KOUMI100 詳細その③おわり | 世界を走ってやる!

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自分の足で色んなところを走りたい。いつまでもどこまでも元気に走れる頑丈なランナー目指して、走り方を研究しています。

走り始めは2008年9月2日

サプライズ応援に力をいただき、体も温まったのでロードもいい感じに走れた。

 

まだ50キロくらいしか走っていないので脚も動く。

 

トレイルや林道区間でどうしても時間がかかってしまうので、舗装路は上り坂もなるべく走った。




レンタカーを使って応援に来ていたので、先回りしてまた応援してもらえた。

 

トレイル区間に入る前に補給をし、急登に備える。

 

2周目の山はさらに足場が悪くなっていて、手を使う場面も多い。

 

下りはさらにぐちゃぐちゃどろどろ。

そんな中に見えない木の根のトラップがあって、足を引っ掛ける。

 

何度か転んでだ。尻餅もついたし、前のめりにも倒れたし、倒れた体を支えるために左手を強打したり。

 

幸い着ているものが破けたとか、膝を擦りむいたとかはなかったが、多くの人たちが自分の体だけでなく高級なウェアやシューズをダメにしていたようだ。

 

泥沼は周回ごとに深くなっていて、足が埋まっていった。

 

こんなところで怪我するわけにはいかないので、無理はせずにゆっくりと下る。


ポールを上手く使っている人もいたが、どうも苦手意識が先行して下山時に使うのを躊躇っていた。


しかし、ここまで悪路となるとむしろ使った方が良かったのではと思い、3周目の下りは使おうの心に決める。

 

なんとか山の中を抜け出し、走れるトレイルまでやってこれた。

 

大変だったがやめたいという気持ちはまだなかった。

 

林道下りもかなりぐちゃぐちゃだったので、ここではポールを使うことにした。

 

長い林道下りが続く。


ロードのあたりからもう暗くなってきていたので、ヘッドライトを装着し、ハンドライトの灯りを頼りに走った。


林道からはヘッドライトを使う。


周りにはあまりランナーはいなかったが、時々後ろから抜かれた。


林道ももうどこを歩いて良いのか分からないような状況。


少しでも足場が良さそうなところを選んで進むものの、暗いしでまた直ぐに水溜りの中へ。


もう、田んぼ状態で一歩進むのも普段以上に体も頭も使うので疲れた。


やっと林道が終わり、ロードに出るが普段ならなんてことない道も今は一苦労だ。


3周目、4周目へと向かう選手とすれ違うが数は多くない。


やっとスタートゴールに到着するとみんながお帰りと迎えてくれた。





私の第一声は「お腹すいた」である。



車に戻るといるはずのないメタボンがいた。低体温で途中でやめたそうだ。


2周目でシューズと靴下を変えたが、3周目はそのまま行くことにした。



ビニールベストを着ていて蒸していたので、パタゴニアのキャプリンに着替えた。


食べ物もさっきより多めに持った。



これだけ沢山の人に見送られたら、前に進まないわけにはいかないし、応援が力にもなっていた。


もちろん、この時はまだ前に進む気力もあった。


時間的に間に合うのかどうかわからないけど、進むしかなかったし、3周してペーサーのK子さんと一緒に走りたかった。


このコースを見せてあげたいとも思った。


だから、前に進んだ。


スタートゴールを出るとき、完全ひとりだった。


同じくらいの時間で走っている人がいない。


こんなタイムでは3周目に進む人はいないのかもしれない。


夜のエイドをスタートする時はいつも誰かが出発したのを確認してついて行くようにでるのかだが、今日は誰もいなかった。


みんなに見送られ、少しでもタイムを縮ませようとロードと林道を頑張って走った。


林道も全歩きではなく、時々走った。


人に会うことは殆どない。


どんどん闇が深くなる。


不安になって時々後ろを振り返って遠くに灯りが見えると安心した。


その灯りが近づいてくると、大概二人連れである。


4周目のランナーとペーサーだ。


速い人達はこんな足場の悪いところも軽い足取りで登って行く人が多い。


真似してみるがまったく追い付かない。


なにこの差…


3度目の夜の林道はものすごく長く感じた。実際に時間は掛かったが、距離が延びたのではないかと?思うくらい中々終わりが近づいてこなかった。


やっとこ思いで林道の泥と川地獄から抜け出した頃にはもう脚がかなり疲れ切っていたようだ。


あれほど得意げに走ったロードの下りがまったく走れない。


走っている風の歩きのペースだ。


それでも林道よりかはましだが、真っ暗闇でトボトボと歩いていると、色んなことを考えてしまった。


自分との葛藤がはじまる。


もう、時間的に間に合わないのではないか?


このまま山に入っても危険だし何かあっては取り返しがつかないからやめた方が良いのではないか?


不安と恐怖に打ち勝つことが出来ず、携帯を手にした。


携帯のバッテリーが4%しかない。


やばい。


進むにしろ、やめるにしろ今連絡しておかないとゴールまで歩かなくてはならない。


グループラインに全然走れないと弱気を吐いた。



どこにいるか伝えると、15分ぐらいで着くからと稲子湯まできてくれた。



どうすべきか分からないと言うか、多分やめたかったのだろう。


携帯のバッテリーがK子さんに預けた私のバックに入っているのは分かっていたが、それをもらって自ら行く勇気はなかった。


もし、ここで強く行けと言われていたら、いやいやでも行っていたかもしれない。


でも、みんな優しいからそんなこと言わない。


結局、自分の弱さが出てしまった。


意地でもゴールするんだと言う強い気持ちがあれば、時間のことなんて気にせず前に進んだはず。


結局、コースがどうのこうのと理由をつけて逃げてしまったのだ。



ペーサーに仕事もさせないままレースは終わってしまった。



K子さんの知り合いのおじさんが言っていた。



やめた時、どっか痛かったりしたの?

痛いところなかったなら、充電器持って行かなきゃ。



まさにその通りだ。


今となっては、自らや辞めたことを悔やんでいる。


悔やんでも悔やみきれない。

あとの祭だけど、それでも悔しい。


時間が戻るなら、制限時間ギリギリまで進むだろう。


UTMBを完走できなかったのは時間切れで、自分の走力が足りなかったと思えるけど、今回はまだ時間があったのにやめてしまった。


気持ちの面が弱ってしまったのだ。


明るいうちはみんなの為にも完走しようと思えていたのに、夜になった途端そのように思えなくなってしまったのだ。


恐怖に打ち勝つことができなかったのだ。


負けず嫌いではあるけれど、変なところで意外と女の子がでてしまった。


にやり


トレイルランニングや登山の世界では経験値が少なく、まだまだあまちゃん。


常に周りで見守られているマラソンとはやっぱり全然違うわあせる



こうして、私のKOUMI100は途中棄権で終わってしまった。


応援してくださった方々、サポートしてくださった方々に申し訳なくて、なんて言ったら良いのかわからない。


この悔しさをバネに、そして、この経験を無駄にしてはいけない。


次の100マイルチャレンジのUTMFではそれらを活かしたいと思う。


一緒に走った選手、大会主催者、小海町のみなさん、応援してくださったみなさん、そして、サポートしてくれたTK夫妻。


皆さん、本当にありがとうございました。





今回の100マイルで学んだこと


脚が動くなら、前に進め!



今回走らせてあげられなかったけど、必ずまたどこかで一緒に走れるように頑張るのでまたよろしくお願いします。(信越とか小海とかアメリカの大会とか…)


長い文章、最後まで読んでいただきありがとうございました。


(終)



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