小さい頃に見たゴジラなどの怪獣図鑑では、ゴジラが負けたのはオキシジェン・デストロイヤーと双子の幼虫モスラだけで、キングコングとは引き分けて、あとはゴジラは勝っているとあった気がする。その後に平成VSシリーズやミレニアム、ハリウッド版などができて、例えば人が操作するメカキングギドラはモスラ以来、はじめてゴジラに勝っている。キングギドラは、ゴジラ単体で勝ったことはなく、ラドンやモスラの助けがあったが、平成ゴジラ対キングギドラでゴジラが初勝利する。大きさもゴジラ50mに対しキングギドラ100mだったが、ゴジラ100m、キングギドラ140mという釣り合いになってた。大きさ以外にも、ゴジラの怪獣王化にともない、最近はモスラは出てきてもそんなに強くない。まあ虫だから、あと女性的なところもある。脚などは鳥っぽいデザインに、幼虫は蚕のような感じにしてあるようだ。
ゴジラの身長はもともと50m、ラドンも50m。ティラノサウルスが立った時の背の高さはだいたい4mぐらいのようだ。みんながみんな最大サイズではなく、尻尾までの長さは10mあったとしても、前傾姿勢をとるから。ゴジラも尻尾までの長さはもう少し大きい。
1961年モスラの成虫は翼長250m、体長135m、幼虫は体長180mとかなり大きい。飛ぶ速さもマッハ3でラドンのマッハ1.5より速い。これはその時代の戦闘機の性能に合わせたようでもある。幼虫の大きさは、東京タワーが333mでこれに繭を作るのに合わせた大きさのようだ。羽を広げた大きさは、かなり大きいけどモデルとなったとされるヨナグニサンというヤママユガの一種の羽の大きさが25cmぐらいらしい。だいたい100mぐらいはあるというイメージだろう。ゴジラ対モスラでは175mで、バトラが180m。卵の大きさはもともと100m。
1964年モスラ対ゴジラでは、ゴジラと戦うバランスを考えて少し小ぶりになっている。そもそも卵の大きさが50m、卵形の長い方のところで、卵は生まれた時はもっと小さくて、卵が大きくなると作中で語られている。卵は外部から栄養を取り込めないから成長するのは変だが、卵に蓄えた栄養分により中の幼虫が成長して、それに伴って卵も大きくなったと考えられる。幼虫は40mらしい。モスラの映画では幼虫は青い目だったが、双子は赤い目と青い目がいて、のちに死んだのは青い目の方とされる。成虫は翼長は250mのようだが、体長は80mのようだ。これがモスラの映画と同一個体なのか二代目なのかは語られてないので分かれるところだが、同一個体が別の映画にやや設定を変えて登場して、少し年をとっていると考えられる。その後幼虫は、三大怪獣地球最大の決戦に登場するが、ゴジラやラドンはモスラの説得により宇宙怪獣キングギドラと戦うことになる。ゴジラの製作順でいうと、1954年ゴジラ、ゴジラの逆襲ではアンギラスに勝利、キングコング対ゴジラではともに海に落ちて引き分け、となっていて、ではモスラがなぜゴジラに勝利する強い怪獣であったかというと、まず元々ゴジラを凌ぐ大きさがある。幼虫も2体で挟み撃ちにしている。ゴジラは好き勝手暴れているだけだけど、モスラは善悪の区別はつかないが、小美人や島の人を守るために戦う動機がある。ゴジラは核実験を象徴していて、モスラもインファント島の核実験が関連しているが、自然全体の摂理のようなものがあって、それは人間の活動よりも上なのかもしれない。今のハリウッド版などでは、ゴジラという生物と人間という生物との戦いのようになっている。
その幼虫が、成長して成虫になって現れたと考えられるのが、ゴジラエビラモスラ南海の大決闘という作品だ。モスラ、モスラ対ゴジラ、南海の大決闘は昭和の成虫モスラの登場する三部作のようになっていて、双子の小美人、インファント島、インファント島の人々が描かれる。インファント島のモデルが西表島というのは、後日明らかにされている。
最近のモスラが登場する作品に、双子の小美人は出てきても島の人々が描かれないのは、時代の流れだろうか。昭和の頃は戦前と連続性があって、大家族で、自分の家族や出身地も含めてその人だった。つまりモスラを登場させるには、小美人もインファント島の人も一緒だった。歌は今でも出てくるが、モスラや南海の大決闘の踊りは、おそらく見た方がいい。核家族化が進んで、一緒に暮らす兄弟姉妹や親が家族、というのがこのご時世だろう。1996年モスラはよく出来ていたけど、そういう背景になっている。まあ、ほかの怪獣はそうだけど。
子供の頃の本では、成虫モスラはゴジラに負けたように書いてあった気がするけど、実際には寿命が尽きて死ぬようになっている。幼虫モスラはゴジラと対戦したり、キングギドラと共に戦って、それが成長して成虫になったのが南海の大決闘のモスラなのかもしれないが、最後の方に登場してゴジラを圧倒する。戦いが避けられないと思ったモスラは、羽ばたいた衝撃波でゴジラの自由な動きを封じつつ、接近して、左の翼チョップでばしっとゴジラに一撃をくらわせて、そのまま飛び去る。完全にゴジラを倒したわけではないが、やはり格上の強さを見せてくれた。