スノーボードのジャッジに基準が無い問題 | 大学中退者のその後の後

大学中退者のその後の後

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北京オリンピックの男子スノーボードハーフパイプ決勝で、平野歩夢選手の2本目の得点が、大きな物議をかもしました。

 

これまでに平野選手以外は誰もやっていない、最高難度と言われる「トリプルコーク1440」を初め、その他のジャンプも全てダブルコークで飛び、「人類史上最高難度のルーティーン」と称されました。

 

ところが、その前に演技したスコッティ・ジェームス選手に1点ほど及ばず、その時点で2位となりました。

 

アメリカの有名なスノーボードレジェンドを初め、多くの人が疑問を投げかけ、現場でも選手や関係者からブーイングが起こったそうです。

 

結局最終3本目の演技で平野選手が逆転して金メダルを取りましたが、この2本目のジャッジは、ずっと議論されています。

 

また、男子スノーボードスロープスタイルでも、金メダルを取ったマックス・パロット選手のグラブが完全では無く、もっと得点が低くて順位も変わっていたのではと議論に成りました。

 

競技後、平野選手自身が会見で「スノーボード競技のジャッジには基準が無く、どうすれば得点を上げられるのか分からないのは問題だ」と語りました。

 

スノーボード競技も、フィギュアスケートと同様に、技ごとに難易度に合わせて得点を設定して、そこに高さやグラブなどの加点をするなど、明確な基準を設ける必要が有ると思います。

世の中にもたくさん有る基準が無いもの

一般社会に有る基準が無いものの代表って、お給料だと思います。

バイトやパートだと時給が基準に成って、働いた時間分貰えますが、時給も千差万別で基準は有りません。

 

コンビニなどは最低賃金に近い金額が多く、肉体労働系の運送業などは高めに設定されていますが、コンビニが楽とも思えません。

確かに室内の軽労働が多い気はしますが、ゴミの処理や外の掃除、雪かきなど、室外の労働も多いからです。

 

一般的な正社員の給料も曖昧です。

高卒初任給と大卒初任給がどこの企業や役所でも決められていて、そこから昇給の仕方やボーナスなどで違いは出てきますが、初任給はほぼどんな業種でも同じくらいです。

 

業種や仕事の内容や担当業務によって大きな違いが有っても良さそうに思うのですが、同じに成ってしまっているのは、完全に慣習によるものです。

 

みんな横並びが当たり前に成っている、日本ならではと言えますが、海外ではどうでしょうか。

担当業務によってまったく給料が違う海外

海外の企業を見てみると、担当業務によって給料が全く違っています。

 

分かりやすいのがお医者さんで、海外でいわゆるホームドクターと呼ばれるお医者さんは、おおむね年収600万くらい。

それに対し、病院勤務の専門医は2000万くらいです。

 

なぜそうなるかというと、ホームドクターは成るのも比較的にハードルが低く、任される診療も、どこの部分が悪いのかを判断するだけで治療は行わず、専門医に丸投げします。

それに対し専門医は成るのも大変で、高度な手術などを行い、ミスをすれば高額の賠償を求められます。

 

それに対し、日本のお医者さんは専門医も町医者も、同じようなカリキュラムを受け、同じような収入に成っています。

 

以前のブログでも書きましたが、専門医も町医者も同じ収入なので、専門医に成る医者が少なく、ゆえにコロナ渦で病床がひっ迫するのです。

日本の横並び文化の弊害です。

海外では明確な基準が有り、人ではなく業務で給料が決まる

日本では、正社員だと総合職と一般職の若干の違いは有れど、ほぼ同じ給料からスタートし、おおむね会社の業績に応じて昇給やボーナスが与えられます。完全にメンバーシップ型の働き方です。

 

日立など、一部の企業ではジョブ型が導入されつつ有りますが、まだまだ多くの企業が年功序列です。

 

それに対し、海外の企業はほぼ全てがジョブ型で仕事を進めています。

あるプロジェクトが立ち上がると、そのプロジェクトを進めるのに必要な人材が集められます。

 

その時、プロジェクトが完了した時点での売り上げもほぼ決まっており、その売り上げを分配する形で報酬も決まります。

 

例えば、ある企業の業務システムを構築する場合、必要な人材と人数、作業時間をまず決めます。

 

そして、客先から仕様を聞き取り、全体を設計するSE(システムエンジニア)、制御プログラムや操作画面を実装するプログラマー、出来上がったシステムをテストするテスターなどが集められます。

 

この時にすでに、見込める売り上げと担当業務によって、各担当者の給料が決まっています。

誰が担当者に成っても、給料は同じです。

 

現在、こうしたシステムを構築するIT技術者が、世界的に不足しており、技術者の争奪戦に成っています。

だから、給料も高めに設定しないと、人材が集まりません。

そのために、システムの構築金額はどんどん上がっています。

 

しかし、システムを導入することで、劇的に生産性が上がって、収益も上がることから、各企業や役所は高いお金を払ってもでも導入するわけです。

 

ジョブ型の良い点の一つは、こうして明確な基準を設けることが出来ることです。

 

基準が明確だと透明性も高く、不公平感は出ません。

 

日本企業も、いい加減ジョブ型にシフトして、基準の明確化をするべきです。