アベンジャーズタワー 徹底比較!! | LEGOット庄

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~ある日のアベンジャーズ・タワー~
戦いの合間に骨休めをするアベンジャーズの面々。

 

ニック・フューリーがトニー・スターク(アイアンマン)に語り掛ける。

 

N「トニー、このタワーも建設されてから随分と経ったな」

T「確かに。ガラスに張ったアベンジャーズのマークも剥がれかけてきたよ。だから――」

 

T「新しいのを建てたんだ」

N「あれまっ!!」

 

 

 

ということで、LEGOアベンジャーズより、アベンジャーズの本拠地であるアベンジャーズ・タワーについて、今回は新版と旧版の徹底比較を行います。比較の対象はこの2セット。

 

右 旧:76038 アベンジャーズ・タワーの攻撃(2015年発売 『エイジ・オブ・ウルトロン』公開時期)

左 新:76166 アベンジャーズ・タワーの決戦(2020年発売)

 

5年の感覚を空けて発売されたアベンジャーズ・タワー。この二つを比較検討することで、LEGOのデザインの進歩っぷりも分かって来るのではないでしょうか。まずは全体をぐるりと一巡してみます。

 

サイド・ビュー。

 

全体の構成自体に大きな違いはないものの、まず3階建てと4階建てということで規模面から大きく違う。カラーデザインも、新版は濃いブルーを多用して、よりスタイリッシュに仕上がっているかな。旧版は『エイジ・オブ・ウルトロン』公開時期に合わせてか、抑えめのリアルなカラーリングです。

 

フロントビュー。

 

最上階にテラスがある構造は変わらない。新版はさらにその上に空間を作っていて、旧版はアンテナが伸びた機械が設置されている。

 

サイドビュー反対側。

 

アベンジャーズのマークは、旧版は左右共にステッカーで再現されているのに対し、新版は片方側にプレート組で再現されている。

このアベンジャーズタワー両方に言えることは、ギミックの仕込みが秀逸。スイッチやつまみが、極力目立たないように上手いこと組み込まれている。

 

バックビュー。

 

ここは変わらないのね。1階ごとの高さも変わらない。

 

ぱかっと開くのが最大の売り。これは新旧同じような構成です。

 

 

それでは、1階ごとに見ていきましょう。

 

まずは地上階。

 

旧(右)は、窓が開閉して足場がスライドし、アイアン・リージョンが出撃する。

新(左)も、窓が開閉してホバーバイクが出動する。

メカニックが出撃するという点では同じですね。

 

では、地上階の奥にどんなものが置かれているのか、チェックしてみましょう。

 

まずは旧版。

 

医療室になっている。ケガしても、ここなら安心。

 

次に新版。

 

これはどうやら、ドローンらしいのです。最近のLEGO、本当にドローン好きね。

後ろのスイッチを押すと、ポンと飛び出てきます。

 

次に2階。

 

旧版(右)は、つまみをひねるとガラスが外れて落ちるギミック。

新版(左)は、窓が上に開いて、ブレイザー・テイザー2体のアイアンマン出撃できる。

 
こちらも詳しく見ていきましょう。。
 
まずは旧版。
窓側の空間。

 

ウルトロン製作中。この部屋は僕、かなり好きです。

まずウルトロンのミニフィグのデザインが秀逸。作りかけ感が素晴らしい。一対のアームも中々良い感じです。

 

続いて旧版の2階の奥。

 

こちらではロキの杖を保管・研究しているブース。
ウルトロン誕生には、この杖が重要な役割を果たします。
 
次は新版。
窓側には、ブレイザーとテイザー二体のアイアンマン。
赤と青の色彩差が素晴らしい。ブレイザーのレッグには、ホットロッドのファイヤー模様が描かれていたりと、デザインも細かい。
 
奥の空間は武器庫。
ここはちょっと寂しいかな。武器庫にするにしても、もう少し凝れる気がする。
 
旧版はこの上はテラスになる。新版はもう1階あります。
なのでここは新版のみの紹介。
旧版ではもう一階下にあった、敵役が窓を破るギミック。ここにいるのはレッドスカル。
 
反対側は、どう考えても危ないビーム的なものが常に流れている。
 
その反対側には、インフィニティー・ストーン研究ブース。
 
 
やっとテラス。それほど大きな違いはない。
 
旧版から見ていきましょうか。
『エイジ・オブ・ウルトロン』の序盤のパーチィーシーンを再現できるように、ベンチが設けられている。
 
部屋の奥はリビング的な感じ?
『アベンジャーズ』のラストで、トニーとペッパーが仲良く使っていたモニターが置いてある。
 
新版のテラスはもう少しシンプル。
 
ただ、新版はテラスに繋がる部屋が中々すごい。
二つのソファー。そして窓の上にはモニター。
ニュースでAIMの犯行を取り扱っている。
 
このモニタープレートは、ゲーム画面に置き換えることも可能。
 
ちなみにアベンジャーズ・タワーのテラスは崩れなければいけないという暗黙の了解でもあるのか、必ず半壊します。
 
旧版は真っ二つに分かれて持ち上がり、
 
新版はガタンと落ちてしまう。
 
 
最上階。
旧版(右)はアンテナのある機械が設置され、
新版(左)はバックにクリアガラスがある空間がもう一つ作られている。
 
こちらは旧版のみのギミック。
小さい飛行メカ(小型無人爆撃機?)が、ここから出撃できるようになっている。
このガチャン! って開く感じが好きだ。
 
 
 
ということで、徹底比較してみたシリーズ。いざやってみると、細部のコダワリや工夫にも気付けて、楽しかったです。
 
最大の違いであるアベンジャースのマークの再現の仕方の違いからも分かるように、たったの5年間で、色んな所が見違えるように進化しているようです。ここ数年は特にDOTSとかの影響も受けているから、アルファベットをLEGOプレートで表現することに長けてきたんじゃないだろうか。

そういった細部のデザインが新しくなっている一方、基本的な構造は2015年の旧版からそれほど大きく変わっているわけではない。つまり、2015年の時点で基礎基本のクオリティがしっかりしているからこそ、2020年の新版ではアレンジを加えて、よしブラッシュアップしたものを生み出すことができている。
そう考えると、2020年のデザインの進歩には舌を巻きつつ、2015年旧版も現役を退いたオールドモデルとだけ見て済ませるのは非常に惜しいセットに見えてくる。1つ言えるのは、LEGOって新しいデザインのものが必ずしも唯一の正解になるわけではないってこと。これはスター・ウォーズの型落ちも一緒です。旧版は旧版で素晴らしい完成度のセットはごまんとある。今回比較して、進歩著しい面がある一方、5年前と変わらない点も多多あると分かって、やっぱLEGOって面白いなと思いました。どんな時代であっても、その当時のクリエイト力の限界に挑んで、新しいセットを作り続けていたんだなあということがよく理解できます。
 
スーパーヒーロー・シリーズも長い歴史を培いつつある。クインジェットなんかも、今まで出てきたものを並べて比較してみたら、面白いことが分かって来るかも知れない。長いことファンを続けていれば、こういうこともできる。何ともコアな楽しみ方だと、我ながら思ったりします――(笑)