【書籍】Questions & Answers シリーズ | 日々、リーガルプラクティス。

日々、リーガルプラクティス。

企業法務、英文契約、アメリカ法の勉強を
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現在、上場企業で法務を担当、
米国ロースクール(LL.M.)卒業し
CAL Bar Exam合格を目指しています。

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FCSL(フロリダのロースクール)のオンラインLL.M.コースの不動産法(Real Property)のテストも終わり、とうとう最後の学期に突入しました。(その前に、今週末行われる株主総会がまず法務マンとしての山場ですが。。。)

それで、今日は今回のテストに向けて使った問題集をちょっとご紹介。

この"Questions and Answers"シリーズは、LexisNexis出版の問題集ですが、Professional Responsibilityのクラスで教授が「おススメ」だというので買って、そしてCriminal Lawもついでに買ってみました。

それで、自分が今回使ってみて「あぁ、なかなかいいかもしれない」と思ったのは、

・問題集のボリュームとして、学校の講義の復習や理解促進にちょうどいい。(本の暑さは1cmくらい)

・Majority Viewを前提として問題が作られているので、講義では習わなかったものの何がMajority Viewなのか、というのが理解できる。

・BarBri教材の場合は、Bar ExamでMBEとして択一問題が出る科目の択一問題集しかない(もしかしたら他の科目もあるのかもしれないが、少なくともアビタスではMBEで出る科目の問題集しか渡されない)が、このQuestions & Answersシリーズでは、数多くの科目のものがある。

以上のような点なのですが、この3番目のメリットが結構大きい気がしました。

確かにBar ExamでEssayしか出ない科目については、Essayの練習問題だけ解けばいい、という考え方もありますが、当該科目の総合的な理解を進めるためには、個別のIssueの見極め方がやっぱり重要だと思いますし、それぞれのIssueに対するルールを、実務に沿って理解する必要があると思います。そういった意味で、具体的な事例を伴った択一問題でEssayのみの科目を勉強するのは、けっこう意義がある気がしています。

そして、本当にBar Exam向けに勉強するとなれば、そういったEssayだけの科目のために択一問題を数多く解く、といった暇はない気もするので、こういった学校の講義の復習とか期末テストに向けて問題を解いておくと、内容理解に一役買うのではないか、という気がしました。

その一例なんですが、例えばCriminal Lawにおいて、Affirmative Defenseの1つとしてInsanityを習います。Insanityについては、Jurisdictionごとによって、その判断の仕方というか、アプローチ(日本なら「学説」というのかもしれませんが、それもちょっと違うか。。)に違いがあります。Majority ViewはM'Naughten Test(マクノートン テスト)ですが、その他にもIrresitible impulse Testや、Model Penal Codeアプローチなどもあります。しかし、このそれぞれのルールを暗記したとしても、果たしてどういったポイントの違いなのか、ちゃんと講義で理解できていたようで、できていなかったと思います。

このInsanityについての問題とその解答の解説が、このあたりを非常に分かりやすく説明していました。興味がある方は、以下、ご参考。

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これがその問題。

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これがその解答。


ただ、この問題集はボリュームがちょうどいい反面、各Issueについての問題数が不十分だったり、「この問題は、正解以外の選択肢が変すぎて解くのが簡単すぎる」というのもあったので、そのあたりどうかな、と思う点もありましたが、18ドル~20ドル程度の値段なので、許せる範囲かと思います。

なお、このシリーズのProfessional Responsibilityはかなりいい問題集だと思います。さすが教授が勧めるだけはあり、かなり役立ちました。MPRE対策でも使える気がしました。