さんに似ていたので、その話をしたところ、「それ、うちの劇団の主宰だよ」ということでハイバイを観に行くことに。それが2011年、アトリエヘリコプターで上演された特殊公演『七つのおいのり』。

それまで、母親の影響で演劇はよく観ていたが、ミュージカルや新感線などが多かったので、『七つのおいのり』を観て、「普通にしゃべってこんなに面白くていいんだ!」と現代口語演劇の衝撃を受けたとか。

 

ハイバイの本公演で初めて観たのが、こまばアゴラ劇場で上演された岸田戯曲賞受賞作『ある女』。今観るとキツいかもしれないが、19歳の頃だったので何もかも新鮮だったと。その時、サンプルの松井周さんも観に来ていて、終演後、劇場近くの居酒屋かこ(現在はPIZZA BAR KAKO)でボッシュなど美術の話が出来たのが嬉しかったそう。

その後、ヘリコプターでのワークショップにも参加した岸井さん。平原テツさんや川面千晶さんが怖かったとか。岩井さんもすぐに岸井さんに出て欲しいと思って、パルコ劇場で上演された『ヒッキー・ソトニデテミターノ』への出演をオファー。

その公演の時、古舘寛治さんがドラマの撮影が残っていたのに髭を剃ってしまったのだけど、楽屋で鏡を見て「髭がない! どうしよう」となっていたのが忘れられない思い出。笑

 

その後、岩井さんと金子さんの第1位。

岩井さんは「タケの誕生日とそのお返し」。

金子さんは「岩井からの電話」。

上述の『月光のつゝしみ』のプロンプターの話は最初、金子さんのもとに来たのだけど、当時モチベーションが下がっていた金子さんはこれを断り、岩井さんに回ってきたとか。なので、今のハイバイがあるのは金子さんのお陰との結論。笑

 

後半は「ハイユー論」ということで、色々な質問を。

まずはベタに「休日の過ごし方」

岸井さんは映画か芝居を観に行くとのことで、映画はもっぱら洋画。

繰り返し観ているのはクリストファー・ノーラン監督の『インターステラー』。

量子論が好きとのこと。

 

続いて「俳優になったきっかけ」

そもそもは恵比寿で写真家にモデルになって欲しいと声をかけられ、今の所属事務所に紹介されたことがきっかけで、最初は学園ドラマのクラスメイト役とかばかりで「自分は背景なのかしら?」と疑問に思うことも。

そんな折、上述の本谷有希子さんのワークショップで、10ページほどの小説を1週間かけて芝居にするというのをやり、「これがやりたいことだ」となったとか。

 

「影響を受けた作品」

最近観たそうだけど、なんと田村正和さん主演の『ニューヨーク恋物語』(1988)。

噛んだり、台詞がかぶったりしているのもそのまま使っているのが面白く、今やりたいと。

 

「影響を受けた俳優」

岩井さんや金子さんがアル・パチーノさんの名前を挙げる中、岸井さんは特に影響を受けた俳優はおらず、好きな俳優はたくさんいると。中ではマッツ・ミケルセンさんの「顔」。何を考えているか分からない表情が見ている方が考える余地があっていいと。岩井さんはマッツ・ミケルセンさんを知らなかったらしく、岸井さんが色々と出演作を挙げるもそもそも最近の洋画を観ていないとのことで撃沈。笑

 

最後に「これからのこと」

岸井「武器を持ちたい」

岩井「“岸井ゆきのと言えばこれ!”みたいな?」

岸井「ううん。刀とか」

岩井「は?」

の流れが面白かった。笑

それだと新感線という話になると言われ、「だったらハイバイで武器を持たせてください」と岸井さん。いつか本公演にも出て欲しいものですな。