今回出てきた犯罪は、「ワイロ(受託収賄罪)」と「下着ドロボウ(窃盗罪)」です。

まず、ワイロについて。

ワイロって、よくドラマやニュースで出てきますが、エライ政治家の先生と料亭でお食事しながら、「そこをなんとか~」とか言って机の下からコッソリ渡す、みたいなイメージですね。

実際は、エライ政治家の先生に限らず、公務員全てが対象になります。
なので、市役所のおじちゃん・おばちゃんや警察官、消防士さん、ひいては総理大臣まで、みんなワイロの対象です。

じゃあ「ワイロって何?」ってことになりますが、
人間の欲望を満たすものは全て、ワイロになります。

先ほどの料亭に限らず、キャバクラやゴルフに連れて行くことはもちろん、「息子さんの就職先は任せてくださいよ~」などと便宜を図ることもワイロに当たります。

「同級生が警察官やってるんだけど、友達ひきつれて誕生パーティーしちゃったよ…プレゼントも渡しちゃったよ…これワイロかな…」

なんて不安になるかもしれませんが、もちろんこれはワイロではありません。

なぜなら、贈収賄罪が成立するためには、「職務に関して」ということが必要だからです。

つまり、「この前チカンしちゃったんだけど、ほら同級生なんだし、なんとかもみ消してくれないかな、今年のプレゼントは奮発しといたからさ」とかなんとか、警察官の友達の職権を利用しようとして金品を渡すと、ワイロになります。

が、単純に誕生日パーティーをワイワイ開いただけなら、犯罪になることはありません。
これがワイロになってしまうと、公務員の友達とはロクにお酒も飲めないことになってしまいますよね。



さて、次は「下着どろぼう(窃盗罪)」です。

下着ドロボウというのは、「窃盗罪」に当たります。

窃盗というのは、他人の物を勝手に持っていく、という犯罪ですが、
例えば、コンビニでの万引き・電車でのスリ・ATM荒らし、などですね。

みなさんが最もよく耳にするかつ想像しやすい犯罪ではないでしょうか。


じゃあ、「もし下着ドロボウをしたら、どのくらいの罰が与えられるのか?」ということです。

刑法235条によると、

懲役:1ヶ月~10年
罰金:1万~50万円

となっています。

「なんでこんなに幅があるの!?」って思うかもしれませんが、

一口に下着ドロボウと言っても、ふらっとパンツ一枚を盗んだ人から、部屋中に盗んだ下着を並べてコレクションしてる手癖の悪い人まで、様々です。

手癖の悪い人の方が、当然罪は重くなりますね。

また、盗まれた女性が、

「ぜっったい許さない!きもい!最悪!刑務所に入れて!」と激怒してる場合もあれば、

「謝罪の手紙をいただいたので、もういいです」と言ってる場合もあります。

裁判になると、被害者の感情も考慮されるので、被害者が怒ってる方が、罪は重くなります。



最後に、オマケのお話。


下着が干してあるのは、だいたいベランダやお庭ですね。
なので、下着ドロボウって、こっそりベランダやお庭に入って、下着を盗んでいることになります。

「他人の家に勝手に入る」というのは、これ自体が犯罪です。
つまり、ベランダに侵入→「住居侵入罪」に該当します。

住居侵入罪は、刑法130条前段より、

懲役:1ヶ月~3年
罰金:1万~10万円

という犯罪です。

「だとすると、窃盗と住居侵入を足し算して、

懲役:2ヶ月から13年
罰金:2万~60万円

ってことになるのでは??」

ということになりそうですが、これは間違いです。


なぜなら、下着ドロボウについては、「下着を盗るために」こっそりベランダに入った、という点がポイントになるからです。

つまり、下着を盗るためにベランダに入ったんだから、ベランダに入ったのは単なる「手段」にすぎません。
目的は「下着を盗ること」なんだから、ここをきっちり罰すれば、十分じゃないか。

ということです。


なので、2つ犯罪を犯しているように見えても、実際には「窃盗罪」だけで裁かれるのです。


「2つも犯罪を犯してるのに、なんかずるくない?」と感じる人もいれば、
「良かった・・・もし下着ドロボウしても一つだけで済むのか…」と考える人もいるかもしれませんね。


それでは。



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