PARCOプロデュース2019
『人形の家 PART2』
A Doll's House, Part 2
【東京公演】
2019年8月9日(金)~9月1日(日)
紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
作:ルーカス・ネイス 翻訳:常田景子
演出:栗山民也
出演:
永作博美(ノラ・ヘルマー)
山崎一(夫トルヴァル・ヘルマー)
那須凜(娘エミー・ヘルマー)
梅沢昌代(乳母アンネ・マリー)
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STORY
15年ぶりに家に帰ってきたノラ。乳母は驚きながらも歓迎し、夫との和解を勧める。しかしノラの目的は別にあった。実はこの15年の間に、ノラは女流作家として成功を収めていた。本名を伏せ自身の経験を綴った作品は、多くの女性の共感と反響を呼んだ。しかしある女性読者の夫に、ノラの「未婚の女流作家」という立場が偽りであるという事実を摑まれ、世間に公表すると脅迫されていた。ノラは、この危機を回避するために夫との離婚を成立させるべく家に戻ってきたのだった。 【公演チラシより】
アメリカの劇作家ルーカス・ネイス(チラシではネス)さんがイプセンの『人形の家』の続篇として2017年に発表し、高い評価を受けた戯曲を早くも日本初演。
オリジナルの『人形の家』は戯曲は読んではいるが(演劇ファンの嗜みとしてね。笑)、上演自体は翻案されたものを観たことがあるぐらい。
ただ、本作はノラが15年前に家を出て行ったということさえ分かっていれば問題ないようにはなっている。
ノラが15年ぶりに家に戻ってきたのは、夫との離婚を正式に成立させるため。19世紀末は女性から離婚を成立させることが難しかった時代だが、著者は当然のことながら、過去の話としては捉えていないだろう。21世紀になっても、女性がその性別ゆえに不利益を被るという状況は変わってなどいないのだから。
舞台は全体的に大作り。
特に上手に聳え立つ青い扉が異様な存在感を放つ。
最後、再びその扉を開けて家を出て行ったノラには、どのような未来が待ち受けているのであろうか。
作品自体は興味深かったものの、この日の永作博美さんの出来は今ひとつ。台詞を噛むのもそうだが、そのために全体的に言葉に気持がこもっていないように感じてしまった。東京公演も終わりに近づき、疲れがたまっていたのかな…。
初めて見る那須凜さんはなかなかよかった。また別の作品でも見てみたい。
上演時間約1時間45分。
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