エビラは実際の映画を見る前は、そんなに印象がなかった。ただのエビやん、みたいな。特別な能力があるわけでもなく、武器ははさみで。カニみたいなザリガニみたいなはさみがついている。しかしよく考えたら、エビやイセエビには、はさみはない。
オマール海老には、はさみがある。オマールというのはフランス語でロブスターのことで、意味はハンマーでははさみを現している。食材としてのロブスターには、イセエビも含まれるようだけど、一般的なロブスターははさみのある方で、ウミザリガニという名前もあって、海に住むザリガニに近い仲間だが、淡水性のでもニホンザリガニやウチダザリガニは高級食材になる。
エビラは、レッチ島というインファント島に近い島の近海にいたが、モスラは20分以内に飛んでいける距離で、西表島近海の架空の島だろう。赤イ竹による核開発の放射性廃棄物であのようになったが、元は普通のエビだったという設定。ロブスターまたはオマール海老は、日本人からみて、普通のエビではないと思うから、なんか違うと思う。
オマール海老は、アカザエビ科らしい。アカザエビは東京湾や駿河湾などの深海にいるエビで、高級食材になる。ハサミが左右で大きさ違うなどの設定は、アカザエビ科のエビでみられるらしいが、おそらくこのアカザエビまたはその近縁種がエビラとなったものだろう。
ところで4億年前にはウミサソリというものがいて、ウミサソリはもともと浅い海にいたが、汽水域や淡水の河川や湖沼に生息域を広げて、大きいもので2.5メートルあった。5億年前の海にいたアノマロカリスは、昔1メートルあるといわれたが、最近は修正されて40cmほどと言われている。それでも大きいのだけど、当時はまだ魚の祖先にあたる数cmの脊索動物の時代、硬骨魚類はそれから淡水域に進出して、肺を獲得して、今の海に住んでいる浮袋のある魚はその子孫になる。魚はピラニアなどを除いて口に入る大きさのものしか食べないが、今の水生昆虫は体長の1.5倍ぐらいまでの魚やオタマジャクシを捕えるので、シーラカンスあたりをウミサソリは、はさみで捕らえていた可能性がある。ウミサソリがいなくなって、かわりに今の河川にはワニがいるようになったが、現在の甲殻類は捕食される側なのに対して、エビラは先祖帰りしてゴジラと戦ったんだな、きっと。
ところで、企画段階では、映画はゴジラではなくキングコングだったといわれているから、美女を、前に寝てしまうゴジラがきっとその名残りだろう。
ウミサソリ
エビラは逆エビに尻尾を反らせることができる


