シアターコクーン・オンレパートリー2019+大人計画『キレイ―神様と待ち合わせした女―』 | 新・法水堂

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演劇と映画の日々。ネタバレご容赦。

Bunkamura30周年記念

シアターコクーン・オンレパートリー2019+大人計画

『キレイ―神様と待ち合わせした女―』

 

 

【東京公演】

2019年12月4日(水)~29日(日)

Bunkamuraシアターコクーン

 

作・演出:松尾スズキ
音楽:伊藤ヨタロウ


音楽監督・編曲:門司肇  美術:池田ともゆき  照明:大島祐夫

音響:山本浩一  衣裳:戸田京子  ヘアメイク:宮内宏明

映像:上田大樹  振付:振付稼業air:man

歌唱指導:亜久里夏代  演出助手:大堀光威

舞台監督:二瓶剛雄

宣伝イラスト:寺田克也  宣伝美術:榎本太郎

宣伝写真:尾嶝太  宣伝スタイリスト:森保夫

宣伝ヘアメイク:西岡達也  宣伝広報:る・ひまわり

 

出演:

生田絵梨花(ケガレ)

麻生久美子(ミソギ)

神木隆之介(ハリコナ)

小池徹平(ハリコナB)

皆川猿時(ハリコナの母カネコキネコ)

岩井秀人(兄ジュッテン)

村杉蝉之介(父カネコジョージ)

鈴木杏(ダイダイ健康食品社長令嬢ダイダイカスミ)

阿部サダヲ(サルタ民族解放軍マジシャン)

猫背椿(同・マタドール)

乾直樹(同・カウボーイ)

伊藤ヨタロウ(カミ)

橋本じゅん(ダイズ兵・ダイズ丸/月五郎一家・万一)

近藤公園(カスミのフィアンセ・マキシマキオ)

荒川良々(クマズ・月五郎/カミ2)

片岡正二郎(弔い屋ダイモク)

宮崎吐夢(中村屋/黒眼鏡の男/カスミの使用人ヤママムシ/鹿児島クマズ野戦病院長マイタケデングネツ)

伊勢志摩(カスミの部下タカラヅカ/イセ)

香月彩里(ダイズ兵リサイクル反対主婦の会会長テルヤ)

家納ジュンコ(副会長コスゲ/カネコ組ビーバー)

五島百花(ミソギとダイズ丸の娘アイダほか)

齋藤桐人(カネコ組ほか)

森山晶之(カネコ組ほか)

中根百合香(カネコ組ほか)

藍実成(クマズ兵ほか)

高瀬育海(クマズ兵ほか)

西田健二(クマズ兵ほか)

りんたろう(クマズ兵ほか)

佐山太一(月五郎一家ほか)

畑中実(月五郎一家ほか)

深堀景介(月五郎一家ほか)

藤岡義樹(月五郎一家ほか)

飯嶋あやめ(ダイダイ健康食品社員ほか)

エリザベス・マリー(コロスほか)

植村理乃(コロスほか)

古清水愛奈(コロスほか)

原梓(コロスほか)

 

MUSICIAN:

門司肇(指揮・ピアノ)、河村博司(ギター)、斎藤まこと(ベース)、石川慎一郎(同)、大久保敦夫(ドラム)、上野義雄(同)、清水直人(リード)、若田仁司(キーボード)、吉田能(同)、伊藤充志(同)、長尾珠代(ヴァイオリン)、久永泉(同)、田代藍(同)、氏川恵美子(同)、入江茜(同)、中島久美(同)、林千夏(同)、渡邉智生(ヴィオラ)、藤原歌花(同)、津森奈保子(チェロ)、土田寿彦(同)

 

STORY

キグリ、クマズ、サルタの三つの国に分かれ、民族戦争が100年続く“もうひとつの日本”。争いのさなか、サルタ民族解放軍を名乗る集団に誘拐監禁されていた少女が10年ぶりにソトの世界に脱出した。過去をすべて忘れた少女は自ら“ケガレ”と名乗り、大豆でできたダイズ兵の死体回収業者のカネコ組の仲間となる。ダイズ兵を食用加工するダイダイ食品の社長令嬢カスミとも奇妙な友情で結ばれるケガレ。死体を拾い小銭を稼ぐ彼女を見守るのは、成人したケガレであるミソギだ。死に憧れながら死ねないダイズ兵のダイズ丸、頭は弱いが花を咲かせる能力を持つハリコナ、誘拐監禁しないと女性と一緒にいられないマジシャンらとも出会い、過去、現在、未来が交錯する時間の中で、ケガレは忘れたはずの忌まわしい過去と対決することになる。【公式サイトより】

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松尾スズキさんがシアターコクーンの芸術監督に就任して最初の作品。

 

2000年の初演以来、これが四演となるが、その都度脚本は改訂されていて、上演のたびに単行本が出ている。

ちなみにケガレ役は初演が奥菜恵さん、2005年の再演は鈴木蘭々さん(酒井若菜さんの代役)、2014年の再再演は多部未華子さんが演じてきた。

 

オーケストラピットでの生演奏に合わせて歌われる楽曲の数々(音楽は初演からカミとして出演もしている伊藤ヨタロウさん)、大掛かりな舞台装置に豪華キャスト。

それだけでも充分楽しめる。楽しめはするのだが、正直なところ、3時間30分かけている割にはやや盛り上がりに欠ける気がした。カタルシスがないというか。

 

松尾さんは生田絵梨花さんの歌を聴くだけで泣けてくるとメルマガにも書いていたけど、そこまでいいとは思えず。ちょっとハードルを上げすぎてしまったか。

初舞台の神木隆之介くんは生き生きしていた。やっぱりちょっとアホな役の方が似合うよね。笑

 

それより何よりよかったのが麻生久美子さん。いや麻生久美子様。歌も低音から高音まで出ていて、しっかり聞かせる。阿部サダヲさんとの絡みは『いだてん』も次回で最終回かー、なんて思っちゃったじゃんねー。

それと鈴木杏さん。いや鈴木杏様。ジュッテンを相手に「偽善」をするシーンの大胆さ。目の開け方を忘れたジュッテンのために、言葉と同時に服を脱いでいくのだが、最後は全裸に(もちろん本当になっているわけではないけど)。もう杏ちゃんなんて呼べないわな(ローソンのCMが懐かしい)。

 

上演時間3時間43分(一幕1時間43分、休憩15分、二幕1時間45分)。