菜々緒氏主演で、マンガが原作の「無能の鷹」のドラマ版が放送されています。
筆者も原作マンガが好きで良く読んでいました。
いわゆるポンコツ社員で有りながら有能オーラを放つ主人公と、有能なのにそうは見えない同僚社員のコンビが起こす奇跡の数々を、面白おかしく描いています。
ドラマ版も再現度が高く、菜々緒氏ははまり役です。
ドラマの反響
ドラマの反響の大きさに、筆者も驚いています。
原作もそこそこは売れていましたが、ドラマほどの反響は有りませんでした。
おそらく原作を知らずにドラマの視聴をした視聴者が、その反響を寄せているのだと思います。
筆者がこの作品を面白く感じたのは、あり得ない不条理さが有るからです。
仕事の内容を全く理解していない主人公の、全く的を得ていない会話に対し、取引先はその見た目に騙されて、斜め上の解釈をします。
それに対し有能な同僚がフォローをすることで、取引が成立してしまうのです。
そう、この作品て不条理コメディなんです。
それに対し、ドラマ版の視聴者は、主人公のあり得ないほどの無能ぶりをただただ驚いているようです。
主人公はグレーゾーンの人
ドラマの視聴者は、菜々緒氏の演技も有り、主人公の無能ぶりをそのまま楽しんでいるようです。
もちろん創作なのですが、「実際にこんな人居そう」という感想が大方です。
そして「こんな人と比べたら自分はまだマシ」という声が聞こえてきそうです。
しかし考えてみてください。
実際にこの主人公のような人が居たとすれば、その人は「グレーゾーン」に違いありません。
ここで言う「グレーゾーン」とは、知能において、普通の人と知的障害の有る人の中間に位置する人々を言います。
IQが70~85くらいの人が該当します。
(発達障害のグレーゾーンとはまた別)
人口全体の約17%が該当します。
実に6人に1人に成ります。
この主人公の無能ぶりだけを見ていても、笑える状況では無いと思います。
グレーゾーンの人の居場所が必要
ドラマでは、主人公はIT企業の営業部に所属しています。
その放つオーラの影響と、多様性に配慮した入社試験の廃止の影響で、入社に至っているという設定です。
何だかんだで事がうまく収まってしまうところが、この作品の面白さですが、実際にはそんな奇跡は起きないでしょう。
IT企業の営業にグレーゾーンの人が実際に居たとしたら、本人にとっても周りの社員にとっても、会社にとっても悲劇でしか有りません。
だから実際の社会においては、この作品のようなことは起こらないに越したことは無いのです。
主人公のような人は、もっと単純な業務に就くべきです。
しかし、作中では主人公が自らオフィス街で働きたいと望みます。
それは実社会でも起きていることです。
海外では早い段階でグレーゾーンの人を、それなりの道に進むように指導しています。
高校までで進学を切り上げ、飲食店のレジなど、向いている仕事に就けさせています。
それに対し日本では、グレーゾーンの人はあくまで普通の人として扱い、大学まで進学させて、難易度が高い仕事に就かせてしまっています。
その結果、会社は人件費を無駄にし、本人はドロップアウトして貧困に陥ってしまいます。
日本でも、いい加減グレーゾーンの人を正しい道に導く教育と指導をすべきです。

