マリウポリの状況はあまりよくないが、ロシア、ウクライナ双方の発表によると、残存兵力が抗戦をしているようだ。まだ完全には制圧はされていない。ウクライナ側は交渉の終了を示唆している。ロシア側の戦費負担がかさみ、経済制裁が継続されていることをみて、マリウポリを制圧されたとしても、奪還を目指すということだろう。
国際連合というものが機能していない。連合国からみて敵国条項というものがあるが、ドイツや日本が連合国の味方にはなったが、勝手にソ連の一部であったウクライナ共和国部分を第二次世界大戦の敵国条項適用国に見立てている。そもそも中華民国とソ連は、現在の中華人民共和国とロシア連邦でいいのか、という気もする。中国本土の覇権が武力闘争により第二次世界大戦当時とは別の国になっている。ということは、軍事力の行使で国土を統治する国が変更されることを容認しているようでもある。国際連盟は第一次世界大戦後の将来の戦争を防ぐことができず解散するが、ロシアがソ連領の国土を回復する手段として武力侵攻をしているのに対し国連が無力であるので、本来の平和維持の役割を果たしていない。
クリミア半島は、ウクライナと陸続きでロシア側には海峡があるが、ここに2015年から橋が建設され2018年5月に開通、2019年12月には鉄道も通ったようだ。マリウポリから海沿いのドネツク州にロシアが領域を広げると、その先にはオデーサやモルドバ共和国がある。ロシアの思惑どおりなら、ウクライナの国土を二分してしまい、内陸部にウクライナ(反ロシア)を封じ込めることになる。クリミアは英語で、ロシア語、ウクライナ語、ドイツ語などではクリムというが、語源にはテュルク語の丘という意味もあるようだが、古代にキンメリア人が住んでいたので、クリミアの語源がキンメリアという説もある。ケルチ海峡あたりの古い地名がキンメリアだった。キンメリア人はアッシリア王とも戦ったことがあるとされるが、スキタイ人がやってきた際に、抗戦を主張した王族は互いに差し違えて死に、民衆派は小アジアから欧州へ逃れてのちのケルト民族となり鉄器文明を伝えたとされる。つまり、クリミアを含む南ウクライナは、今はウクライナ人の土地だが、もとからそうだったかというと、そうでもない。さらに、欧州に民主主義が根付いたのも、王族がいないとか王族が強くないとか、そういう事情が背景にある。現在の欧州の王族は北欧起源のヴァイキングによるものが英国を含めて残っている。
世間では、ロシアはキーウ侵攻がうまく行かないのであきらめて東部に注力したと解する人もいるが、本当だろうか。新しく司令官が任命されたのは、戦果を出すこともそうだが、もう一つは停戦させる目的もある可能性がある。つまり、プーチンとしては、司令官の判断で停戦といえば、それを受け入れる形の停戦が検討されることになる。
アメリカには紛争地に武器供与をするために長く戦争が続いた方が利益になる層がいるだろうから、ブチャの虐殺がアメリカの情報操作というプーチンの発想も、アメリカに都合よく動いているという一面をあらわしてはいる。ロシアは開戦当初から東部のロシア系住民の保護を表明しており、キーウ(キエフ)攻略とは一言も言っていない。キーウを包囲していたのは、ウクライナがすぐに降伏した場合に首都に入って受け皿政権を作るなどのオプションがあり、或いはキーウから東部への援軍を出させないために首都を攻略すると見せかける作戦で、その地域にいたのは陽動部隊で本体の精鋭部隊は、アゾフ(アゾフ連隊もしくはアゾフ大隊)のいるマリウポリ周辺で軍事活動を行なっていたとも考えられる。陽動部隊の方は、たいした任務を与えられていないので、虐殺とか、ネオナチではない人にお前はネオナチかとかネオナチはどこにいるとか、拷問を加えていたのではないだろうか。するとプーチンのいうように、作戦は予定どおりということになる。
子供と書かれた劇場が攻撃を受けていたが、本当に子供かは撃ってみないとわからないし、中に兵器が隠されているかもしれないとか、戦地ではそういう判断にもなるようでもある。民間人が避難していたが、地下シェルターがあった。トロイの木馬というものも歴史上あった。しかし、結局はただの劇場が破壊されてしまい、子供を含む人が死んだことになる。
ジェノサイドというとルワンダがあるが、ルワンダの場合は、少数派のツチが宗主国ベルギーなどから優遇されていたが多数派のフツが政権をとり、ツチを虐殺しはじめた。最終的には隣国ルワンダに逃れていたツチによるルワンダ愛国戦線が勝利して現在に至る。なので、弱者を虐待するしかできないロシア軍には勝利はないと思いたい。
国連にかわる安全保証の枠組みをウクライナを含めて模索してもいいのではないかと思う。