禁止級伝説のAランク,最上位クラスには劣るがかなり強力な禁止級伝説について解説。

最後はザシアンの解説をする。


タイプ フェアリー(歴戦の勇者)/フェアリー,鋼(剣の王)

特性 不撓の剣(最初に登場した時のみ攻撃1段階上昇)

種族値(勇者) H92 A120 B115 C80 D115 S138 T660

種族値(剣王) H92 A150 B115 C80 D115 S148 T700

専用技 巨獣斬(威力命中100PP5,剣の王時にアイアンヘッドがこの技に変化)

*剣の王は持ち物が朽ちた剣固定


第8世代のパッケージ伝説。

前作では最強の禁止級伝説の一角であった。

鋼フェアリーの優秀な耐性に非常に高い攻撃と素早さを持ち,その上場に出ただけで攻撃が上がることから,凄まじい数値の怪物として恐れられていた。

一方,ダイマックスできない点がかなり痛く,その点ではまだバランスは取れていたと言えるが,それでも並の一般や禁止級をあっさりと駆逐してしまう凄まじい制圧力を誇っていた。


この性能に多くのプレイヤーが苛立ちを覚え,ザシアンの弱体化を求める声で溢れかえった。

この声に強く影響を受けたのか,9世代では内定こそしたものの全ポケモン最大の弱体化を受けた。

攻撃種族値が150に下がり,特性も最初に登場した時しか発動しなくなったのだ。

これにより,単体性能が暴落。

特に引っ込めると火力が激減し,ある程度の耐久と耐性持っていればあっさり受けられるようになってしまったため,剣の舞が必要な場面が増加している。

更に,天然持ちで高物理耐久のラウドボーンやヘイラッシャが登場し,動きづらさが増した。

禁止級ではコライドンやミライドンが素早さ種族値135であり,上を取られると一撃で倒されてしまう。

そのため,性格も陽気が優先されるように。

自身の弱体化や厄介な相手の増加により,性格や技,調整の自由度が大きく下がってしまったのである。


これにより完全にオワコンになった…と思われていた。

しかし,蓋を開けてみれば,「まだ強い」という評価が多く見られる結果となった。


まず,技面では弱体化を喰らっていない。絶妙に広い技範囲(インファイト,ワイルドボルト,サイコファング,噛み砕く,3色牙,電光石火,ソーラーブレード等)は全て続投。

それだけでなく,テラバーストにより技範囲を増やせるように。特に地面技や岩技を使えるようになったのは非常に大きい。水テラバーストも一定数採用される。

更に新規技として草分けを習得。威力が低く強化としては微妙とされていたが,それ以上に素早さが上がる恩恵が大きく,禁止級PTでも草分けザシアンは度々見られるように。

技面では弱体化どころか強化されたと言える。


次に,一般ポケモンの最強格である,ハバタクカミとパオジアンに非常に強い。

パオジアンは一致技半減で有効打なし,ハバタクカミはフェアリー半減,弱点技も威力が低く余裕で耐えられる…といった具合であり,対面どころか後出しから有利が取れる。

電磁波や絶対零度で捲られる可能性もあるが,基本的に対面ではまず負けることはない。


最後に,元の耐性,耐久,素早さは変化していない。

元の耐性は非常に優秀で弱点も少ない。

テラスタルとの相性は微妙に見えるが,弱点の少なさから弱点のカバーが容易。

耐性を維持できるステラテラスタイプも存在する。

流行りの毒菱も無効で,毒菱サイクルにも強め。

耐久力も,ダイマックスの高火力が消えたことで,サブウェポンを余裕を持って耐えられるようになったことでより活かしやすくなった。

素早さが下げられなかったのも非常に大きく,前述のパオジアンを上から叩き潰せる。

ミライドンにもかなり強く,テラスタルしなければじゃれつくや地面テラバーストでワンパンできるため,ミライドンに対して選出画面で大きく圧力をかけられる。

テラスタルで等倍にされても大きく削れる…だけでなくフェアリーテラスを切ればじゃれつくで無振りを高乱数1発なので,対面での圧力は凄まじい。


総評すると,弱体化こそしたもののそれでも数値が高く,元の強みが多く残されたことから,まだまだ強力な禁止級伝説と言える。

この評価から,弱体化についても意見が分かれている。弱体化は不要とする声もあれば妥当とする声もあり,特性か種族値どちらかだけの弱体化で良いと言う意見もある等,正に賛否両論となっている。

とはいえ,今後も禁止級の貴重な鋼枠として活躍してくれること間違いなしだろう。


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