大田原を走ってやる! 3 (動画あり) | 世界を走ってやる!

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自分の足で色んなところを走りたい。いつまでもどこまでも元気に走れる頑丈なランナー目指して、走り方を研究しています。

走り始めは2008年9月2日

代わり映えしない景色が延々と続く。
周りを見渡しても木々だったり、山だったり、畑だったり。
応援も距離が進むに連れて少なくなる。
畑の一本道じゃあ、ほとんど応援なんていない。
時々、近所のじいちゃんやばあちゃんたちが孫を連れて応援してくれるが。

今回、音楽を聞かないで走った。
これも初の試み。
だからか余計に暇だ。

耳に入ってくる声はすべて聞き逃さない。

おじさんランナーたちの会話。

「いや~女子の選手層が本当に厚くなりましたね、昔はこんなところで抜かれることなんてなかったんですけどね~」
「ここについてきてるってことは普段4分前半とかで走れちゃったりするんですよ」
とか。

女子ランナーの会話。

「このまま4分半でハーフまでいって、途中で抜けちゃいます」とか。

そういうのを聞いてへぇ~とかすごいな~とか気を紛らわせる。

そんなコースだけに、走りながらの楽しみは応援のみんなに会えることと一緒に走る仲間とスライドできることだった。
今回のコース、唯一18キロくらいの場所に折り返し地点が1カ所ある。
走る仲間たちのタイムがそこそこ近いのでうまく行けば、ここでみんなに会えるだろう。

折り返し地点にさしかかり、私はカメラを回し始めた。
ずっと撮っていれば誰かしら写るだろう…
そういう作戦だ。

見知らぬランナーたちにカメラを向ける。
そんな時、後ろから…

ちりんちり~んと誰かがやってきた!

あ!バンビ!

しかも、応援団の前で抜いて行ったよガーン
嫌がらせか?!
おかげで私の写真ないんだから!!プンプン
 
応援団の方へ近づきカメラを向ける。
mieちゃま~とmaika姉ちゃんの声援を受けるが…

ん?!

変なのがいる!!

思わず声にしてしまった。
そこにいたのは、女子高生に扮した今大会一番の見所! 「ぷぅ子」だった!

そんな、ぷぅ子はおおしんフラッグ片手にちょとだけ並走してくれた。

あっという間に悪夢 いや、楽しい応援が終わり折り返しだ。
また、あの前を通るのか…

今度もみんなを撮影しながら走り続けた。

反対側車線は私より後ろにいる人たち。
どんな順番でやってくるんだろうか…

そのときは誰かを見つけようとかそんな余裕はなかった。
とにかくカメラに映ってればいいやって思っていただけ。

そしたら、まっくんが手を振ってきてくれたり、チャーリーさんやハッタリさんもこっちに合図してくれた。

残念ながらキャプテンは見つけられず。(あとでビデオを何度も見返して見つけたよ)
そして、のぶさんもみつけられなかった。(意外とオレンジ着てる人が多いのよね)

そうそう、走りながらおばあちゃんと孫が応援していたのだが、
そのときに孫(男)がピンクのお姉ちゃんかわいいよ~ってばあちゃんに言っていた。

ばあちゃん「じゃあ、応援しなさい!」

孫「がんばれ~!」

「え?私?」とちょっと気を良くしていたのだが…
あとで見たら、後ろに全身ピンクのランスか女性がいたではないか。
どう考えても、私じゃなかったね… ちぇっ!ちびっこめ!

折り返し地点が終わってしまい、その後は数メートル目の前を走るバンビ君をターゲットにして走った。
ちょっと頑張れば追いつけそうだったが、ここで自分のペースを乱してはいけない。
ゆっくりと徐々に追いつめる。

バンビ君の背中を見て走るのも途中で飽きてきた。
周りの景色は畑ばかり。

う~ん…

そうだ!

目をつぶってみよう!

何を思ったかちょっと寝ながら 瞑想しながら走ってみる事にした。
まっすぐな道だからできるだろうと思ってね。
目をつぶり何歩か走ってはうっすら目を開ける。
それを何度か繰り返してみた。サングラスをしているのをいいことに。
途中で土手に落ちやしないかとちょっぴりビビりながらね。
目を閉じて走るとなんだか夢心地でちょっぴり気持ちよかった。

けど、そんな事をずっとしてはいられない。

あれ?バンビ君ペース落ちてきたかな…
さて、行くか。

徐々に間を詰めて、横に並ぶ。

やぁ!と、ちら見してみる。

バンビ「足がうごかない~」

私「ふふ…」

このときのペースはたぶん4:35前後くらいだろう。
あまり会話もしたくなかったので(別に嫌いな訳じゃないよ!)、うなずく程度で話を聞き、様子を見ながら、こっそり撮影してじゃあね~と去って行く事に。

このあとはかなり孤独な旅の始まりだ。
動画を見ればわかるだろうけど、少しずつ道ものぼり始めてきた。
前からは北風ぴゅ~ぴゅ~と容赦なく襲いかかる。

途中、私の前に見覚えのある後ろ姿を見つけた。

あれ?あの人どっかで見た事あるな…
その女性を見ながらそう思っていた。

そして、いつだか、その女性が話をかけてきた。

女性「あの~ シドニー走ってませんでしたか?」

私「走ってましたよ!あ、やっぱりあの時の!そうかな~と思ったんですよね!」

女性「やっぱり!今日もカメラもって走ってるんですね!」

いやぁ~ びっくり。
まさか、あの時の人にまた会えるなんて!
やっぱり、走力が一緒くらいだからまた走っていて会えたんだね。すごい、すごい。
この後、私は上り坂でその女性を追い抜いて先を行った。
前回は彼女の方が早かったからね。今回は先に行かせてもらいますよ。

それからは道がどんどんとのぼり始めるのだった。

気がつくと、足がどんどん重くなっていく。

まずい…

たぶん、29キロすぎだろうか。
その状態にVESPA投入をするが、使うタイミングを思いっきり間違えた。
前回使用したとき、意外と飲めちゃったので今日も大丈夫かと思いきや…

ゲッ!!

酸っぱい!

のどに?!!!

ううぅ~

苦しい…

疲労蓄積しない為だったのに、いきなり死にそうになる。
水、水をくれ~

しかし、どこにも水がない…

どうにもこうにも苦しくて、苦し紛れにつばを飲み込む。
あまりの苦しさに失速…

そのまま、失速してしまう30キロ。
給水所前で使うべきだった。

なんとかそのあとに給水所までたどり着いて少しは落ち着いたものの、取った水が半分くらいしか入っていなかったりなサプライズあり!

でも、そのあともう1杯飲んだのでなんとか生き返った。

景色は相変わらず田舎町。

右を見ると牛舎があった…

ぷ~んと香しいかおりが…

くさい…

今回のレースもニオイにやられたのだった。

つづく


ちなみに、10キロ以降のペースはこんな感じ。

4:31
4:30
4:35
4:29
4:45 (15K)
4:34
4:34
4:38
4:23
4:37 (20K)
4:35
4:38
4:41
4:44
4:57 (25K)
4:55
5:07
5:11
5:10
5:27 (30K)