在トルコ領事館でサウジアラビアのジャーナリストが行方不明になり、おそらく死亡していて、殺害されたという見方もある。
日本の領事館なら邦人を保護する役割がある。その国の領事館は、逆のことをする。
その人がどんなことを言っていたかというと、最も新しい記事では、アラブ世界でのインターネットを通じた報道の自由が認められるべき、というものだ。国によっては、インターネットに規制がかかるからだ。そのぐらいのことを言って殺されるようでは、サウジアラビアにはそんなに知られるとまずいことがあるのか。
日本人にはビザが観光では発給されない。国土の殆どは砂漠で、人口も正確にはわからないようで、戸籍がない遊牧民の人もいる国では、人権というものは守るという意識は希薄のようである。世間には由緒正しい遊牧民の人がいて、農耕はせず、定住も最近になってからで、動物を飼って暮らすものだが、サウジアラビアのベドウィンというものは、由来はこれとは異なるらしい。アラビア半島南部のイエメンなどは農耕地帯で中継貿易もあったが、農村の過剰な人口のうち、農地を捨てて砂漠で羊やラクダを飼って暮らすようになったのがベドウィンというのである。日本でも近世までは農地を捨てて逃げる人もあったろう。人口増加だけが原因だったかはよくわからない。そういう人の人権が軽くみられる結果、サウジで外国人出稼ぎ労働者がひどい目にあったり、今回のように都合の悪いことを報道するかもしれないからと、殺してしまうことにもなる。皇太子が殺害を指示したか、喧嘩の結果、殺してしまったか、違いは全くないように思う。
以前に日本人が拘束されて首を切られたりしたことがあった。サウジ政府が同じことをしていることになる。
イスラムのテロリスト、過激派、原理主義、全てはスンニ派のうちの、ワッハーブ派という宗派であることが共通している。サウジアラビアの王族が国教とする宗派が、タリバン、アルカイダ、ISIS、ヌスラ戦線、これらテロ組織のイスラムの宗派と全く同一である。また、サウジアラビアには、国内だけにテロを行うテロ組織がない。イエメンにはアラビア半島のアルカイダがあるし、エジプトにはムスリム同胞団、イランにも規模は縮小しているがテロ指定されている組織がある。イラクではISISがアルカイダイラク支部のようなものだし、シリアではヌスラ戦線(名前は変わったかもしれないが)がアルカイダシリア支部のようなものだ。トルコではクルド系組織がテロ指定される。オマーンなど小規模で石油で裕福な国は、本当にテロ組織がないこともある。サウジアラビアにテロ組織がないのは、国家そのものがテロ組織と思想的に同一の存在であるから、と思える。カタールは断交されたがアル・ジャジーラが自由な報道をしている。
なので、日本のメディアで、性善説で今回サウジアラビアが過ちを犯した、みたいな論調なら誤りで、正体を現しただけだと思う。9.11も資金源はサウジ王族からだったことは、アメリカも把握しているだろう。サウジも米国債を大量保有しており、これを売却すると、アメリカ経済が混乱する(ドル暴落をするかもしれない)。サウジ国営の石油会社のサウジアラムコの上場の話も、見通しは立っていないようだが、サウジアラムコはもともとまだサウジで原油がみつかる前からのアメリカの企業であり、管理を現地人に委託したようなものだ。いわばサウジはアメリカからみて、出来の悪い息子のようなものだが、叱り飛ばして終わりになるのか、勘当するまでに進むのか、気がかりだが、アメリカの世論は正直なところがあるので期待はもてる。
トルコの対応も、適当なところでサウジに貸しをつくるのかな、とも思ったところ、あまりそんな感じはしていない。サウジはスンニ派の盟主などと思われてもいるが、実はそんなことはない。メッカ、メディナは宗教上の聖地で、伊勢神宮や出雲大社みたいな場所だろう。東京や大阪のような場所は、イスラム世界では、バグダッドやダマスカスのような都市がある。世界史的には、サウジはオスマントルコから独立した。もっとも、トルコはアラビア半島の西の海沿いを領有していて、リヤドなど内陸の砂漠はどこの領土でもない扱いだった。オスマントルコはエジプトもサウジの中心地も領有していたので、サウジに遠慮するつもりはないのだろう。この点で、トルコとサウジの外交関係が、みたいな論調で語る人は、この両国のもともとの関係を理解していないのである。
女性の免許取得が可能なら運転者人口が潜在的には2倍になり、結果石油消費が増えるはずで、よくある世間の2世経営者がそうであるように、本業を批判しつつ本業回帰している。
脱原油となると、車では減らせても航空機や船舶の燃料は必要なので、原油の輸入は維持しつつ備蓄もした方がいいように思える。