「地面師たち」というNetflixのドラマがヒットしています。
数年前に実際に有った、土地売買詐欺事件を元にしていることから、そのリアリティはかなりのものです。
しかし、こんな事件は日本でしか起こりえないと思います。
だからこそ世界的なヒットにも成っています。
「土地転がし」という日本ならではの商売
海外でも、もちろん土地の売買は行われています。
しかし、例えばアメリカなどでは土地は広大で、地方であれば、大規模な投資と共に農業や鉱物採掘などに利用されるために、土地の開発とセットになっていて、土地そのものを売買することは稀です。
都市部でも不動産デベロッパーが賃貸物件を管理していて、今さら土地の売買はほとんど発生しません。
後は高級住宅街での売買が有るだけで、不動産業は経済的に大きな割合は占めません。
一方、日本ではいまだに都市部でも盛んに土地の売買が行われ、地方でも個人や法人の所有の土地が売買されています。
理由は、まず国土が狭いところに人口も経済活動も多く、土地の価値が必然的に高くなるからです。
実際、バブルの最盛期には、東京23区の地価でアメリカ全土が買えてしまうほどに高騰しました。(バブル崩壊で値下がりしますが)
そして、持ち家願望が強い国民性で、個人での土地売買が盛んだからです。
だから日本では不動産業は経済において大きな割合を占め、詐欺も行われるというわけです。
日本の家は寿命が短い
日本で土地の売買が盛んなもう一つの理由が、海外と比べると日本の家の寿命が極端に短いことが有ります。
日本の家は平均で30年で寿命を迎えますが、海外では軒並み100年ほどです。
その理由は様々ですが、日本では、主に戦後に急ごしらえで建てられたこと、持ち家志向が強いために中古住宅の人気が無いこと、そして湿気が非常に多い気候のせいだと言われています。
30年ほどで柱の根本から腐ってしまうので、その度に建て直しを検討することに成りますが、多くの人がそのタイミングで土地ごと手放し、マンションなどに移るわけです。
そしてその度に、新たに土地を購入し、家を建てる人が必ず現れて、土地の売買が行われています。
土地の売買は生産性がゼロ
というわけで、ここ日本では土地売買などの不動産業が盛んなわけですが、それがこの国の生産性を低くする一因にも成っています。
土地売買においては、その土地の活用方法を含めた取引で無い限り、生産性は有りません。
例えば、日本は山林の占める割合が高く、さらに日本の山林は木材を生産するために活用されている場所はほとんど残っていません。
これらの土地に工場などを建てれば大きな生産性を生むことに成りますが、例えばシャープ社が液晶画面の製造から撤退するなど、この国の製造業は陰りが見えていて、簡単では有りません。
太陽光発電などに利用している場所も、最近良く目にしますが、土砂が流出するなどの問題も起きています。
日本の山林は防災の役割も有るのです。
住宅用の土地の転売は、単なる再生産で、生産性は上がりません。
人口が増えていた時代ならともかく、人口減の現代においては、たいした意味は有りません。
いい加減、土地転がしに割いている人員と予算を、もっと有意義で生産性の高い産業に充てるべきです。
こんな時代に、大手不動産デベロッパーが地面師に踊らされている時点で、時代に取り残されています。