中国の領土的野心が果たして香港で終わるのか気がかりだったが、どうやら台湾にも沖縄にも及ぶようになっている。尖閣諸島に漁船を送って実効支配をするつもりのようだ。日本が尖閣諸島を領有する根拠は、アメリカが日本領であると認めた、からにすぎない。アメリカが認めたから日本領であるのなら、アメリカが認めないなら日本領でないと認めることになってしまうのではないか。ここで争っても、アメリカ軍が動かなければどうしようもないし、国連に言っても、ロシアが中国は正当であり日本は甘受すべきであるなどと言ってしまうと、拒否権を発動されて動かない。日本の肩を持って同時に北方四島も返還する可能性は全くない。
中国の領土政策は適材適所であって、チベットには仏教については口を出していないように思う。個人の信仰の問題である。ウイグルについては、イスラム教への信仰を中国共産党への忠誠に変えさせようとしている。そうしないとテロの可能性もないわけではない。おそらくウイグルは周辺のトルキスタン諸国よりは国家が金を出して豊かだろう。金の力も使っている。モンゴルにも言語統制を行っている。歴史的にモンゴルは漢民族に同化してきた。香港は法治国家なので、法律を施行して対抗してきた。沖縄はアメリカが日本領であると認めるから日本領なので、アメリカが動かないなら日本領ではないことになりかねない。
日米関係は今のようには昔はうまく行っていなかった。1941年に真珠湾攻撃を行なって、その後ミッドウェー海戦で空母4隻を失う敗北を喫して、山本五十六の戦死や南雲中将の自決があって、戦後は吉田茂や白洲次郎や昭和天皇がアメリカと渡り合ったが、太平洋戦争はおそらくその20年前の1921年から1922年(1921年は日本では大正10年)のワシントン会議によるワシントン体制の頃に、ほぼ太平洋戦争のような状況に日米関係はなっていたのではないか。1921年にはイタリアでムッソリーニがファシスト党を結成し、中国共産党が結成され、1922年にはソビエト連邦ができた。ドイツでは1919年のパリ講和会議によるヴェルサイユ条約に基づくヴェルサイユ体制は、ナチス政権が台頭してくる正当性を与えた。ヴェルサイユ条約の頃は、ワイマール共和国である。ドイツに賠償金を課したのはユダヤ金融資本であったので、ユダヤ人の財産を没収して収容することは当時のドイツでは支持を得たわけだ。
日本はドイツ人のように全てを言葉にしないので、ヴェルサイユ体制打倒などというスローガンがあったわけではなく、なぜ、戦争をしたのだろうと今でも思うわけだが、ワシントン会議によるワシントン体制はロンドン軍縮会議を経て1936年には失効するが、アメリカはヴェルサイユ条約を批准せず、国際連盟にも参加しないで孤立主義に向かった。ワシントン体制では主要艦艇はアメリカ・イギリスの5に対し日本は3の割合となった。6割に対して日本は7割を主張し、その後のロンドン軍縮会議では主要艦艇以外の巡洋艦や潜水艦はアメリカ・イギリスの10に対し、日本は7となった。フランスとイタリアはワシントンでは主要艦艇は1.75の割合で、ロンドンでは合意に至らなかった。4カ国条約では、日本は日英同盟を破棄することになった。英国から破棄を持ち出されたわけではなく、アメリカが同盟を破棄させたかったからで、日本が継続する意思があれば英国は継続してもよかったようである。9カ国条約では、日本はドイツから得た山東省の権益を返還することになった。ヴェルサイユ条約では認められた権利だった。太平洋上の島は現状維持となったが、中国に対しアメリカは門戸開放を主張した。今では方針は違っているが、当時はそうだった。
資本主義と共産主義は同一のものなので、金持ちのユダヤ人は「資本家」となって、お金のないユダヤ人は「国有化」をいうのである。当時のアメリカは太平洋は既得権益を維持しつつ、中国に対しては門戸開放を言って、日本に既得権益を返還させた。
これに正しいことを言ったのは、軍隊だけであった。日米関係を悪化させないことが得策と考えたのはそれはそれで理由があるのだろうけど、今でもアメリカが敵対関係の国にまず経済制裁をして外交で追い詰めるのと同じことである。海軍は、日本天皇は陸海軍を統帥するので、海軍の保有艦船の割合を外国と決めるのは憲法違反であると言った。もっともなことである。陸軍では石原莞爾が9カ国条約を破って満州に領土を築くのだから、9カ国条約には合意するべきではなかった。日英同盟の破棄をしていなければ、第二次世界大戦の敵味方が入れ替わったはずだった。結局アメリカとは戦うしかなく、海軍は相手にとって不足なしとして戦争に突入した。
アメリカは自分の国を守るだけなので、陸軍大臣や海軍大臣がいるのではないか。