76151 LEGOスーパーヒーローズ ヴェノムサウルスの奇襲 | LEGOット庄

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~前回の前フリの大筋~
恐竜がエイリアンを飲み込んだ
 
~今回の寸劇~

S「ああ、まずいまずい! こいつは本当にまずいぞ!」

ひっきりなしにウェブシューターから蜘蛛糸を発射し、スイングし続けるスパイディ。
その目線の先には――
 

 

グオオオオオオオオ!

恐竜が寄生されて誕生した、ヴェノムサウルスが暴れている。恐竜本来の獰猛性にエリアン共生体が呼応しているため、凶暴性がMAXまで高まっているのだ!

 

 

V「スパイダーマン! 今度コソ覚悟シロ!!」

S「ヴェノムもすっかりその気になってる……完全にエイリアン共生体が暴走してるんだ」

 

 

S「どうするか――戦いが長引けば被害が広がる。でも今の僕に、この巨大な敵を一撃で仕留められる力はない。どうしたら良いんだ――」

 

と、そこへけたたましいエンジンの音!

 

 

キキーッ!

S「わわっ! スパイダーハム! 危ないじゃないか、僕もハムにする気なのかい?」

H「ああ、ごめんよスパイディ! それより、何だあのでっかい奴は」

S「恐竜のヴェノム版さ。あんまりでっかくて、僕の手に負えそうにないんだ」

H「ならちょうど良いのがあるぜ! これに着替えるんだ!」

 

2人のスパイディがあれこれやっている間、ヴェノムサウルスは街を闊歩していた。

 

V「ウウウウウ……チカラガ漲ッテクル。今ノ俺ナラ、スパイダーマンニモ勝テルハズダ」

S「待てヴェノム、そうはいかないぞ!」

 

V「出タナ!!」

 

くるっと振り返るヴェノムサウルス。そこにいたのは――

 

トニー・スターク特製のアーマーに身を包んだ、アイアン・スパイディ! これならヴェノムサウルスにも勝てるか――!?

 

 

V「小賢シイワッ! 喰イ尽クシテヤル!」

S「かかってこい! 僕は負けないぞ!」

ここに、戦いの火ぶたは切って落とされたのだった!!

 

 

劇終

 

 

 

 

ということで、今年発売のスパイディのセットの中でも一番の大箱、ヴェノムサウルスの奇襲を紹介します。

パッケージはこちら。

 

 
これは情報解禁当時からとても楽しみにしていたセット。なのに、Amazonが中々値下げしやがらない。仕方なく駿河屋で安くなるのをまって購入しました。8910円で31%OFFだったから、まあ許せるレベル。コロナの関係で遅れるかと思いきや――今回は駿河屋さん、けっこう早く送ってくれましたね。ありがたいです。
 
袋は4、作るのに30分ほどかな。組み上がったのがこちら。
最高にイかすセット。けっこうスケールがデカい。
 
まずはスパイダー・バギーから紹介しましょう。
デカいタイヤと赤・青のカラーが目を引く。スパイディのメカの中でも結構派手なデザインです。
 
派手なだけじゃなくてデカい。ヴェノムクローラーについてきた車と並べても、その高低差は大きい。
 
グッと押し込むと、少し背丈は低くなります。これはこれでカッコいいかな? なぜか昔買ってもらったラジコンを思い出しました。
 
 
他にはちっちゃなベースが付いてくる。これがね、けっこう味があって好きなんです。
パーツ数が少ないながら、色んな設定を促してくれる優れたミニベース。卵の中から出ているのはエイリアン共生体でしょうね。割れた卵が置かれているのは托卵機だったのかな? 注射器があるってことは、実験中だったのかも。これは恐竜の卵で、そこにエイリアン共生体を注入したことで生まれたのがヴェノムサウルスなのかもしれない。こういう風に色んなストーリーを考えさせてくれる、そんな「含み」のあるデザインです。
 
そしてお待たせしました! 肝心のヴェノムサウルス。
デカい、ヤバい、かっこいい。
デザイン的な部分は完全に、ジュラシックワールドのメカ恐竜がもとになっています。全体の構造は殆ど同じと言っても良い。
 
それでもカラーと細かい部分のデザインを変えるだけで、こんなにイメージが変わるんだからLEGOってすごいよね。
 
 
白地に黒いうねうねが描かれているパーツは珍しくプリントパーツです。けっこう数が多いので、ステッカーだと大変だったろうな。
 
口に注目。にょろんと伸びる舌。ヴェノムの特徴をよく表しています。
 
人形は顔は命。ティラノサウルスに比べるとちょっと小さ目の頭。前脚の指も三本なことを考えると、アロサウルスぐらいの中型恐竜がイメージかも知れない。
 
このヴェノムサウルス、デザインが秀逸なだけじゃなく面白い設定があって――
スパイディたちの攻撃で一定のダメージを受けると――
 
背中がぱかっと開き、
骸骨を入れる。これで回復(笑)
バイオハザードとかにさ、周囲の死体を取り込んで無限に強くなる敵がいたけど、それを意識したような設定。ちゃんと牙が付いている辺り、芸が細かい。僕はこれ、今までのLEGOではあまり見られなかった、大好きな設定ですね。
 
背中にはヴェノムを乗せることができる。
両手や背中からうねうねと共生体が伸びて、武器を作っている。これはカーネイジ特有の能力かと思いきや、ヴェノムもできるのね。
 
このうねうね触手にも面白いのがあって、
こんな感じで腕に嵌めて、
 
たちけてー。
こんな風に拘束できる(笑)
ヴェノムの魅力をここまで活かしたセット、今まであっただろうか。
 
 
ミニフィグは4体。実際はここに骸骨も加わるので、実質は5体かな。
スパイダーハムは新造ですね。背中の蜘蛛マークに注目。細かいところも手を抜いていません。
アイアン・スパイディは久しぶりの登場。『インフィニティー・ウォー』のセットで映画版のアイアン・スパイディ的スーツが登場しましたが、今回のはコミック準拠のスーツ。これは過去に一回しか出ていません。
 
過去のアイアン・スパイディと比較してみた。
黒い縁取りや胸の蜘蛛マークのデザインなどに大きな違いがある。ヘッドも、今回のはよりメカっぽい感じになっています。
 
面白いバギー
優れたミニベース
カッコいいヴェノムサウルス
魅力的なミニフィグたち
 
これらが組み合わさって、非常に遊びがいのある素晴らしいセットが完成した。
 
スパイディ VS ヴェノムサウルス
 
 
ジュラシックパークのT-REXのように、爆走するバギーに並走して体当たりするヴェノムサウルス。
 
この強大な敵に勝てるのか!? LEGOスパイディ世界に、いよいよもって超ド級の敵が登場してしまった。これは熱い展開!!

 
ということで、ずっと楽しみにしていただけのことはあって、開封→組み立て→遊ぶに至るまでとにかく満足度の高いセットでした。クリエイターやジュラシック・ワールドなど、他シリーズからのクリエイトを引き継いで、このシリーズの世界観に即して組み換え、新たな魅力あるモデルとして登場させる――これもまたLEGOの魅力の一つですよね。個人的にはこれまで発売されたヴェノム関連のセットの中で一番好きです。まあ、今までヴェノムクローラーくらいしかヴェノム主役のセットってないんだけど(笑)ただ、早くも決定版が出ちゃったなあという気さえしています。スーパーヒーローズの世界観ではかなり異色なセットであることには変わりない。でも、その異色さこそが良い! シリーズの垣根を越えて表現の幅を広げ続けるLEGO。いやはや、御見それしました!!