福島第一原発の処理水、いわゆるALPS処理水の海洋放出が迫っています。
色々な意見が出ていますが、筆者は他の方法と比較しても、海洋放出しか方法は無いと思います。
蒸発処理は、海の問題が大気の問題に拡大するだけだし、敷地を増やし、タンクに貯蔵し続けるのも、敷地の問題とタンクの耐久性の問題が有ります。
また既に決定事項なのに対して、処理水の危険性を声高に叫んで批判するのも、海外を含めて、いたずらに人々の不安を煽るだけだし、風評被害でさらなる苦しみを福島の人々に与えかねないと思います。
山本太郎さん、止めてあげてください。
なぜ福島が苦しまねばならないのか
なぜ福島が苦しまねばならないのか。
それはまず、なぜ原発が福島に有るのかから考える必要があります。
福島第一原発、第二原発は、言うまでもなく東京電力が所有しています。
そして、そこで作られた電気は、100%首都圏へ送られていました。
地元、福島には1Wも送られていませんでした。
送電ロスという問題が有ります。
いくら伝導率が高い電線でも、抵抗値が0では無いので、送電距離が長くなると、電力の一部が熱に変換されてロスするという問題です。
発電所と電気を使用する場所が近い方が送電ロスが少なくなり、その分電気代は安くなります。
にも拘わらず、なぜ首都圏の電力を賄う発電所が、首都圏から遠い福島に有るのか。
それは原発の危険性を鑑みた結果ではないでしょうか。
福島に原発が有るのは東京の人間のエゴ
原発には様々な立地条件が有り、どこにでも作れるものでは有りません。
しかし、福島第一原発の建設当時、東京や千葉、神奈川にも立地可能な土地は有ったと思います。
それなのに、福島に作ったのは、放射能漏れなどの事故が起きた場合の影響を小さくするためでしょう。
さらには、人口が多い都市部に隣接させた場合、反対運動が起こり、建設が困難に成る心配も有りました。
もちろん、東京の人たち全てがそれを望んだわけでも有りませんし、市民の投票で決まったわけでも有りません。
東電と原子力委員会が、勝手に判断して、勝手に作りました。
しかしそれに対し、当時も今も、漁業と酪農くらいしか産業が無かった、福島第一原発が有る福島の相双地区では、新たな収入源として、原発を受け入れるしか無かったのです。
地域格差という問題
結局、福島が苦しむ原因は、首都圏に比べて人口も少なく産業も少ないという、地域格差が生んだものです。
「じゃあ、みんな東京に来れば良い」
そう言う人も居ると思いますが、過去のブログでも書いたように、地方は首都圏が成り立つためにも、必要なものです。
基本的に、人がいろんな土地に散らばって住むのは、災害やパンデミックなどの危機に対抗するための安全策、冗長性なのです。
だから、地方を維持し続ける必要が有り、だからこそ地方交付税が有るわけです。
しかし、その中央からの補助は十分なものでは無く、それが地域格差の原因に成っています。
ただお金を配れと言っているわけでは有りません。
まずは省庁や企業や大学を、地方に持って行くのが得策だと思います。
地域格差が無ければ、福島の原発事故が防げたわけでは有りません。
しかし一つ言えるのは、少なくとも事故が起こった場所は、福島では無かったはずだという事です。
そして、地域格差が生む一番残酷なものが、子供の格差です。
筆者もそうですが、田舎に生まれたというだけで、進学校や塾などに通うことが出来ないという、教育格差が生まれます。
さらに学校を出て、生まれ育った地域に残りたくても、進学する大学や就職先が無いという悲劇に見舞われます。
首都圏の冗長性のため、そして、住む場所を選べる選択肢を増やすためにも、地域格差を無くすべきです。

